財産評価
2016年6月21日 火曜日
相続税財産評価Q&Aその9
Q14 登記簿上の地積(公募面積)と実際に測量をした場合の面積(実測面積)との差があるかどうかついては、どのように確認したらいいのでしょうか?
A14 土地の登記簿の表題部には所在・地番・地積・地目が記載されています。また、その土地1筆ごとの位置・形状・区画を明確にした地図として公図が法務局には備え付けられています。
登記は不動産取引の安全と権利関係の安定のためにあり、登記簿は権利の移動と権利の対象である不動産の実態を正確に表示しなければなりません。しかし、現在の登記簿表題部に記載されている地積と備え付けの公図は、明治の地租改正によって行われた測量の結果に基づいており、必ずしも正確なものではありません。当時の測量技術の未熟さもありますが、地租徴収の目的で行われた測量であり、課税される側の立場としてはできるだけ地租を少なくするために、実際の面積より狭くしようとしたためにいわゆる縄のび(公募面積より実測面積が広い場合)が発生したといわれています。
現在不動産取引を行う場合には、売主は土地家屋調査士に対象地について隣接地の所有者の境界承諾を取り付けた実測図を作成してもらい、この実測面積により売買価額を確定させるのが一般的です。買主はこの隣接所有者の境界承諾を取り付けた実測図の交付を受けることで、将来発生するかもしれない境界と越境問題に対する担保とし、物件の範囲を確保することになります。ただし、売買に際して実測図を作成した場合に登記面積と誤差があったとしても、縄縮み(実測面積が公募面積より狭い場合)の場合で支払う税額が大きい場合を除き地積更正をするのは稀です。
したがって、地積更正をした不動産と対象になる不動産について過去に売買が行われておりそのときに作成した正確な実測図と境界承諾書がある場合を除くと、実測面積と公募面積の差を確認することはできないということになります。
なお、取引当事者以外の人が、法務局で実測面積と公募面積とが一致していることを確認することができるのは、調査対象の土地が地積更正・分筆・合筆がされている場合で、申告の際に提示された地積測量図を閲覧することができます。
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