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2015年8月28日 金曜日

相続税の税務調査 傾向と対策その2

相続税の税務調査は、法人税や所得税と同様に調査するのは全体の一部ですが、調査率は、10%に満たない法人税や所得税と比較すると圧倒的に高いのです。所得税等と比べ課税価額が多額なので、修正申告額も多額となることが予想されるからです。

2 査察の対象はほとんどいない
 税務調査と言えば、「マルサの女」等映画やテレビの影響で査察と呼ばれる強制調査を思い浮かべる方が多いかもしれません。査察は国税犯則取締法に基づいて国税局の査察部により調査が実施されます。裁判所から「捜索令状が発行され、調査結果により検察へ告発されます。

しかし、査察の対象となる案件は非常に少ないのが現状です。平成26年度における相続税の査察による告発件数は2件しかありませんでした。それ以前でも年間数件で推移しています。
国税庁HP 「平成26年度 査察の概要」
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2014/sasatsu_h26/index.htm

 それ以外の1万2千件は、通常の任意調査ということになります。相続税の査察対象が少ないのは、推測になりますが告発の対象となる脱税の犯意が立証しにくいからではないかと思われます。

 査察ではありませんが、高額・悪質な申告漏れや不正計算が見込まれるものを調査対象とする国税局資料調査課(通称リョウチョウ)という部署があります。その名のとおり調査先の選定や調査の範囲等を決定するための資料を提供し、新たな資料源を開発する業務を担っています。そして、それらを最大限に活用して、実際に比較的高度な調査能力を要求される納税者の調査を担当します。
 組織的で厳しい調査を行うため、査察が入ったと勘違いする納税者もいるそうですが、資料調査課による調査はあくまで任意調査です。ただ、検察官による「公判維持」という
目的がないので任意調査の限界が問題となる場面があるかもしれません。

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2015年8月25日 火曜日

(後編)相続税の申告期限までに遺産が未分割の場合には

相続税の申告期限の翌日から3年を経過しても分割が決まらなかった場合、所轄の税務署長の承認を受けなければなりません。以下の記事をご覧ください。

/blog/images_mt/%E6%9C%AA%E5%88%86%E5%89%B22.pdf

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2015年8月21日 金曜日

相続税の税務調査 傾向と対策その1

秋は税務調査の季節です(笑)と以前からお伝えしていましたが、どうやら税務調査の開始時期が早まったようです。

毎年7月10日が税務職員の異動時期に当たります。異動後に引継等があり、例年ですと7月終わりくらいから調査先の選定をし、8月のお盆明けころから実地調査が始まりました。ところが、今年は相続税に限りませんが7月に事前通知があり8月初めから実地調査が行われています。どうも国税全体で実地調査への早期着手が実施されているようで、今後は夏から秋が税務調査の最盛期となりそうです。台風の時期と重なりますね(笑)。

そこで、今回から相続税の税務調査について取り上げていきたいと思います。

1、相続税の税務調査の特徴
(1)実地調査の確率が圧倒的に高い。
(2)査察の対象はほとんどない。
(3)事前通知の割合が高い。
(4)プライバシーに踏み込むことがある。
(5)非違割合が高い。
(6)相続税の税務調査に慣れていない税理士が多い。
(7)相続人はほとんどの場合税務調査は初めてである。
(8)推計課税がない。

(1)実地調査の確率が圧倒的に高い
 国税庁の発表によれば、平成25事務年度の実地調査件数は11,909件で、24年度の12,210件に対し97.5%となっています。国税通則法改正以来減少傾向にあるものの約12,000件を対象としています。一方で、平成25年中に亡くなって相続税の課税対象となった被相続人が約5万4千人となっています。時期がずれますが(25年度の調査対象は平成24年中に亡くなった被相続人)5万4千人のうち12,000件に実地調査があったことになり、その確率は22.2%です。大体被相続人4人に一人は税務調査があるという結果になっています。

国税庁の HP参照
「平成25年分の相続税の申告の状況について」
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2014/sozoku_shinkoku/sozoku_shinkoku.pdf

「平成25事務年度における相続税の調査の状況について」
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2014/sozoku_chosa/index.htm

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2015年8月18日 火曜日

(前編)相続税の申告期限までに遺産が未分割の場合には

相続税の申告期限は相続の開始を知った日の翌日から10ヵ月以内です。しかし、相続税の申告期限までに遺産の全部または一部が共同相続人等によって分割されていない場合には、相続税の特例が受けられません。以下の記事をご覧ください。

/blog/images_mt/%E6%9C%AA%E5%88%86%E5%89%B21.pdf

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2015年8月7日 金曜日

民法相続編その25・・・遺言⑧

民法相続編はいよいよ最終回、遺言の⑧で引き続き遺留分を取り上げます。

5、 遺留分減殺の方法
 遺留分権者の遺留分を確保する範囲内で、減殺請求ができます。
 減殺の対象となる遺贈や贈与が多く存する場合は、まず、遺贈から減殺されます。遺贈が複数ある時は遺贈の額に応じて比例配分します。そして減殺される贈与が複数ある時は、時間的に後の贈与から減殺され、順次前の贈与に及びます。
6、 遺留分減殺請求権の時効
 遺留分の減殺請求権は、遺留分権者が相続の開始および贈与や遺贈を知った時から1年、相続開始の時から10年で時効によって消滅します。なお、相続の開始後は自由に遺留分を放棄することができますが、相続開始前に遺留分を放棄する場合は、家庭裁判所の許可が必要です。

7、遺留分でもめないために
 遺留分に抵触しない内容の遺言を作成するのが望ましいのですが、自宅しか財産がない、会社の株は後継者に渡したい、事業用の土地を後継者に渡したい等やむにやまれぬ状況も考えられます。
あらかじめ財産を相続税財産評価通達により評価して、遺留分相当の代償金を支払わせるよう遺言するのは効果のある方法です。
 遺留分の減殺方法を指定することも考慮に値します。遺留分の減殺請求があった場合「特定の財産についてだけ減殺するものとする」旨の遺言は有効です。

 また、法的に効力はなくとも、自身の意図を組んで遺言に従ってほしい旨の付言はつけるのが望ましいと思います

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