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財産評価

2017年10月31日 火曜日

相続税財産評価Q&A67 山林④

相続税財産評価 山林④
Q83
私が所有する山林については、その周囲は宅地化が進んでいますが、急傾斜であるため宅地転用が進まず、現況山林として残存しています。このような土地でも宅地比準方式で評価しなければならないのでしょうか?

A83
市街地山林について宅地への転用が見込めないと認められる場合には、その山林の価額は、近隣の純山林の価額に比準して評価します。

 この場合純山林の価額は、評価対象山林から距離的に最も近い純山林の価額を基礎に計算します。通常の純山林の評価は、「固定資産税評価額×倍率」で評価額を算出しますが、市街地山林を純山林評価する場合は、税務署から倍率を考慮した1㎡あたりの単価が提示されるので、「近傍純山林の㎡あたりの単価×地積」で算出することになります。

 宅地への転用が見込めない場合とは、次の二つのケースが考えられます。
(1) 経済的合理性がない場合
  市街地山林について宅地転用した場合に、周辺の宅地の価格に比して造成費が多額になる場合には経済的に宅地転用は行われず、現況の山林として維持していくことが合理的となります。
(2) 物理的に宅地造成が不可能な場合
  急傾斜地の目安とされる傾斜度30度以上の急傾斜地の場合、周辺の市街地形態の状況にかかわらずその土地の個別的要因により、宅地転用が困難と判断される場合があります。このような傾斜の程度や形状等の物理的な状態から宅地への転用が見込めない場合には、宅地比準方式により評価する前提を欠き純山林に比して評価します。

しかし、上記のいずれにも該当しない市街地山林について、宅地比準方式で評価すると実際の時価より高く評価されるケースも多くあります。たとえば傾斜度が30度に満たなかったり、面積が広大な場合や、けものみちのような建築基準法上の道路に接していない山林などが考えられます。このような場合には、通常の宅地比準方式による評価広大地による評価、さらには鑑定評価による時価と比較しいずれか低い金額を評価額とすることが考えられます。

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2017年10月24日 火曜日

相続税財産評価Q&A66 山林③

相続税財産評価 山林③

Q82
市街地農地や市街地山林を宅地比準方式で評価する場合に、宅地に転用する場合にかかる造成費を控除しますが、その宅地造成費はどのように計算するのでしょうか?

A82
 宅地比準方式とは、その農地または山林が宅地であるものとした場合の価額からその山林を宅地に転用する場合に係る造成費に相当する金額を控除した金額により評価します。これは、現に建物敷地等として利用されている「宅地」と農地または山林を宅地化するための経済的負担との差を考慮したものです。
この宅地造成費の金額は、整地、土盛りまたは土止めに要する費用の額が、概ね同一と認められる地域ごとにまた年分ごとに各国税局長が定めることになっており、国税局のホームページで公開されています。具体的には下記の費用が該当します。
(1) 整地費
凹凸がある土地の地面を地ならしするための工事費または土地盛工事を要する土地について、土盛工事をした後の地面を地ならしするための工事費を言います。
(2) 伐採・抜根費
   樹木が生育している土地に浮いて、樹木を伐採し、根等を除去するための工事費をいいます。したがって、整地工事によって樹木を除去できる場合には、造成費に本工事費を含めないことになります。
(3) 地盤改良費
   湿田等軟弱な表土で覆われた土地の造成に当たり、地盤を安定させるための工事費をいいます。
(4) 土盛費
   道路よりも低い位置にある土地について、宅地として利用できる高さ(原則として道路面)まで搬入した土砂の埋め立て、地上げする場合の工事費をいいます。
(5) 土留費
   道路よりも低い位置にある土地について、宅地として利用できる高さ原則として道路面)まで地上げする場合に、土盛りした土砂の流出や崩壊を防止するために構築するよう壁工事費を言います。
 
 また、傾斜地の宅地造成費については傾斜度よって別に定められています。この「傾斜地の宅地造成費」の金額は、整地費、土盛費、土留費のすべての費用を含めて算定されていますが、伐採・抜根費は含まれていないことに留意が必要です。

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2017年10月16日 月曜日

相続税財産評価Q&A65 山林②

相続税財産評価 山林②
Q81
山林の相続税の評価方法はどのようになっていますか?

A81
1、 評価地積
 山林の評価地積は、実際の地積によります。
実際の地積とは、すべての土地について実測を要求しているものではなく、特に縄伸びの多い農地や山林等について、実地調査の実施、航空写真による地積の測定、その地域における平均的な縄伸び割合の適用等の方法によって、実際地積を把握することも差し支えないものとされています。

2、 評価方法
 
山林は、財産評価上宅地化への難易度を考慮して次の三つに分類され評価方法が定められています。
(1) 純山林
 純山林の評価は、固定資産税評価額に純山林の倍率を乗じて評価します。
(2) 中間山林
 中間山林の評価は、固定資産税評価額に中間山林の倍率を乗じて評価します。
(3) 市街地山林
 市街地山林の評価は、宅地比準方式で評価します。
 宅地比準方式とは、その山林が宅地であるものとした場合の価額からその山林を宅地に転用する場合に係る造成費に相当する金額を控除した金額により評価する方法をいいます。

その山林が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価格1㎡当たりの宅地造成費)×地積=市街地山林の相続税評価額

*その山林が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価格は次によります。
① 路線価が定められている地域
路線価を基に画地調整を行った金額
② 国税局長により倍率が定められている地域
近傍宅地*の1㎡当たりの固定資産税評価額×倍率
 *評価しようとする山林に最も近接し、かつ、用途、道路からの位置や形状等が最も類似する宅地をいいます。市街地山林の場合、路線価が付されていないいわゆる倍率地域に該当するケースは極めて少ないと思われます。
(2) 宅地造成費
 宅地造成費の金額は、整地、土盛りまたは土止めに要する費用の額が、概ね同一と認められる地域ごとにまた年分ごとに各国税局長が定めることになっており、国税局のホームページで公開されています。

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2017年10月2日 月曜日

相続税財産評価Q&A64 山林①

相続税財産評価 山林①
Q80
 相続税の財産評価上、山林はどのように取り扱われるのでしょうか?

A80
  相続税の財産評価通達では、樹木の生えている土地を「山林」といい、その上に生育する樹木については「立木」として別個に評価することとされています。地目の判定基準となる不動産登記事務取扱手続準則では、「山林」は次のように定義されています。
 山林・・・耕作 の方法によらないで竹木の生育する土地
 なお、不動産登記上別の地目とされる「保安林」は、相続税評価においては「山林」に含まれるものとされています。
 地目の判定は、登記上の地目ではなく現況の地目によって判断します。登記上の地目が畑であっても、長い間耕作放棄して雑木が生い茂り現況は山林として評価される場合もあります。

1、山林の財産評価上の区分 
山林は、財産評価上宅地化への難易度を考慮して次の三つに分類され評価方法が定められています。
(1) 純山林
 純山林とは、林業の中心地にある山林、交通機関等から離れた不便な山奥に存する山林等で、宅地への転用可能性がない山林をいいます。
(2) 中間山林
 中間山林とは、市街化された地域の周辺又は別荘地等に存する山林で、宅地転用への可能性や期待が含まれるため、純山林として評価することが不適当と認められるものをいいます。
(3) 市街地山林
 市街地山林とは、市街地形態を有する地域の近郊に存する山林で、宅地化への影響を多分に受けて宅地化への期待を含むことから、山林としてではなく宅地並みの水準で取引される地域に存する山林をいいます。

 実務的には、国税庁が定める評価倍率表によって山林の評価区分を確認することができます。倍率表では適用地域ごとに純山林・中間山林・宅地比準(市街地山林)かが記載されています。

2、山林の評価単位
(1)純山林及び中間山林
 純山林及び中間山林の評価単位は、1筆の山林ごとに評価します。
(2)市街地山林
 市街地山林の評価単位は、宅地の評価単位と同様に「利用の単位」となっている一団の山林ごとに評価します。

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