財産評価
2017年6月12日 月曜日
相続税財産評価Q&A52 使用貸借
相続税財産評価 使用貸借
Q67
この度、父親が所有する土地の上に自宅を建築することになりました。土地を借りるにあたって権利金や地代のやり取りはせず、無償で使用することとします。このような場合、借地権の贈与として贈与税は課税されるのでしょうか?
A67
親族間の土地や建物の貸借については、地代のやり取りはせず無償で使用収益する場合が多くあります。いわゆる使用貸借の場合、使用に伴う権利(使用借権)は、借地法借家法で保護されず極めて弱い権利なので税務上はゼロとして評価されます。したがって、質問の場合、贈与税の課税はありません。また、使用貸借により土地を貸付けている場合の土地の評価は借地権価額を控除しないいわゆる自用地としての評価額とされます。
民法において、「使用貸借は、当事者の一方が無償で使用および収益をした後に返還することを約して相手方からあるものを受け取ることによって、その効力を生ずる」と規定しています。また、「当事者が返還の時期並びに使用および収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも返還を請求することができる」と規定しており、使用貸借契約は、代表的な方務契約であるとされています。
なお、借主が目的物に係る通常の費用負担をした場合においても無償の範囲に含まれます。例えば、目的物が土地である場合その土地の固定資産税を借主が負担した場合が該当します。
使用貸借により借り受けた土地の上に建物を建築し、その建物が貸し付けられている場合、その建物賃借人の敷地利用権は、建物所有者の敷地利用権から独立したものではなく、建物所有者の敷地利用権の範囲内に従属したものと解されるため、自用地として評価した価額になります。
一方、親が土地又は借地権を所有し、その上に親がアパートを建て、そのアパートを子に贈与して子は土地を使用貸借により借りていた。その後、親の死亡により子が土地又は借地権を相続したという場合には、この土地の評価は、貸家建付地評価となります。
これは、以前から居住している建物賃借人の敷地利用権の権能には変化がないと解されるからです。
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