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財産評価

2016年12月12日 月曜日

相続税財産評価Q&A30

相続税財産評価Q&A30
Q41
 大工場地区で購入した土地に工場を建設する予定ですが、①土地を購入した段階、②工場の設計図ができた段階、③建設業者と請負契約を締結した段階、④基礎工事が終わった段階、⑤引渡しを受けた段階、⑥試運転が開始された段階等、工場が実際に移動するまで様々な段階がありますが、どの段階で「大規模工場用地」と認定されるのでしょうか?

A41
 「大規模工場用地」とは、一団の工場用地の地積が5万㎡以上のものをいい、もともと「大工場地区」に限定されています。このような地域にある規模の大きな工場用地の価額は、その地積が極めて大きいことや都市計画法上の利用規制があることから、近接する地域の商業地または住宅地の宅地に比べて個別性の強いものであり、形状は千差万別であることから、通常の宅地の評価方法と異なり、正面路線価に地積を乗ずるだけで、他の画地調整を行わないものとされています。
また、都市計画法により建築可能な建物の用途に制限が加えられていること及び大規模な工場用地を標準として価値形成されていること等を特徴としています。
 
 したがって、土地購入の段階で大規模工場用地として利用されることが相当程度予測されます。また、「大工場地区」に所在する工場用地以外の宅地や雑種地についても、5万㎡以上の大規模なものは、大規模工場用地と代替関係にあることから、大規模工場用地と同様に評価することとされています。

 以上のことから、土地を購入した段階で大規模工場用地として評価して差し支えありません。
 
 なお、一団の工場用地とは、工場、研究開発用施設等の敷地の用に供されている宅地及びこれらの宅地に隣接する駐車場、福利厚生施設等の用に供されている一団の土地をいうものとされ、一団の土地の判定は物理的一体性を有するか否かにより行われます。

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2016年12月5日 月曜日

相続税財産評価Q&A29

相続税財産評価Q&A29
Q39
 倍率方式による評価の場合に、登記上の地積で固定資産税課税台帳に登録されていますが、実際のその土地の地積と異なるときは、どのように評価すればいいのでしょうか。

A39
 相続税財産評価通達の8で、土地の評価を行う場合の土地の地積は、課税時期における実際の面積によるものとされています。ところが、固定資産税の評価は、縄伸びや縄縮み等のために実際の地積が土地登記簿上の地積と異なっても、すべて土地登記簿上の地積を基として算出することとされています。このような場合に単純にその宅地の固定資産税評価額に倍率を乗ずる方法で計算したのでは正しい評価額は得られません。
 そこで、このように実際の地積と土地登記簿上の地積が異なる宅地を倍率方式で評価する場合には、次の算式によって実際の地積に対応する固定資産税評価額を求め、これに倍率を乗じて相続税評価額を計算することになります。
 その宅地の固定資産税評価額 × (実際の地積/土地課税台帳の地籍)

Q40
倍率方式による評価の場合に、奥行逓減や角地などの画地調整のように固有の事情を考慮して、路線価方式と同様に斟酌される余地はないのでしょうか?

A40
 倍率方式は、固定資産税評価額に倍率を乗じて計算する評価方法です。固定資産税評価額は、固定資産税評価基準により不整形地などの事情を斟酌して定められています。したがって、原則として倍率については重ねて斟酌することは認められません。

ただし、評価基準に定められた事由以外の理由により利用価値が著しく低下している宅地については評価減が認められています。
 また、固定資産税評価額そのものが適正に評価されていない場合もありえます。地目の認定が現況と異なったり、奥行きや不整形地等の減額が適正になされていなかったりすることもあります。このような場合には、市町村に固定資産税の評価の適正化を求めることになります。

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2016年11月15日 火曜日

相続税財産評価Q&A28 倍率方式

相続税財産評価Q&A28 倍率方式による評価
Q38
 路線価方式ではなく倍率方式による評価はどのような宅地に行われるのでしょうか?また具体的な評価方法についても教えてください。

A38
 倍率方式による評価は、固定資産税評価額に国税局長が定める倍率を乗じて評価額を算出する方法で、比較的地価の開差の少ない郊外住宅地、農村地域に適しています。
 したがって、原則として、路線価方式は市街地的形態を形成する地域の宅地の評価に適用され、倍率方式はその他の地域の宅地の評価に適用されることとされています。

 実際に評価しようとする宅地の倍率等については、毎年その地域を管轄する国税局長が財産評価基準として定めて公表しているものを調べればわかります。現在は国税局のホームページで閲覧することができます。
 倍率方式には、各市町村の特定地域ごとに①路線価方式によるのか倍率方式によるのかの別、②倍率地域の借地権割合、③農地、山林、大規模工場用地、ゴルフ場用地等の分類、④倍率などが表示されています。
 
 固定資産税評価額は、地方税法上の各種の特例によって減額された固定資産税の課税標準ではなく、地方税法第381条の規定により土地課税台帳に登録された価格をいいます。具体的には、次のとおりです。
① 土地登記簿に登記されている土地については、土地課税台帳に登録されている基準年度の価格または比準価格
② 土地登記簿に登記されていない土地については、土地課税台帳に登録されている基準年度の価格または比準価格
③ 仮換地、仮使用地、保留地または換地等については、土地課税台帳とみなされたものに登録されている基準年度の価格または比準価格

 実際に固定資産税評価額を把握する方法としては、毎年固定資産税の納付書と一緒に郵送されてくる固定資産税通知書に記載されていますが、公衆用道路など記載されていないことがあるので、土地の所在する市町村の長の発行する「固定資産税評価証明書」の交付を受けるのが確実です。

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2016年11月8日 火曜日

相続税財産評価Q&A27

相続税財産評価Q&A27
Q37
 丘陵地帯を切り開いて造成した宅地等で、がけ地を有する場合には、がけ地補正率による減額がうけられると聞きました。この場合どの程度の傾斜からがけ地とみなして補正の対象とするのでしょうか?また、がけ地の傾斜度によって補正率がどのように異なってくるのでしょうか?

A37
 我が国は傾斜地が多く、山や丘陵を切り開いて造成した宅地も多くみうけられます。「宅地造成等規制法」は市街地等においてがけ崩れや土砂の流出を生ずるおそれの著しい区域を宅地造成工事規制区域と定め、この区域内での宅地造成工事を規制しています。
 
 傾斜地の場合、開発をして平坦な画地をつくりだしても、隣接の土地との境界部には高低が生じ、そこに傾斜部分がどうしても残ることになります。「宅地造成等規制法」ではこの傾斜部分のうち、「がけ」は地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす土地で硬岩盤(風化の著しいものを除く。)以外のものをいうと定義されています。
 また、「東京都建築安全条例」では「がけ」部分を有する土地の建築に際して、擁壁等の安全基準を規定していますが、ここでも斜面の勾配を30度によって擁壁等の設置について区分しています。
したがって、一般的には「がけ」は、地表面が水平面に対し30度を超える土地と考えられています。

 通常「がけ」上の画地が「がけ」を所有し、構造的に安全基準を満たす擁壁等を設置しますが、水平面に対し垂直に作れば「がけ」上の画地の有効利用部分は最大になります。そのように考えると、30度を超える「がけ地」に傾斜角度によって補正率を変える必要はなく、「がけ地補正率表」の適用通り総面積に対してがけ地部分の面積で補正するだけでいいものと考えられます。

実務上がけ地の評価では、がけ地部分の地積割合が30%未満なら、がけ地補正ではなく「利用価値の著しく低下している宅地」として評価するほうが有利な場合があるので必ず比較検討が必要です。

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2016年11月1日 火曜日

相続税財産評価Q&A26

相続税財産評価Q&A26 
Q36 
 現地では、建築基準法上の道路に接している見た目上一体利用の画地であっても、公図上いわゆる赤道によって分断された宅地があります。このような土地については、どのように評価すればいいのか教えてください。

A36
 赤道(里道)とは、以前道路として用いられた公図上無番地の国有地をいいます。以前は、赤い線で描かれていたため「赤道」と呼ばれます。道路法等の法令の適用のない公共物ということで「法定外公共物」とも呼ばれます。赤道の中には現況全くその実態がなく、機能をはたしていないものも多くみられますが、実態利用上一帯地のように見えても、公図上赤道によって土地が分断されていたり、道路と敷地との間に介在していたりして、接道義務に問題を生じさせることもあります。 

 赤道が介在する土地の評価について、評価通達等の規定はありませんが、次のような評価方法が考えられます。
(1) 赤道のみに接面する裏の土地と建築基準法上の道路に接面して接道義務を満たしている前の土地とに区分し、裏の土地を無道路地として別個の土地として評価する方法
(2) 赤道を含めた一体利用の宅地として評価した後、赤道の払い下げに要する費用相当額または権利価額を控除する方法

赤道については、歴史的な経緯から賃借権設定等の法的な手続きを経ずに、無断使用している場合が相当数あるものと思われます。このような場合、赤道のみに接面する接面する裏の土地は接道義務を充足しないことから、建物の建築はできません。この点を考慮すると(1)の評価方法が妥当と考えられます。

ただし、赤道を使用することについて自治体との間で「使用承諾」や「賃貸借」が行われていた場合には、(2)の評価方法が妥当と考えられます。

無道路地として評価する場合、接道義務を満たすための通路開設費用を控除しますが、この場合通路開設に必要なのは、赤道部分だけで自己所有権である前の土地については控除しません。

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