財産評価
2017年7月3日 月曜日
相続税財産評価Q&A55 借地権③
相続税財産評価 借地権③
Q70
被相続人が所有する自宅家屋の敷地については、相続人である子が所有していますが、親子間なので地代のやり取りはなく、敷地の固定資産税を被相続人が負担する程度でいわゆる使用貸借によるものです。このような場合にも借地権を相続財産として計上しなければなりませんか?
A70
いわゆる使用貸借の場合、使用に伴う権利(使用借権)は、借地法借家法で保護されないため税務上はゼロとして評価され、敷地は自用地として評価されます。ところが、質問の用に子の土地の上に親が建物を建てている場合は、下記のようなケースが想定され要注意です。
元々被相続人は他人の土地を借地して建物を建てていたところ、借地人から要請があり底地を買いとる場合は多く見受けられます。この底地の買取りの際に借地人自身ではなく子が買い取る場合があります。借地人が高齢だったり、買取り時の経済状況だったりといった理由から珍しくはありません。
そしてここから税務上の注意が必要です。購入後は親子間なので使用貸借により地代のやり取りをしないことが多くあります。ところが使用貸借にすると借地権はゼロで底地は自用地の評価となり、もともと借地人が有していた借地権が底地購入者である子に贈与したことになってしまいます。そこで、贈与税が課されないように税務上は借地人と底地所有者と連名で「借地権者の地位に変更がない旨の届出」を提出することとなります。これにより、借地権はかわらず借地人が所有するものとし、底地は借地権を控除したいわゆる貸宅地として評価することにされます。
このような場合には、税務上底地購入時に贈与税こそ課されませんが、借地権は親が変わらず所有するものとされ、親の相続開始時に建物および借地権が相続財産として相続税の課税対象となります。実務上借地権の計上漏れがないよう、土地の購入時期より建物の建築時期が古い場合には、相続人からその経緯を聞き出すことが必要です。
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