財産評価
2017年5月22日 月曜日
相続税財産評価Q&A50 貸家建付地②
相続税財産評価 貸家建付地②
Q64
私が所有するアパート2棟(各々8室)のうち、A棟については、2室が空室で入居者を募集中です。また、もう1棟のB棟についても新築後2か月でまだ半分しか埋まっていません。
この場合には、貸家建付地として評価するとき空室分は除いて評価しなければなりませんか?
A64
貸家建付地の評価においては、賃貸割合を乗じて計算をすることとされています。これは建物の一部を貸家とそれ以外に区分して使用することがあるからです。たとえば1階を貸家に2階を自用に使用するような場合です。
賃貸割合は、「その家屋の各独立部分の床面積の合計に対する賃貸されている各独立部分の床面積の合計の割合」で算出します。この場合の賃貸されている各独立部分には、継続的に賃貸されていた各独立部分で、一時的に賃貸されなかったと認められるものを含むこととして差し支えありません。
ただし、この適用のためには課税庁では以下の条件が必要と考えられています。
① 課税時期前に継続的に賃貸していたこと。
② 賃借人が退去したのち、速やかに次の賃借人の募集をするとともに空室になっている間他の用途に使用しないこと。
③ 空室の期間が短期間であること。
問題となるのは、空室部分が継続的に賃貸されていたとみられるかどうかということと、空室の期間が一時的かどうかということです。A棟については、空室の期間が問題となります。一時的な空室であればともかく、長期にわたって空室になっているのであれば継続的に賃貸しているとはいえず、2室分は賃貸されている床面積に入れることはできない可能性があります。
また、B棟の2室については、新築から2か月程度空室ということですが、空室の期間は長期間とは言えませんが、貸室としての実績はいまだなく、上記1に該当しないので継続的に賃貸されていた部分とはみられません。そのため、空室部分は「賃貸されている床面積」に入れることはできないと考えられます。
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