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2017年1月30日 月曜日
相続税財産評価Q&A37
相続税財産評価Q&A37 都市計画道路予定地
Q49
私が所有する土地には、将来都市計画道路の開通が予定されています。しかし、計画が決まっているだけで一向に事業が始まる様子はありません。このように計画だけの道路予定地でも評価額は減額されるのでしょうか?
A49
相続税財産評価通達において減額の対象となる「都市計画道路予定地」とは、将来道路用地として買収されることが都市計画法で決定された土地のことです。都市計画道路予定地では道路開通の際に障害となるような中高層の建物等の建築は制限されています。
建築規制は都市計画法に定められており、原則として下記に掲げる容易に移転、除去できるものに制限されています。
(許可基準)
・階数2以下で、かつ、地階を有しないこと
・主要構造物が木造、鉄骨造り、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であること
*東京23区内では「階数が3以下で10m以下、かつ地階を有しない」横浜市では「階数が3以下で12m以下、かつ地階を有しない」こととされています。
計画決定の段階では、計画線が決まっているだけで簡易な建物の建築は許可されます。しかし、事業認可の段階では用地買収などが始まり建築の許可が下りないケースが多くなります。
以上のように都市計画道路予定地は計画決定の段階で建築制限を受けるため、相続税の土地の評価では減額されることになります。
都市計画道路予定地かどうかは、現地調査ではわからないことが多く、役所で調査して初めて判明します。相続税評価を行う際には必ず役所で都市計画道路にかかっているかどうか確認すべきです。そして予定地であれば「計画」の段階か「事業認可」の段階かを確認します。
広大地に該当するかどうか判定する場合、容積率が300%以上だとマンション適地として適用できないと判断してしまいますが、都市計画道路予定地であれば2階建(3階建)までしか建てられずマンション適地ではないと判断されることになります。広大地の規定は、減額幅が大きいので注意したいところです。
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|2017年1月23日 月曜日
相続税財産評価Q&A36
相続税財産評価Q&A36 セットバック
Q48
セットバックが必要な宅地については減額が受けられるそうですが、そもそもセットバックとはどのようなものでしょうか?また、減額をうける場合の注意点について説明してください。
A48
接道義務を満たすための建築基準法上の道路は、交通、防災、日照等の役割を満たすため原則として幅員4m以上でなければなりません。セットバックとは、建築基準法第42条第2項に規定されている幅員4m未満の道路(通称2項道路といいます。)に接している土地で、将来建物の建て替えの際に道路中心線から2mの位置まで後退し道路の一部として提供することを「セットバック」といいます。相続税財産評価通達では、このセットバック部分について通常の評価額の70%相当を控除します。将来建て替えの際に道路として提供しなければなりませんが、それまでは自分の土地として使用できるため30%相当の評価額となります。
建築基準法上の2項道路に該当するかどうかは区(市)役所で調査しないとわかりません。役所の建築課等で建築基準法上のどの道路の扱いになっているか確認する必要があります。ちなみに中野区には道路台帳がありません。区役所では、2項道路かどうかの確認はできますが、セットバック部分の面積は現地で実測しなければなりません。
セットバック部分の面積は、通常は道路の中心線から2mまで後退する部分が該当します。ところが、道路の反対側が河川や水路、学校などの公共機関である場合は、こちらが一方的に後退しなければならず「向かい側の道路境界線から4mの後退」となります。また、道路の反対側がセットバック済みの場合もありますので注意が必要です。この場合も向かい側の道路境界線から4mの後退となります。セットバック済みかどうかは、公図や現地でわかる場合もありますが、役所で確認すべきです。やはり道路台帳のない中野区では、向かい側の建築計画概要書等で確認しなければならず大変です。
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|2017年1月16日 月曜日
相続税財産評価Q&A35
相続税財産評価Q&A35 造成中の宅地
Q46
田を埋め立てて宅地を造成中に相続が発生しました。造成費の一部に未払いがありますがどうなりますか?また、造成費支払いのための借入金の利子も造成費に含めて構いませんか?
A46
造成中の宅地の価額は、その土地の造成工事着手前の地目により評価した価額に、造成にかかる費用現価の80%相当額を加算して評価することとされています。
費用原価とは、課税時期までに投下された費用を、課税時期の現在価値に引き直した金額とされており、投下されてしまえば未払いのものも含みます。同時に未払金は債務控除の対象となります。また逆に未投下部分に対して支払ったものは造成費から除きますが、前渡金として相続財産を構成します。
造成費とは例えば、埋め立て費、土盛り費、土止め費、地ならし費等をいい、課税時期まで引き直した金額によります。したがって、借入利息は含まれません。
また、実務上投下した造成費が不明等の場合には、毎年、各国税局で公表している財産評価基準書の「宅地造成費」に、投下割合等を乗じて算出するなどしても差し支えないものと考えます。
Q47
宅地造成事業の施行後、道路、公園、緑地等の公共施設用地が造成事業者名義で残っている場合がありますが、このような土地も評価しなければなりませんか?
A47
開発許可を受けた開発行為により設置された公共施設用に供する土地は、本来公共施設の管理者に帰属するものであることから、課税時期において造成事業者の名義になっている場合は、評価しないこととされています。開発許可を要しない一団の宅地造成事業が施行された場合についても、これに準じて取り扱うこととされています。
また、分譲を完了した後、ごみ置き場や急傾斜地などがそのまま造成事業社名義で残った場合もその部分だけでは独立して処分できる可能性のない土地については、評価しなくても差し支えないものとして取り扱われます。
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