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財産評価

2017年4月24日 月曜日

相続税財産評価Q&A47 地上権他②

相続税財産評価 地上権他②

Q62
 私の所有する宅地の下に高速道路のトンネルが通ることになりました。この場合の宅地の評価はどのようになるのでしょうか?
 また、評価減できるのはいつの時点ですか?「契約締結日」「補償金を収受した日」「工事完了日」のいずれでしょうか?
A62
 土地の下に地下鉄や自動車専用道路などのトンネルが通っている土地には、区分地上権が設定されています。「区分地上権」とは、工作物を所有するため、地下又は空間に上下の範囲を定めて設定された地上権をいいます。区分地上権の設定された土地は、建物の建築が制限されるため価値が下がり評価減の対象となります。具体的には次のとおりです。

区分地上権の目的となっている宅地の価額は、その宅地の自用地としての価額から区分地上権の評価の定めにより評価したその区分地上権の価額を控除した金額によって評価します。

区分地上権の価額は「公共用地の取得に伴う損失補償基準細則」に定める「土地利用制限率」によって補償金が支払われているのが現状です。そのため、区分地上権の評価もその設定契約の内容に応じた土地利用制限率の割合を基準として評価します。
ただし、地下鉄等のトンネルの所有を目的とした区分地上権の場合には、簡便法として100分の30とすることが認められています。商業地等の立体利用が可能な土地以外は簡便法によることとなります。 

また、区分地上権が1画地の宅地の一部分に設定されているときは、「その区分地上権の目的となっている宅地の自用地としての価額」は、区分地上権が設定されている部分の地積に対応する価額となります。

地上権の設定行為は民法上の契約行為ですので、契約により土地の使用制限の効力が生ずる日をもって地上権が設定されたとすべきです。しかし、地上権の設定契約には反対給付となる補償金が支払われるのが通例であり、対価となる補償金の額が確定した時としても差しつかえないものと考えられます。

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2017年4月17日 月曜日

相続税財産評価Q&A46 地上権他

相続税財産評価 地上権他
Q61
 借地借家法の適用がないいわゆる借地権以外の土地の上に存する権利にはどのようなものがありますか?また、それらの権利が設定された宅地の評価はどうなるのでしょうか?

A61
相続税の財産評価通達では、土地の上に存する権利として下記の10種類を規定しています。
(1)地上権(区分地上権、借地権及び定期借地権を除く。)
(2)区分地上権 
(3)永小作権(他人の土地を耕作又は牧畜する権利)
(4)区分地上権に準ずる地役権
(5)借地権
(6)定期借地権
(7)耕作権(農地または採草放牧地の上に存する賃借権)
(8)温泉権(温泉を排他的に利用できる権利)
(9)賃借権
(10)占有権(河川法または道路法の占有許可に基づく権利)

宅地とは、建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地をいいます。したがって、宅地の上に存する権利は、通常「借地権」「定期借地権」「区分地上権」「区分地上権に準ずる地役権」で、それ以外の「地上権」や「賃借権」は雑種地に付着する権利に該当する場合が多く、「永小作権」や「耕作権」は農地、「占有権」は雑種地、「温泉権」は地目のいかんを問いません。

地上権とは、他人の土地において工作物または竹林を所有するために、その土地を使用する権利をいい、ここでは、区分地上権、借地権及び定期借地権を除いています。また、区分地上権は、地下又は空中の範囲を定めた地上権をいいます。
借地権は、建物の所有を目的とする地上権または賃借権をいい、定期借地権は契約期間を確定させた借地権です。

地上権の目的となっている宅地の価額は、その宅地の自用地としての価額から「地上権及び永小作権の評価」により評価したその地上権の価額を控除した金額によって評価します。
また、区分地上権の目的となっている宅地の価額は区分地上権の価額を、区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地である宅地の価額は区分地上権に準ずる地役権の価額を、それぞれ自用地としての価額から控除した金額によって評価します。

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2017年4月10日 月曜日

相続税財産評価Q&A45 貸宅地④

相続税財産評価 貸宅地④

Q58
 私が相続した貸宅地は正面路線価50万円の一方道路に面しており、借地権割合は60%とされています。ところが、同じ路線の近隣では路線価が60万円で借地権割合が70%となっています。比較しますと、相続した土地は50万円×(1-60%)=20万円に対し、近隣では60万円×(1-70%)=18万円となり路線価は低いにもかかわらず貸宅地としては高い評価額になってしまいます。このような場合でも20万円として評価しなければなりませんか?
A58
 路線価方式による土地の評価は、路線価がベースとなり個々の土地の道路付けや形状等により価値が評価に織り込まれます。しかし、路線価が低いにもかかわらず、借地権割合が異なり貸宅地としての評価額は逆転する現象が生じることがあります。更地としての評価が低いにもかかわらず貸宅地としては評価が高くなるのは不合理であると考えられます。
 このような場合には、近隣の路線価60万円及び借地権割合70%を採用し貸宅地としての評価額は18万円として計算することが認められています。

Q59
 借地権の設定に際し権利金等を収受する慣行のない地域においては、借地権は相続財産として評価しないこととされています。では、このような地域において貸宅地を評価する場合、借地権を控除することはできないのでしょうか?
A59
 借地権の取引慣行がない地域においては借地権の価額は評価しませんが、貸宅地を評価する場合においては、借地権割合を20%として計算した借地権の価額を控除して評価することとされています。借地権の取引慣行がないばあいでも、土地所有者にとっては自己が所有する土地を自由に使用収益できないことを考慮してこのように取り扱われています。

Q60
 二方の路線に面した貸宅地で、それぞれの路線に付された借地権割合が異なります。この場合には、どの様にして評価するのでしょうか?
Q60
 貸宅地の評価に用いられる借地権割合は、正面路線に付された借地権割合によって評価します。

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2017年4月3日 月曜日

相続税財産評価Q&A44 貸宅地③

相続税財産評価 貸宅地③

Q57  
 建物、庭及び駐車場を一括して利用することを目的として土地を賃貸した場合において、借地権の及ぶ範囲とはどこまででしょうか?庭や駐車場も貸宅地として借地権を控除して問題ありませんか?
 また、1筆の宅地の上に複数の借地人が存する場合にはどのような単位で評価すればいいのでしょうか?

A57
相続税法上の借地権とは、建物の所有を目的とする地上権または賃借権をいい、借地権の及ぶ建物とは、土地に定着して建設された永続性を有する建物で、社会通念上主たる賃貸目的とされるものをいいます。「建物の所有を目的とする」とは、土地を使用する主な目的が建物を所有するということを意味します。
借地の一部を建物に使用し、その他を駐車場等別の用途に使用している場合においても、建物所有が主であり、それ以外の用途が付属的であると判断される場合には、借地借家法の適用があります。逆に、建物所有が付属的であれば、借地借家法は適用されません。相続税法では、構築物の所有を目的とする土地の賃貸借は、賃借権として評価されます。

借地権の及ぶ範囲については必ずしも建物の直接的な敷地に限られるものではなく、民法、借地借家法、都市計画法あるいは建築基準法等土地を使用する場合に影響を及ぼすこととなる制限等の解釈基準やその契約内容によって判断することとなります。建物と駐車場設備とが、建物そのもの所有の目的を達成、維持するために一体となって機能していると客観的に認められる場合には、敷地全体に借地権が及ぶものと考えられます。

宅地の評価は一筆ごとではなく、利用単位となっている1区画の宅地ごとに評価することになっており、借地権のように宅地の上に存する権利についても同じとされています。相続税法上、借地権の目的となっている宅地を評価する場合において、貸付先が複数あるときには、同一人に貸し付けられている部分ごとに1画地の宅地として評価するよう定められています。

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