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2018年8月27日 月曜日
相続税財産評価Q&A92 非上場株⑥
相続税財産評価Q&A92 非上場株⑥
Q92
営業譲渡,合併した場合には譲渡先,合併先の会社においてが従業員の数の計算上「1年間継続して勤務したもの」として取り扱ってよいのでしょうか。
A92
合併の場合は存続会社において「1年間継続して勤務したもの」として取り扱い,営業譲渡の場合は雇用契約の内容により判断します。
営業譲渡とは,一定の営業目的のために組織化された有機的一体として機能する有形,無形の財産を一括して譲渡することをいいます。営業譲渡における従業員の継承については,当事者間の合意のほか,従業員の合意が必要です。一方,合併とは,複数の会社が契約により1つの会社に合体し,当事者間の一部又は全部が消滅することをいいます。合併における従業員の継承は,消滅会社の権利義務関係のすべてが存続会社に引き継がれます。
営業譲渡日又は合併期日が,評価会社の直前期期首の場合には,継承した従業員を「1年間継続して勤務したもの」と扱ってよいか否か,問題になることはありませんが,直前期の期中の場合には,継承した従業員を「1年間継続して勤務したもの」と取り扱ってよいか,判断に迷うところです。
従業員とは,評価会社に雇用契約により使用される個人で,賃金の支払を受ける者をいいますが,営業譲渡の場合,従業員の雇用契約を営業譲渡先に継承する場合と従業員の雇用契約を営業譲渡元に残し営業譲渡先に出向させる場合があります。従業員の雇用契約を営業譲渡先に継承する場合には,営業譲渡先において「1年間継続して勤務したもの」として取り扱い,従業員の雇用契約を営業譲渡元に残し営業譲渡先に出向させる場合には,営業譲渡先において「1年間継続して勤務したもの」として取り扱えないと思われます。一方,合併の場合には,当然に,消滅会社と従業員の雇用契約が存続会社に継承されますので,存続会社において「1年間継続して勤務したもの」と取り扱えるものと思われます。
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|2018年8月24日 金曜日
相続税の改正と一般社団法人
◆一般社団法人等を使った相続対策とは
「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が施行された2008年以降、一般社団法人の設立が容易になりました。
そこで、一般的な方法としては次のような相続対策が急増しました。
(1)一般社団法人を設立する。
(2)そこに被相続人所有の不動産や自社株を移動します。
(3)相続人を理事又は理事長とする。
(2)の段階で問題となったのは、不動産や自社株を時価で売却した場合被相続人にかなりの譲渡所得が発生したり、高額な貸付金や金銭が手元に残ったりすることでした。
しかし不動産や自社株は所得税の分離課税であり、課税は20%強で済みます。また高額な貸付けは不動産収益や配当での返済や、親族理事への報酬により赤字にして債務免除することも可能でした。
更に非営利法人として認められた場合は、寄附や贈与も課税対象から外れていました。そしてこのようにして一般社団法人に移された財産は、相続財産から完全に除かれておりました。
◆今回の改正では
同族関係者が理事の過半数を占める特定一般社団法人等については、同族理事(理事でなくなった日から5年を経過していない者を含む)が死亡した場合は、その特定一般社団法人等を個人とみなして、同族理事の数で等分した当該特定一般社団法人等の財産を、死亡した理事から遺贈により取得したものとみなし相続税を課税するというものです。更に既にある一般社団法人等についても、特定一般社団法人等に該当すれば、平成33年4月1日以後の理事の死亡については適用するというものです。
対策としては次の事が考えられます
(1)被相続人対象者が理事を辞め5年を超えて長生きすること。
(2)同族理事の数を50%以内とする。と同時に被相続対象者は3年を超えて長生きすること。
(3)(1)(2)ができない時は逆に同族理事の数を増やし等分財産を少なくする。
しかし特定一般社団法人等に該当しなければ従来通りですから、これで相続対策がなくなるとは思えません。
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|2018年8月20日 月曜日
相続税財産評価Q&A91 非上場株⑤
相続税財産評価Q&A 非上場株⑤
Q91
役員としての地位を有しない顧問,相談役,嘱託など執務時間がはっきりしない者はどのように扱われるのですか。
A91
役員としての地位を有しない顧問,相談役であっても,いわゆるオーナー株主であって,重要な経営事項に影響力をもつ者は,「評価会社に使用される個人で賃金の支払を受ける者」には該当しない,つまり,従業員には該当しないと考えるのが常識と思われます。
一方,オーナー株主としての地位を有しない,例えば嘱託など単なる使用人と同じ業務にしか従事していない場合には,従業員と考えるのが常識と思われます。
従業員に該当する嘱託のうち,労働時間がはっきりしない者は,従業員としてどのようにカウントするか,ということが問題になりますが,評価会社の課税時期の直前1年間における労働時間の実績により判定します。
例えば,下記のような場合には、
①直前期末以前1年間継続して勤務し,1週間当たりの労働時間が30時間以上の者
②直前期末以前1年間継続して勤務し,1週間当たりの労働時間が30時間未満の者
③直前期末以前1年間継続して勤務していない者
①については従業員それぞれを従業員数1とカウントし,②と③の場合には,1年間の労働時間の合計÷1,800時間=従業員数とカウントします。
Q91-2
直前期に,リストラ等の特別の事情こより,大量退職した場合の従業員数の判定は,どのように行われるのですか。
A91-2
会社規模を判定する際の「従業員数」の計算は,直前期末1年間の勤務形態により判断すること,とされています。中途入社,退職者は,年間を通じた継続勤務従業員ではなく「直前期末以前1年間継続して勤務していない者」に該当します。
例えば,3月決算の会社において,期中に大量退職した場合,退職者は年間を通じた継続勤務従業員といいがたく,中途退職者として前問の③「直前期末以前1年間継続して勤務していない者」に該当し,1年間の労働時間の合計÷1,800時間=従業員数により従業員数をカウントします。
一方,3月決算の会社において,決算日に大量退職した場合,退職者は,前問の①にいう「直前期末以前1年間継続して勤務した者」に該当し(1週間当たりの労働時間が30時間未満の者を除きます。),退職者は,直前期における従業員数1とカウントすることが妥当と思われます。
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|2018年8月17日 金曜日
建物の増改築と資金負担
民法の第242条に不動産の附合と言う規定があります。事例で示すと、建物を増築した場合、だれが増築しようとその増築部分は、当初の建物の所有者のものですよ、と言うことです。以下は記事をご覧ください。
建物の増改築と資金負担
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|2018年8月6日 月曜日
相続税財産評価Q&A90 非上場株④
相続税財産評価 非上場株④
Q90
非上場株の評価で従業員数を計算する場合,使用人兼務役員は対象になりますか。また,いままで役員だった者を使用人兼務役員としてカウントしても認められますか。
A90
使用人兼務役員を従業員としてカウントしても認められます。ただし,法人税法施行令第71条第1項第1号及び第3号に掲げる役員を除きます。また,いままで役員だった者が,常時,使用人としての職制上の地位を有した職務に変更となった場合には,従業員としてカウントしても認められます。
従業員とは,評価会社に雇用契約により使用される個人で賃金の支払を受ける者をいいます。したがって,取締役,監査役,清算人といった,評価会社の機関としての地位を有する者は,原則として従業員には該当しません。しかし,取締役としての地位を有するもののうち,常時,職制上の地位を有する,いわゆる使用人兼務役員は,従業員としてカウントします。ただし,次のような役員は,使用人兼務役員として認められないので,従業員としてカウントすることはできません。
・代表取締役又は定款の記載,取締役会の決議により副社長,専務取締役,常務取締役等の職制上の地位を付された,いわゆる「表見代表者」及びこれらの者に準ずる役員・監査役及び監事上記の役員には該当せず,職務分掌変更により,部長,課長,主任,支店長,工場長,支配人等の使用人たる職制上の地位を有し,かつ,常時使用人としての職務に従事する場合には使用人兼務役員に該当します。
ただし,常時使用人としての職務に従事することが必要なので,いわゆる非常勤役員は使用人兼務役員に該当しません。
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