財産評価
2016年7月19日 火曜日
相続税財産評価Q&A その13
Q19 宅地を路線価方式で評価する場合、個々の宅地の路線価に各種の補正を加えて評価していくそうですが、奥行価格補正についてどのようなものか説明してください。
また、実際に奥行距離を求める場合はどのようにして行うのでしょうか。
A19 一方のみが路線に接する宅地の価額は、路線価にその宅地の奥行距離に応じた「奥行価格補正率表」に定める補正率を乗じて計算した1㎡当たりの価格にその宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価します。
宅地の価額は、路線からの距離が長い部分(奥行きが深い部分)は低くなり、路線からの距離が短い部分(奥行きが浅い部分)は高くなります。また、路線からの距離が短い(奥行きが短い)部分だけしか有しない宅地の価額は標準的な宅地に比較して低くなります。このような宅地の価格形成要素を織り込んで路線価方式による宅地の評価を行う必要があるために、路線価の調整的役割を有しているのが奥行価格補正率です。
奥行価格補正率は、財産評価通達において付表の1に定められています。宅地の所在する地域の区分ごとに、0.80から1.00まで1%刻みで規定されています。普通住宅地域を例にとると、4メートル未満が最短で0.9となり、4メートル以上から2メートルごとに割合が上昇します。10メートル以上、24メートル未満が1.0で補正がありません。つまりこの長さが普通住宅地区における標準的な宅地の奥行というわけです。24メートル以上から4メートル刻みで0・99から補正が大きくなり100メートル以上で0.8まで補正されます。
なお、奥行きが100メートルを超える宅地については最大の補正率が固定されていますが、奥行が100メートルを超えるような特異な宅地については、奥行価格補正率による路線価方式による通常の評価は合理的でないとする判例があります。
奥行距離は、原則として正面路線に対して垂線的な奥行距離によります。ただし、奥行き距離が一様でない不整形地については、その不整形地にかかる想定整形地の奥行距離を限度として、その不整形地の面積を間口距離で除して求めます。
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