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2019年9月27日 金曜日
平成から令和への元号変更に伴うシステム修正費用の取り扱い
2019年5月1日より、平成から令和への元号変更に伴うシステム修正費用の取り扱いについて、修繕費なのか資本的支出なのか疑問になります。
過去に似たような事例として、西暦2000年のコンピュータ問題がありました。
当時、年号を西暦の下二ケタで管理していた一部のコンピュータにおいて、2000年代を迎えた際に、「00」と入力すると1900年なのか2000年なのか区別できなくなり、コンピュータが誤作動して予想外の重要なトラブルが起きるのではと危惧されました。
国税庁は、年号管理を二ケタから四ケタへ修正するといった機能上の障害を除去するための費用の取扱いについて、
①修正の内容が、システムの効用を維持するために行うもの
②その修正の実態が、資産に対する修繕と認められるもの
③その修正内容について、それ以外の機能の付加を行うものでないことが明確との条件を全て満たすのであれば、そのシステム修正のための支出費用は修繕費とする取扱いを出したそうです。
この取扱いは、法人税基本通達7-8-6の2(ソフトウエアに係る資本的支出と修繕費)の考え方に沿ったものとなっており、「修正等が、プログラムの機能上の障害の除去、現状の効用の維持等に該当するときはその修正等に要した費用は修繕費に該当し、新たな機能の追加、機能の向上等に該当するときは資本的支出に該当する」としています。
これまでに国税当局から特別な見解は出されていませんので、これまでの取扱いから類推することになります。
したがいまして、修正への切替え準備期間があったことから大きなトラブルは起きなかったようですが、今回の元号変更に伴うシステム修正費用についても、2000年問題対応費用や過去の消費税率引上げの際に要した修正費用などの場合と同様に、現状の機能と価値の維持のための修正などであれば修繕費に該当します。
しかし、新たな機能の追加や修正により機能の向上等を行った場合は、その部分は資本的支出として処理しますので、該当されます方はご注意ください。
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|2019年9月20日 金曜日
国税庁:2018年分所得税等の確定申告提出状況を公表!
国税庁では、確定申告における基本方針として、「自書申告」を推進し、ICT(情報通信技術)を活用した施策に積極的に取り組んでおります。
2018年分所得税等の確定申告状況によりますと、所得税の申告書提出件数は2,221万8千件(前年分比1.1%増)となりました。
国税庁のホームページ上で申告書が作成できる「確定申告書等作成コーナー」やe-Tax(国税電子申告・納税システム)などのICTを利用した所得税の確定申告書の提出人員は全体で1,531万1千人にのぼり、前年分比6.8%増加しました。
所得税の確定申告書の提出人員に占める割合は、前年より3.6ポイント上昇の68.9%に達し、贈与税の申告においても、提出人員49万4千人のうち76.4%(37万7千人)がICTを利用し、その割合は前年分から2.0ポイント上昇しました。
また、「署で申告書を作成してe-Taxで提出」が391万9千人、「同書面での提出」が36万人の計427万9千人となり、前年分比6.9%減少しました。
一方で、自宅などでのICT利用は、「HP作成コーナーで申告書を作成、書面で提出」が474万1千人、「同e-Tax」が124万人、「各種会計ソフト等で作成・e-Taxで提出」が418万5千人の計1,016万6千人で同9.4%増と、自宅等でのICT利用が増加しました。
なお、全国拡大後15回目の確定申告となるe-Taxは、添付書類の提出省略できることや書面提出に比べて還付金を早期還付などのメリットを積極的に広報するなど普及拡大に努めた結果、e-Taxでの所得税の申告書提出件数が、前年の882万9千人から934万4千人へと5.8%増加しました。
このように、ICTを活用した施策を推進する一方で、こちらも15回目となる閉庁日における申告相談を2月24日と3月3日の日曜日に、228税務署を対象に税務署のほか合同会場・広域センターの会場において実施した結果、これらの会場における両日の相談件数は前年比1.3%減の18 万9千件、申告書収受件数は同0.8%減の29万1千件となりました。
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|2019年9月13日 金曜日
遺留分権行使への対応と課税
◆遺留分権の性格の原理的変更
従来、遺留分減殺請求された場合、相続財産を分けるよりも、金銭を支払って決着、ということが多かったと思われますが、平成30年7月13日公布、本年7月1日施行の改正民法で、遺留分に関する権利の内容に重要な変更がなされ、遺留分減殺請求は、遺留分侵害額請求と改正され、その請求権の行使により生じる権利は金銭債権であるとされ、金銭支払に限定とされました。
◆原理変更の内容
改正前の遺留分減殺請求権は、原理としては相続財産そのものを取得する権利だったので、物権的請求権と解するのが多数派でした。それが、今次の改正で、金銭的請求権であるとされたわけです。こういう原理の変更が起きたのです。
◆原理からすれば譲渡所得課税
相続財産が不動産だけだったので、遺留分権の行使に対し、金銭ではなく、相続不動産の一部を遺留分権者の名義にすることにして、遺留分問題を解決した、というケースの場合、改正後は、遺留分債務を相続不動産で代物弁済したとの解釈にもなりそうです。そうすると、ここで、譲渡所得課税が起きるのだ、という主張も出そうです。
◆代償分割での代償債権の場合
似たような事例としては、相続財産が不動産一つだけだったので、それを取得した相続人が、他の相続人に対して金銭で代償金を支払う、というような場合があります。
これは、代償分割という相続財産分割の一手法です。物権的請求権を非相続財産である金銭債権に代えるものであるにも拘らず、譲渡所得課税はないものとされていました。代償債権債務は、不動産の相続財産評価レベルに圧縮され、その上で相続税課税がなされるとともに、代償債務は相続不動産取得者の取得費を構成しない、との技巧的処理がなされています。
◆代償分割との相違・類似
代償分割での不動産取得放棄で代償債権(非相続財産)を得ることは物権の債権への代替ですが、改正後の遺留分権の場合での不動産(相続財産)の取得は、債権の物権への代替です。前者には相続財産外の資金が絡んでいるので、譲渡性を吟味するとしたら、こちらの方が強そうです。
似たようなケースで、片や課税なし、片や課税との異なる扱いをすることになるのか、当局の対応が注目されています。
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|2019年9月6日 金曜日
日税連「軽減税率は免税事業者を圧迫」
日税連「軽減税率は免税事業者を圧迫」
記事提供:エヌピー通信社
日本税理士会連合会(神津信一会長)はこのほど、2020年度税制改正に関する建議書を決定しました。建議書では特に強く主張する項目として、消費税の単一税率維持とインボイス(適格請求書)方式の見直しを訴えました。全事業者にインボイス方式が適用されると、税額控除ができない免税事業者は取引から排除される可能性が高く、「不当な値下げなどにより経営状態が圧迫される」と危機感を持って訴えています。
日税連は複数税率導入の議論が始まった当初から軽減税率反対を重要項目に盛り込んでいます。建議書では、複数税率の区分経理により事業者負担が増すことや、逆進性対策として非効率であることなどを理由に、「早期の見直しを図り単一税率制度にすべきである」と主張しています。逆進性への対応としては、あらかじめ国が一定額を入金したプリペイドカードを配布する方法や、一定額の簡素な給付措置など具体例を挙げて提案しました。
また一定の経過期間を経て導入される予定のインボイス制度については、「免税事業者が適格請求書等を発行できないことに伴い、不当な値下げ等により経営状態が圧迫されることのないよう対策を講じなければならない」として、抜本的な再検討を求めました。複数の税率ごとに詳細な記載が求められるインボイスは、事業者だけでなく「税務官公署にも多大な事務負担を課す」とした上で、税の専門家の立場から「現行の請求書に一定の記載事項を追加するだけで区分経理は十分可能」とインボイス方式の必要性を否定しました。
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