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2016年7月5日 火曜日
相続税財産評価Q&Aその11
Q17 路線価方式により評価する場合、宅地の所在する一定の地区ごとに区分が定められていますがどのようなものか説明してください。
A17 路線価方式により評価する地域(以下「路線価地域」という)については、宅地の利用状況がおおむね同一とされる一定の地域ごとに、国税局長が7つの地区(*④と⑤は同じ地区区分とされています。)を定めるものとされています。これは、宅地の所在する各地域の宅地の利用状況により宅地の価格形成に影響する度合いが異なるので、価格形成要因の異なる地区ごとに区分を行う必要があるためです。
① ビル街区・・・大都市(政令指定都市規模)内の容積率の高い地区にあって、高層の大型オフィスビル、店舗等が街区を形成し、かつ、敷地規模が大きい地区とされています。
② 高度商業地区・・・大都市の都心もしくは副都心または地方中核都市の都心等における商業地域内で容積率の高い地域にあって、中高層の百貨店、専門店等が連たんする高度小売商業地区または中高層の事務所等が連たんする高度業務地区とされています。
③ 繁華街地区・・・大都市または地方中核都市において各種小売店舗が連たんする著名な商業地または飲食店舗、レジャー施設等が多い歓楽街など、人通りが多い繁華性の高い中心的な商業地区をいい、高度商業地域と異なり比較的狭い幅員の街路に中低層の平均的に小さい規模の建物が連たんしている地区とされています。
④ 普通商業地区・・・商業地域もしくは近隣商業地域内にあって、または住居地域もしくは準工業地域の幹線道路沿いにあって、中低層の店舗、事務所等が連たんする商業地区とされています。
⑤ 併用住宅地区・・・この地区は、商業地区の周辺部(主として近隣商業地域内)または、または住居地域もしくは準工業地域の幹線道路沿いにあって、住宅が混在する小規模の店舗、事務所等の低層利用の建物が多い地区とされています。
⑥ 普通住宅地区・・・主として、第一種住居専用地域、第二種住居専用地域、住居地域または準工業地域内で主として住居用建物が連続している地区とされています。
⑦ 中小工場地区・・・主として、準工業地域、工業地域または工業専用地域内にあって、敷地規模が9,000㎡程度までの工場、倉庫、流通センター、研究開発施設等が集中している地区とされています。
⑧大工場地区・・・主として、準工業地域、工業地域または工業専用地域内にあって、敷地規模が9,000㎡を超える工場、倉庫、流通センター、研究開発施設等が集中している地区または単独で30,000㎡以上の敷地規模のある画地によって形成されている地区(ただし、用途地域が定められていない地区にあっても、工業団地、流通団地等においては、一画地の平均規模が9,000㎡以上の団地は代行所地区に該当する)とされています。
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|2016年7月1日 金曜日
民法親族編その1・・・親族の範囲
民法親族編その1・・・親族の範囲
1、親族・・・親族とは、血縁関係にある者と姻族関係にある者の総称
親族とは、人間関係における最も親しい集団のことを呼び、法律的にも特別な存在として認められています。出生や養子縁組によって生じる関係を血縁関係、婚姻によって生じる関係を姻族関係と呼び、この両者のみが親族と呼ばれます。
血族関係には、血のつながりによる自然血族と、養子縁組によって生じる法定血族があります。
自然血族とは、子供と親というようないわゆる血のつながりがある者のことで、法定血族とは、養子、養親というような法律的な親子関係を持っている者のことです。姻族関係とは、婚姻した相手(配偶者)の血族関係者のことを呼びます。
*親子関係不存在の確認・・・DNA鑑定技術の発達により親子の血縁関係は100%近い確率で鑑定されるようになりました。親子関係に疑義が生じるような場合には、親子関係の不存在の調停を家庭裁判所に申し立てることができます。
2、親等・・・血縁の遠近を表すのが親等
血族を体系化してみると、祖父母、父母、子、孫のように血統が直下する繋がりは直系と呼ばれます。これに対して、共同の始祖から枝分かれしている繋がりは傍系と言います。それぞれは、直系血族、傍系血族と呼ばれます。これと同様の関係は姻族にもあり、直径姻族、傍系姻族と呼ばれます。
自分からみて前の世代に属する者を尊属といい、後の世代に属する者を卑属と呼びます。
親等とは、親族関係の遠近を示す単位です。親等は、自分や配偶者をゼロ親等とし、1世代を1単位として数えます。たとえば、自分と親や子との親等は1親等、自分と祖父母や孫との親等は2親等という具合です。傍系の場合では、自分と共同の始祖までさかのぼり、その始祖から下って計算します。いとこの場合は、共同の始祖すなわち祖父母まで2親等さかのぼり、そこから下って叔父・叔母が3親等、さらに下っていとこは4親等となります。
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|2016年6月28日 火曜日
相続税財産評価Q&Aその10
Q15 路線価設定がされる路線とは、いわゆる公道だけが対象となるのでしょうか?具体的にはどのようなものか説明してください。
A15 路線価の設定される路線とは、不特定多数の者の通行の用に供されている道路をいうものとされています。公道や私道の区別は関係なく、法律に規定する道路(道路法に規定する道路または建築基準法に規定する道路)には限られていません。
したがって、路線価の設定される路線には、法律上の道路に該当しなくとも次のような事情で不特定多数の者の通行の用に供されている道路が含まれることがあります。
(1)水路にふたを設置して暗渠とし通行可能な道(通称青線)
(2)農道で通行可能な道(通称赤線)
(3)私有地内で、不特定多数の者の通行を黙認していたため事実上の道路として存在するもの
Q16 路線価を評定するうえでの標準的な宅地とは、どのようなものでしょうか?
A16 財産評価通達において路線価は、宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線ごとに設定されます。そして、次の四つの事項すべてに該当する標準的な宅地を想定して、その画地の、路線への接面状況、形状等を考慮して1平方メートル当たりの標準価額が評定されています。
(1)その路線のほぼ中央にあること
(2)その一連の宅地に共通している地勢にあること
(3)その路線だけに面していること
(4)その路線に面している宅地の標準的な間口距離及び奥行距離を有するく形または正方形のものであること
これらの四つの事項は、その路線価に対してなんらの補正も必要としないための条件ということができます。
現実に土地を評価する場合には、このような標準的な画地は少なく大部分の土地については、その接面道路の状況や形状等を考慮して一定の補正が必要となってきます。
このように四つの事項については補正のいらない次のような条件を想定しているといえます。
(1)(3)については、角地や二法路線などの影響がない正面路線のみに接している画 地
(2)については、がけ地を有さない平坦な形勢の画地
(4)については、奥行が長すぎたり短すぎたりせず、間口が極端に狭いものや奥行に比して間口が狭いものを除いた画地
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|2016年6月24日 金曜日
国税庁 平成27年分贈与税の申告状況を発表
国税庁 平成27年分贈与税の申告状況を発表
1、贈与税の申告状況
平成27年分の贈与税の申告人員は53万9千人で平成26年と比較して3.7%増加しました。一方、申告納税額は2,402億円であり、平成26年と比較して14,3%減少しました。
贈与税の申告人員の増加は、以下の制度改正が大きく影響しているものと考えられます。
(1)平成27年より相続税の基礎控除の引き下げがあり、相続税の課税対象者が大幅に増えたため節税対策として生前贈与が増加した。
(2)直系親族に対する特例贈与の創設により、贈与税が多少減税された。
(3)相続税の課税強化、消費税の増税を目前に、住宅取得資金の贈与税の非課税措置が平成27年に拡大された。
一方で申告納税額の減少は、平成27年から最高税率が55%に引き上げられることとなったため、前年に駆け込みで大型の生前贈与が増加したものと推測されます。
2、暦年課税及び相続時精算課税別の申告状況
(1)暦年課税
平成27年分の暦年課税適用者は48万9千人で4.1%の増加、申告納税額は2,161億円で16.4%の減少となっています。贈与税全体の申告状況・要因を反映しています。
(2)相続時精算課税
相続時精算課税適用者は4万9千人でほぼ横ばいとなり、申告納税額は241億円で10.2%の増加となっています。
申告納税額が増加したのは、平成27年より孫を対象として加えるなど要件が緩和されたことと、従来と異なり納税をしても節税等に利用しようとする積極的な活用が増えたものと推測しています。
(3)住宅取得資金の非課税
住宅取得資金の非課税適用者は6万6千人で2.1%の増加、住宅取得資金は6,508億円で29.6%、非課税額は6,159億円で42.6%の増加となっています。
いずれも平成27年における非課税金額の大幅拡充の結果と思われます。
3、今後の予測
贈与税全般については、今後も増加すると推測します。相続税対策であれば毎年実行していくものと思います。また、相続税が身近なものと考える方も高齢化とともに増えていくでしょう。ただ、基礎控除や住宅取得資金等非課税枠を使った贈与が増えていくため税額そのものはあまり伸びないか減少も考えられます。
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|2016年6月21日 火曜日
相続税財産評価Q&Aその9
Q14 登記簿上の地積(公募面積)と実際に測量をした場合の面積(実測面積)との差があるかどうかついては、どのように確認したらいいのでしょうか?
A14 土地の登記簿の表題部には所在・地番・地積・地目が記載されています。また、その土地1筆ごとの位置・形状・区画を明確にした地図として公図が法務局には備え付けられています。
登記は不動産取引の安全と権利関係の安定のためにあり、登記簿は権利の移動と権利の対象である不動産の実態を正確に表示しなければなりません。しかし、現在の登記簿表題部に記載されている地積と備え付けの公図は、明治の地租改正によって行われた測量の結果に基づいており、必ずしも正確なものではありません。当時の測量技術の未熟さもありますが、地租徴収の目的で行われた測量であり、課税される側の立場としてはできるだけ地租を少なくするために、実際の面積より狭くしようとしたためにいわゆる縄のび(公募面積より実測面積が広い場合)が発生したといわれています。
現在不動産取引を行う場合には、売主は土地家屋調査士に対象地について隣接地の所有者の境界承諾を取り付けた実測図を作成してもらい、この実測面積により売買価額を確定させるのが一般的です。買主はこの隣接所有者の境界承諾を取り付けた実測図の交付を受けることで、将来発生するかもしれない境界と越境問題に対する担保とし、物件の範囲を確保することになります。ただし、売買に際して実測図を作成した場合に登記面積と誤差があったとしても、縄縮み(実測面積が公募面積より狭い場合)の場合で支払う税額が大きい場合を除き地積更正をするのは稀です。
したがって、地積更正をした不動産と対象になる不動産について過去に売買が行われておりそのときに作成した正確な実測図と境界承諾書がある場合を除くと、実測面積と公募面積の差を確認することはできないということになります。
なお、取引当事者以外の人が、法務局で実測面積と公募面積とが一致していることを確認することができるのは、調査対象の土地が地積更正・分筆・合筆がされている場合で、申告の際に提示された地積測量図を閲覧することができます。
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