財産評価
2016年11月1日 火曜日
相続税財産評価Q&A26
相続税財産評価Q&A26
Q36
現地では、建築基準法上の道路に接している見た目上一体利用の画地であっても、公図上いわゆる赤道によって分断された宅地があります。このような土地については、どのように評価すればいいのか教えてください。
A36
赤道(里道)とは、以前道路として用いられた公図上無番地の国有地をいいます。以前は、赤い線で描かれていたため「赤道」と呼ばれます。道路法等の法令の適用のない公共物ということで「法定外公共物」とも呼ばれます。赤道の中には現況全くその実態がなく、機能をはたしていないものも多くみられますが、実態利用上一帯地のように見えても、公図上赤道によって土地が分断されていたり、道路と敷地との間に介在していたりして、接道義務に問題を生じさせることもあります。
赤道が介在する土地の評価について、評価通達等の規定はありませんが、次のような評価方法が考えられます。
(1) 赤道のみに接面する裏の土地と建築基準法上の道路に接面して接道義務を満たしている前の土地とに区分し、裏の土地を無道路地として別個の土地として評価する方法
(2) 赤道を含めた一体利用の宅地として評価した後、赤道の払い下げに要する費用相当額または権利価額を控除する方法
赤道については、歴史的な経緯から賃借権設定等の法的な手続きを経ずに、無断使用している場合が相当数あるものと思われます。このような場合、赤道のみに接面する接面する裏の土地は接道義務を充足しないことから、建物の建築はできません。この点を考慮すると(1)の評価方法が妥当と考えられます。
ただし、赤道を使用することについて自治体との間で「使用承諾」や「賃貸借」が行われていた場合には、(2)の評価方法が妥当と考えられます。
無道路地として評価する場合、接道義務を満たすための通路開設費用を控除しますが、この場合通路開設に必要なのは、赤道部分だけで自己所有権である前の土地については控除しません。
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