財産評価
2016年12月19日 月曜日
相続税財産評価Q&A31
相続税財産評価Q&A31
Q42
余剰容積率の移転がある場合、移転の対価を一時金で収受せずに地代に反映させて収受している場合、宅地の相続税評価はどのように勘案されるのでしょうか?
A42
余剰容積率を隣接地に移転した土地は、一定の工作物の建築ができないことになります。一方で余剰容積率の移転を受けた土地は、通常の容積率を超える建物を建築することができます。したがって、移転した土地は、通常の宅地としての評価額から一定の価額を減額し、移転を受けた土地は通常の宅地としての評価額にその価額を増額することとなります。
その評価は、隣地で行われる限定的取引であること、移転の方法も区分地上権の設定、地役権もしくは賃借権の設定によるもの又は余剰容積率利用権の売買によるものなど一様でないこと等から、借地権のように独立の権利として評価することはなじみません。
そこで、個々の事案ごとに設定されている権利の内容、建築物の内容等を勘案して評価することとされ、移転の対価を一時金で授受を行っている場合には、評価通達23により評価することができます。
余剰容積率を移転した宅地の場合・・・次の算式によります。
A×(1-B÷C)
A・・・余剰容積率を移転している宅地の通常の評価額
B・・・区分地上権の設定により収受した対価の額
C・・・区分地上権の設定等の直前における余剰容積率を移転している宅地の通常の取引価額
また、地代で収受している場合でも、区分地上権の設定により余剰容積率を移転している場合には、評価通達25(4)「区分地上権の目的となっている宅地」により評価します。
区分地上権の割合は、原則として立体利用阻害率により、これを求めるには建築できない階層の階層別利用率(公共用地の取得に伴う損失補償基準細則における階層別利用率表による)を用いて次の算式により計算することとなります。
自用地価額-自用地価額×地上権割合
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