財産評価
2017年10月2日 月曜日
相続税財産評価Q&A64 山林①
相続税財産評価 山林①
Q80
相続税の財産評価上、山林はどのように取り扱われるのでしょうか?
A80
相続税の財産評価通達では、樹木の生えている土地を「山林」といい、その上に生育する樹木については「立木」として別個に評価することとされています。地目の判定基準となる不動産登記事務取扱手続準則では、「山林」は次のように定義されています。
山林・・・耕作 の方法によらないで竹木の生育する土地
なお、不動産登記上別の地目とされる「保安林」は、相続税評価においては「山林」に含まれるものとされています。
地目の判定は、登記上の地目ではなく現況の地目によって判断します。登記上の地目が畑であっても、長い間耕作放棄して雑木が生い茂り現況は山林として評価される場合もあります。
1、山林の財産評価上の区分
山林は、財産評価上宅地化への難易度を考慮して次の三つに分類され評価方法が定められています。
(1) 純山林
純山林とは、林業の中心地にある山林、交通機関等から離れた不便な山奥に存する山林等で、宅地への転用可能性がない山林をいいます。
(2) 中間山林
中間山林とは、市街化された地域の周辺又は別荘地等に存する山林で、宅地転用への可能性や期待が含まれるため、純山林として評価することが不適当と認められるものをいいます。
(3) 市街地山林
市街地山林とは、市街地形態を有する地域の近郊に存する山林で、宅地化への影響を多分に受けて宅地化への期待を含むことから、山林としてではなく宅地並みの水準で取引される地域に存する山林をいいます。
実務的には、国税庁が定める評価倍率表によって山林の評価区分を確認することができます。倍率表では適用地域ごとに純山林・中間山林・宅地比準(市街地山林)かが記載されています。
2、山林の評価単位
(1)純山林及び中間山林
純山林及び中間山林の評価単位は、1筆の山林ごとに評価します。
(2)市街地山林
市街地山林の評価単位は、宅地の評価単位と同様に「利用の単位」となっている一団の山林ごとに評価します。
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