財産評価
2018年5月21日 月曜日
財産評価Q&A82 動産②書画骨董
財産評価Q&A 動産②書画骨董
Q82
美術品の鑑定において、鑑定人が鑑定した金額であれば、その金額がたとえいかなる金額であろうとも、その金額を評価額とすれば認められるでしょうか?
A82
販売目的で所有する書画骨とう品以外の書画骨とう品の評価は、売買実例価額や精通者意見価格等を参酌して評価することになっています。したがって、鑑定人が鑑定した金額は、あくまでも評価上、参考にすべきものであり、絶対的なものではありません。
鑑定人が数人いれば、その全員が全く同一の鑑定額を出すかといえば.必ずしもそうとは言いきれないでしょう。つまり、鑑定人の鑑定額や美術年鑑、あるいは同種のものの売買実例等を総合的に考慮した上で、評価すべきだと思います。
ただ、参考とするものが鑑定人の鑑定額以外に人手することが困難な場合は、それを評価額としても認められると思われます。
Q82-2
最近買ったばかりの書画骨とうは、その購入の際の領収証の金額で評価してもよいでしょうか。
A82-2
基本的には購入先と特別な利害関係がない限り、その購入時の領収証の金額で評価してもよいと思います。ただ、ここで問題となるのは何年前までのものならよいかということです。書画骨とうとは、年月を経ることにより、その価値が増加又は減少するものもあれば、変わらないものもあります(つまり、10年前に買った金額と、現在の売買実例価額と差がないものもあれば、大きく変わっているものもあるでしょう。)。したがって、何年前までのものならよいとは、一概に言えませんが、目安としてはおおよそ3年以内であれば、特別の事情がない限り、その領収証の金額で評価してもよいのではないかと考えます。
3年以上経過しているものは、やはり、精通者の意見や、現在の売買実例等を総合的に考慮し評価すべきでしょう。現実的には、購入先の美術商等から見積もりをとればよろしいと思います。
投稿者 記事URL
|2018年5月14日 月曜日
相続税財産評価Q&A81動産①
相続税財産評価 動産①
Q81
家庭用動産の評価については、原則として1個又は1組で評価すると基本通達128に記してありますが、実際、家庭用財産は一つ一つの価額は分かりにくいので、火災保険に加入する際に保険会社に申告した動産の価額でもって評価することは可能でしょうか。また、基本通達128に規定する一般動産にはどのようなものがありますか?
A81
一般動産の価額は、原則として、1個または1組ごとに評価します。ただし、家庭用動産、農耕用動産、旅館用動産等で1個または1組の価額が5万円以下のものについては、それぞれ一括して一世帯、一農家、一旅館等ごとに評価することができます。
一般動産の価額は、原則的には売買実例価額、精通者意見価格等を斟酌して評価します。ただし、売買実例価額、精通者意見価格等が明らかでない場合はそれと同種、同規格の新品の小売価額相当額によるものとし、その動産が使用又は保存等により価値が減少するものであるときは、その小売価額相当額から、その動産の製造の時から課税時期までの期間(1年未満の端数は、1年とします。)の償却費の合計額又は減価の額を控除した残額により評価することとされています。
この場合の耐用年数は耐用年数省令に規定する耐用年数により、償却方法は定率法によります。
一般動産の例示としては、事業者所有の事業の用に供する機械装置、器具、工具、備品、車両運搬具や一般家庭用の家具、什器備品、衣類、非事業用の車両運搬具等が挙げられます。
ただし、動産に該当しても下記に掲げるものは、それそれに掲げる財産評価通達の定めを適用して評価します。
(1)暖房装置、冷房装置、昇降装置、昇降設備、電気設備、給排水設備、消火設備、浴そう設備等で財産評価通達92の「附属設備等」に該当するもの
(2)財産評価通達132の「たな卸商品等」に該当するもの
(3)財産評価通達134の「牛馬等」に該当するもの
(4)財産評価通達135の「書画骨とう品」に該当するもの
(5)財産評価通達136の「船舶」に該当するもの
投稿者 記事URL
|2018年5月7日 月曜日
相続税財産評価Q&A80 構築物②
相続税財産評価 構築物②
Q80
コンクリート敷きの駐車場は構築物に該当しますか?3階建の自走式の立体駐車場ならどうでしょうか。また、自走式と機械式が併設された駐車場施設は構築物、機械設備のどちらになりますか、それともそれぞれの部分ごとに評価するのでしょうか。
A80
自走式の立体駐車場は構築物として評価し、自走式と機械式が併設された駐車場施設は、構築物部分と機械装置部分にそれぞれ区分して評価します。
構築物とは土地に定着する土木設備又は工作物とされています。また、通常、機械とは剛性のある物体から構成され、一定の相対運動をする機能があり、それ自体が仕事をするものであるといわれています。このことから、駐車場のうち、単に砂利・アスファルト・コンクリートを敷き詰めた平置きの駐車場は、構築物に該当します。そして、構築物の価額は、原則として1個の構築物ごとに評価します。
質問の自走式の立休駐車場設備は、通常、鉄骨製の主材部分、床(パネルフレーム)部分、スロープ部分及び基礎部分等から構成されており、車が自走して駐車位置に移動し、上層部分へはスロープを利用して移動するものであることから、構築物に該当します。また、自走式と機械式が併設された駐車場施設は、自走式部分は構築物に該当し、機械式部分は機械装置に該当するため、その部分ごとに評価します。
構築物の相続税評価額は、その構築物の再建築価額(課税時期においてその財産を新たに建設または設備するために要する費用の額の合計額をいいます。)から、建築の時から課税時期までの期間(その期間に1年未満の端数があるときは、その端数は1年とします。)の償却費の額の合計額または減価の額を控除した金額の100分の70に相当する金額によって評価します。この場合における償却方法は、定率法によるものとし、その耐用年数は減価償却資産の対象年数等に関する省令(耐用年数省令)に規定する耐用年数によります。
投稿者 記事URL
|2018年4月23日 月曜日
相続税財産評価Q&A79 構築物①
相続税財産評価Q&A79 構築物①
Q79
我が家は、通常よく目にすることのできる庭付き一戸建住宅です。この場合に、財産評価通達の評価単位に規定される構築物の範囲から除かれる「土地又は家屋と一括して評価するもの」にはどのようなものが考えられるでしょうか。
A79
庭は土地と一括して評価し、電気・ガス・衛生・給排水設備等は家屋と一括して評価します。
一般家庭におけるような比較的簡易な庭の設備は土地と一括して評価します。すなわち,財産評価基本通達92(3)において、庭園設備の評価方法が定められていますが、ここで想定している庭園設備は、拝観の対象となるような有名庭園など相当高額な客観的価値を有するものをその評価対象としていると解釈すべきであり、一般の家屋の通常の庭の設備までを積極的に評価対象にしようとする趣旨のものではないと考えられるためです。
また家屋と一括して評価するものとは、家屋の所有者が所有するもので、その家屋に取り付けられ家屋と構造上一体となっている次のような附属設備が該当します。
①電気設備(ネオンサイン、投光器、スポットライト、電話機、電話交換機及びタイムレコーダー等を除く。)
②ガス設備
③衛生設備
④給排水設備
⑤温湿度調整設備
⑥消火設備
⑦避雷針設備
⑧昇降設備
⑨じんかい処理設備
*家屋に取り付けられ家屋と構造上一体となっているものとは次によります。
(1)家屋の評価に含める建築設備は、当該家屋の特定の場所に固定されているものであること。すなわち取り外しが容易で、別の場所に自在に移動のできるものは含めない。
(2)固定されていない配線等であっても、壁仕上げ、天井仕上げ、床仕上げ等の裏側に取り付けられているものは、構造上一体となっているものとして家屋に含める。
(3)屋外に設置された電気の配線及びガス・水道の配管並びに家屋から独立して設置された焼却炉等は家屋と構造上一体となっているものではないので含めないものとする。
(4)給水設備の給水タンク、給湯式浴槽に給湯する給湯器、空調設備の室外機等屋外に設置されたものであっても、配管、配線等により屋内の機器と一体となって一式の建築設備としての効用を発揮しているものついては、当該一式の建築設備について判定するものとする。
(5)電球・蛍光管のような・消耗品に属するものは含めない。
投稿者 記事URL
|2018年4月16日 月曜日
相続税財産評価Q&A78 家屋④
相続税財産評価Q&A 家屋④
Q78
営業所として使用していた当社所有のマンションの部屋を、取引先に貸すことになりました。毎月の家賃収人は商取引上の買掛金と相殺することとしています。この場合には使用貸借に当たりますか、それとも貸家として評価されますか。また、取引先においては、相続税評価上「借家権」として評価の対象となりますか。
A78
第三者に賃貸しているため使用貸借には該当せず貸家として評価され、取引先においては、借家権の取引慣行のある地域に所在するのであれば借家権として評価し、それ以外の地域に所在するのであれば評価しません。
ご質問の部屋は.第三者の取引先に貸しているとのことですので使用貸借には該当しません。家賃のやりとりをする賃貸借に該当するので貸家として評価いたします。貸家の評価は、その家屋が貸家でないとした時の価額から、その家屋の価額に一定割合(借家権割合といいます。)及び賃貸割合を乗じて計算した額を控除した金額によります。借家権割合は、全国でおおむね30%とされています(詳細は財産評価基準書を参照してください。)
一方で借家人の有する権利すなわち借家権の価額は、その権利が権利金等の名称をもって取引される慣行の地域にあるものを除き、相続税又は贈与税の課税価格に算入しないこととされています(評基通94)。借家権の価額は、家屋の評価(評基通89)又は附属設備等の評価(評基通92)の定めにより評価したその借家権の目的となっている家屋の価額に国税局長の定める借家権割合及び賃借割合を乗じて計算した金額によって評価します(評基通94)。
したがって、借家権の取引される慣行の地域にある建物に該当する場合は本通達の算式で計算した評価となりますが、それ以外の地域にある建物に該当するときは、借家権の評価はしなくてもよいとされています。借家権を単独で取引する慣行のある地域は、都心部の商業地等に限定されると考えられています。
投稿者 記事URL
|カテゴリ一覧
最近のブログ記事
月別アーカイブ
- 2020年12月 (1)
- 2018年10月 (1)
- 2018年9月 (2)
- 2018年8月 (3)
- 2018年7月 (4)
- 2018年6月 (3)
- 2018年5月 (4)
- 2018年4月 (3)
- 2018年3月 (1)
- 2018年2月 (2)
- 2018年1月 (3)
- 2017年12月 (1)
- 2017年11月 (3)
- 2017年10月 (4)
- 2017年9月 (3)
- 2017年8月 (3)
- 2017年7月 (4)
- 2017年6月 (3)
- 2017年5月 (5)
- 2017年4月 (4)
- 2017年3月 (3)
- 2017年2月 (3)
- 2017年1月 (5)
- 2016年12月 (4)
- 2016年11月 (3)
- 2016年10月 (4)
- 2016年9月 (3)
- 2016年8月 (4)
- 2016年7月 (4)
- 2016年6月 (5)
- 2016年5月 (4)
- 2016年3月 (1)