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2017年8月28日 月曜日

相続税財産評価Q&A60 農地④

相続税財産評価Q&A60 農地④
Q76
 市街地農地及び市街地周辺農地の評価方法について教えてください。
A76
1、市街地農地
市街地農地の価額は、原則として次の宅地比準方式によって評価します。
(その農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価格-1㎡当たりの宅地造成費)×地積=市街地農地の相続税評価額

(1) その農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価格は次によります。
①  路線価が定められている地域
路線価を基に画地調整を行った金額
②  国税局長により倍率が定められている地域
近傍宅地*の1㎡当たりの固定資産税評価額×倍率
  *評価しようとする農地に最も近接し、かつ、用途、道路からの位置や形状等が最も類似する宅地をいいます。市街地農地の場合、路線価が付されていないいわゆる倍率地域に該当するケースは極めて少ないと思われます。

(2) 宅地造成費
  宅地造成費の金額は、整地、土盛りまたは土止めに要する費用の額が、概ね同一と認められる地域ごとにまた年分ごとに各国税局長が定めることになっており、国税局のホームページで公開されています。

 ただし、急傾斜地や蓮田の様に宅地造成費が大きく、宅地であるとした場合の1㎡当たりの価格を超えるときは、宅地比準で計算することは合理性に欠けるため、純農地の価格に比準して評価することができます。

2、市街地周辺農地
市街地周辺農地の価額は、市街地農地同様原則として宅地比準方式により評価します。
その農地が市街地農地であるものとした場合の評価額×80%=市街地周辺農地の相続税評価額

3、評価単位
(1)宅地比準方式により評価する農地の評価単位
市街地農地及び市街地周辺農地の評価単位は、宅地と同様に利用の単位となっている一団の農地ごとに評価します。
ただし、一団の農地のうちに市街地農地と生産緑地が存する場合には、それぞれを区分して評価単位とします。
(2) 耕作権等他人の権利が設定されている農地
 同一人に貸し付けられている部分ごとに、1利用単位として評価します。

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2017年8月25日 金曜日

民法改正:遺産分割、配偶者優遇へ

民法改正:遺産分割、配偶者優遇へ

記事提供:エヌピー通信社

 相続法制の見直しを検討している法制審議会(法相の諮問機関)の相続部会は、婚姻期間が20年以上の夫婦のどちらかが死亡した場合、生前に故人より贈与を受けた住居は遺産分割の対象にしないとする案をとりまとめました。また故人の預貯金についての遺産分割前の仮払い制度の創設も盛り込んでいます。法務省は8月上旬から約1カ月半の間、意見公募(パブリックコメント)を実施。その結果を踏まえ、年内に要綱案をとりまとめ、来年の通常国会で民法改正案を提出するそうです。

 遺産分割は、亡くなった被相続人が保有していた不動産や預貯金、有価証券などの遺産を相続人で分け合う制度。現行制度では、居住用の土地や建物は遺産分割の対象であり、生前贈与をしていても住居を含めて分け合うことになります。そのため、残された配偶者が遺産分割によって住居の売却を迫られ、住み慣れた家から追い出される可能性があります。

 試案では、結婚から20年以上の夫婦間で、生前贈与するか遺言で贈与の意思を示した居住用の建物や土地は、遺産分割の対象から除外するとしました。配偶者は住居を離れる必要がないだけでなく、他の財産の取り分が増えることになります。 

 また試案では、故人の預貯金について、遺産分割が終わる前でも生活費や葬儀費用の支払いのために引き出しやすくする「仮払い制度」の創設を盛り込みました。昨年に最高裁が「被相続人の預貯金は遺産分割の対象」とする判断を示したことを受け、遺産分割の協議中でも預金を引き出しやすくするために創設されることとなりました。

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2017年8月21日 月曜日

相続税財産評価Q&A59 農地③

相続税財産評価 農地③
Q75
 純農地及び中間農地の相続税評価の仕方について教えてください。また、地目が山林で、現況が畑だった場合どのように評価すればいいのか具体的に説明してください。
A75
 純農地及び中間農地の相続税評価方法は、倍率方式によって評価します。具体的には下記のとおりです。
「その純農地又は中間農地の固定資産税評価額×倍率=相続税評価額」

純農地及び中間農地の評価単位は耕作の単位となっている1枚の農地ごとに評価します。耕作の単位とは、課税時期の現況により、田又は畑の別に、かつ、畔や畝等により区分された農作物の栽培単位をいいます。
したがって、1枚の農地は、必ずしも1筆の農地からなるとは限らず、2筆以上の農地からなる場合や逆に1筆の農地が2枚以上の農地として利用されている場合もあります。

評価面積は実際の面積によります。農地や山林は縄伸びが多いので注意が必要です。実際の地積と土地登記簿上の地積が異なる宅地を倍率方式で評価する場合には、次の算式によって実際の地積に対応する固定資産税評価額を求め、これに倍率を乗じて相続税評価額を計算することになります。
 その宅地の固定資産税評価額 × (実際の地積/土地課税台帳の地籍)
ただし、すべての土地について実測を要求しているのではなく、縄伸びの多い農地や山林について、航空写真による地積の測定、その地域における平均的な縄伸び割合の適用等の方法によって、実際地積を把握することも差し支えないものとされています。

質問の場合のように登記上の地目と現況が異なった場合には、課税時期の現況の地目により評価します。
倍率方式による評価の場合には、現況地目である畑の近傍地の固定資産税評価額を把握する必要があります。被相続人が、付近に畑を所有していればその価格を、なければ管轄市区町村の固定資産税課で確認することになります。
近傍畑の固定資産税評価額の単価に地積を乗じ、該当する地域の畑の倍率をかけて評価します。

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2017年8月18日 金曜日

相続は財産だけではありません

相続は財産だけではありません

◆相続債務にはご注意ください
 被相続人が亡くなって相続が開始されると、相続人が集まって遺産分割協議を行います。遺産分割協議で相続財産の分割を受けなくとも、相続債務は引き受けなければなりません。
 どういうことかと言うと、両親と子供一人の家族で、アパートを所有していた父が亡くなり、母がその後の生活のためにアパートを相続したようなケースで、アパート建設のための借金が残っていた場合、銀行はその借金の返済をアパートを相続しなかった子供にも請求できます。
 債権者にとって、相続人が勝手に決めた遺産分割協議に拘束されることはなく、相続人全員に法定相続分に応じた分割債務を請求できるのです。
 そうならない為には債権者である銀行等に承認を得ておく必要があります。
 遺産分割協議書は、相続人の間では有効ですが、債権者には意味がありません。

◆心配な場合は相続放棄を
 相続財産を受け取らず、相続債務に不安があるときは家庭裁判所に申立てをして相続放棄を受けることができます。
 相続放棄を受ければ被相続人の債務に関する追及はありません。
 相続放棄は自己のために相続があったことを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申立てしなければなりません。
 「知ってから」というのは、相続人と言えども疎遠な場合もあり、知らないうちに相続債務の請求を受けない為の措置です。

◆相続とは権利と義務を引き受けます
 相続では財産等権利だけでなく、債務等の義務も相続するのです。
 遺産分割協議をおこなう時は財産の分け方ばかりに目が行きがちですが、相続放棄をしないのであれば、債務の引き受け方もきちんと取り決め、債権者の承認を得ておく必要があります。

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2017年8月7日 月曜日

相続税財産評価Q&A58 農地②

相続税財産評価 農地②
Q73
 登記上の地目が畑となっている土地を、現況は資材置き場として利用しています。農地法の転用届は出していません。将来農業委員会から農地に戻すよう命令が来れば戻さなければなりませんが、農業委員会は命令するのかしないのかよくわからない状態です。このような場合、農地として評価されるのでしょうか?
A73
 土地の地目は、必ずしも登記簿上の表示と実際の利用状況が一致しているとは限らないため、登記簿上の地目にかかわらず課税時期の現況により判定することになります。また、土地の地目の判定は、不動産登記事務取扱手続準則に準じて行うことになります。
準則では、畑とは、農耕地で用水を利用しないで耕作する土地をいいます。また、農地法によれば、農地とは耕作の目的に供される土地をいい、耕作とは土地に労資を加え肥培管理を行い作物を栽培することをいいます。

質問の場合、登記簿上の地目は農地ですが、現況は資材置き場として利用しており、現に耕作されている土地ではなく、農地として簡単に復旧できる休耕地のような状態にありません。農地法上の手続きの瑕疵は、現況の判定に特に影響を及ぼすものではなく、土地の実際の利用状況に応じて雑種地として評価されます。

Q74
 団地の住民に宅地の一部を無償で数坪の家庭菜園用地として提供しています。これは農地に該当するでしょうか?
A74
 客観的に見て正常な状態なら耕作されているはずであり、耕作しようとすればいつでも耕作できるような土地は、全体として農地と判定されます。しかし、仮に現在耕作をしている土地であっても、その土地が客観的に見て正常な状態ならば耕作されえないような土地(運動場、工場敷地、宅地の一部)を一時的に耕作していると認められる場合は、農地には該当しません。
 質問の場合、本来農地として耕作されえない宅地の一部を家庭菜園用地として利用している状況であり、提供した土地は前述の農地の判定によれば農地とはいえるものではなく、宅地と判定されます。

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