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2016年10月11日 火曜日
相続税財産評価Q&A23
相続税財産評価Q&A23
Q33
無道路地の評価額は、不整形地としての評価額からその価額の100分の40の範囲内において相当と認める金額を控除した価額によって評価することとされています。
そこで、評価減できる「100分の40以内の相当と認める金額」の判断基準は、具体的にどのようになっていますか?
A33
不整形地としての評価額から減額できる「100分の40以内の相当と認める金額」は建築基準法等の法令において、無道路地についての接道義務の要件に基づいて、最小限の通路を設けるとした場合のその通路に相当する部分の評価額とされています。つまり、接道義務を満たすために、建築基準法上の道路に達するまでの最小限の通路を開設するものと仮定し、その通路の相続税評価額を買収費用として控除するものです。通路に相当する部分の金額は、実際に利用している路線の路線価を基に計算しますが、その際、奥行価格補正等を行う必要はありません。
この通路は、原則、接道義務を充足するものとして間口2mとなりますが、安全性等の観点から自治体によっては条例で、路地状敷地について条件を付加している場合があります。自治体によって内容が異なるため評価対象地の存する自治体への確認が必要になります。
*参考
「東京都建築安全条例」
建築物の敷地が路地上部分のみによって道路に接する場合には、その敷地の路地上部分の幅員は、路地上部分の長さに応じて、次の表に掲げる幅員以上としなければならない。
路地上部分の長さが20m以下・・・2m
20m超・・・3m
「横浜市建築基準条例」
建築物の敷地が路地上部分のみによって道路に接する場合には、その敷地の路地上部分の幅員は、路地上部分の長さに応じて、次の表に掲げる数値としなければならない。
路地上部分の長さが15m以下・・・2m
15m超25m以下・・・3m
25m超・・・4m
この取り扱いは、通常の路線価で道路用地を取得できることを前提にしていますが、隣地倍地と言われる場合もありますので問題が残ると考えられます。
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|2016年10月7日 金曜日
民法親族編その14・・・親子②
民法親族編その14・・・親子②
1、 認知。
父または母は非嫡出子を認知することができます。ただし、母は分娩の事実によって母子関係が生じますから認知の必要はありません。
認知は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって行います。そして認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しません。また、遺言によって認知をすることができます。
ただし、成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができません。
2、 認知の効果
認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生じます。ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできません。また、認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができません。一方、子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することができます。
3、 認知の訴え
子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができます。ただし、父又は母の死亡の日から3年を経過したときは、この限りではありません。
4、 準正
父が認知した子は、その父母の婚姻によって嫡出子としての身分を取得します。これを婚姻準正と呼びます。
また、婚姻中父母が認知した子は、その認知の時から、嫡出子の身分を取得します。
5、 子の氏
嫡出である子は、父母の氏を称します。ただし、子の出生前に父母が離婚したときは、離婚の際における父母の氏を称することになります。嫡出でない子は、母の氏を称します。
子が父又は母と氏を異にする場合には、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができます。
父又は母が氏を改めたことにより子が父母と氏を異にする場合には、子は、父母の婚姻中に限り、前項の許可を得ないで、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父母の氏を称することができます。
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|2016年10月3日 月曜日
相続税財産評価Q&A22
相続税財産評価Q&A22
Q32
無道路地に該当する場合、相当な減額ができるそうですが、無道路地とはどのようなものか説明してください。
A32
無道路地とは、建築基準法上の道路に直接面していない宅地をいいます。さらに、相続税財産評価通達では、建築基準法上の道路に接している場合でも、接道1mなどいわゆる接道義務を満たしていない宅地も無道路地として評価します。
公図上道路に接していない土地について、具体的には次のようなケースが想定されます。
(1) 建築基準法上の道路までのほかの土地も被相続人等が所有している場合
→ 無道路地として評価しません。接道義務を満たしているものとして不整形地の評価を行います。
(2) 他人の土地に駐車場など賃借権を設定し対象土地と一体で使用している場合
→ 無道路地として評価しません。一体で使用している土地を一団の宅地として評価したうえでそれぞれ宅地と権利とで評価します。
(3) 他人の土地の通行地役権や賃借権などを設定し、通行の用に供している場合
→ 無道路地として評価しません。不整形地として一体で評価したうえでそれぞれ宅地と権利とで評価します。
(4) 準公道または共用的通路には接面するが、その通路が建築基準法上の道路に該当しない場合
→ 無道路地として評価します。ただし、その通路が建築基準法上の道路に該当しないにもかかわらず、路線価が付されている場合があります。この場合には、無道路地として評価はできませんが、接道義務を満たさず建築はできないため路線価にその減価要因が加味されているかどうか確認する必要があります。
(5) 建築基準法上の道路に接しているものの、接道長が足りず接道義務を満たしていない場合
→ 無道路地として評価します。接道義務を充足するだけの道路開設費用を控除します。
(6) 事実上他人の土地を出入りの便に供しているが、通行地役権、賃借権、囲繞地通行権等の法的権利を有しない場合
→ 無道路地として評価します。
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|2016年9月30日 金曜日
民法親族編その13・・・親子①
民法親族編その13・・・親子
1、 実子
親と血縁関係のある子を実子と呼び、養子縁組により親子関係が成立した子を養子と呼びます。
実子には、嫡出子と非嫡出子があります。嫡出子とは父母の婚姻関係が継続している間に生まれた子を言い、そうでない子は非嫡出子となります。嫡出子は父との親子関係は推定されますが、非嫡出子は、父の認知がない限り父との親子関係は生じません。
嫡出子は父母の氏を称し、戸籍も父母の戸籍に入り、父母の共同親権に服します。これに対して非嫡出子は、母の親権に服することになります。
2、 嫡出の推定
婚姻中の夫婦で妻が妊娠した場合は、その夫の子供と推定されます。しかし、いつ妊娠したかを証明することは実際には困難です。そこで、婚姻の日から200日後、または婚姻の解消・取り消しの日から300日以内に生まれた子供は婚姻中に妊娠したものと推定されます。この推定により、妻の産んだ子供は、その子供(嫡出子)との推定がされることになります。
3、 嫡出否認の訴え
いったん嫡出の推定がされると、妻の産んだ子供が、夫の子ではないときでも、嫡出否認の訴えを起こさなければ推定を覆すことはできません。この訴えを起こせるのは原則として夫だけで、相手方は子供または子供の親権を持つ母親になります。親権を持つ母がいない場合には、家庭裁判所が選任した特別代理人が相手方となります。
嫡出否認の判決が確定すれば、子供は初めから嫡出子でなかったことになります。なお、嫡出否認の訴えは、夫が子供の出生を知ったときから1年以内に提起しなければなりません。
4、 推定を受けない嫡出子
民法上は、婚姻成立後200日を経ないで生まれた子は、嫡出子にはなりません。しかし、婚姻届けを提出する前から内縁関係に入り、婚姻後200日以内に夫の子供が生まれてくることはよくあります。そのため実際の戸籍実務では、婚姻後200日以内に生まれた子供であっても、すべて嫡出子として受け付けています。判例も同じ取り扱いをしています。
このような子供は「推定を受けない嫡出子」と呼びます。このケースで、自分の子供ではないとの訴えは「嫡出否認の訴え」ではなく、親子関係不存在確認の訴えをすることになります。
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|2016年9月26日 月曜日
相続税財産評価Q&A21
相続税財産評価Q&A21
Q31
間口に比して奥行が長大な宅地はどのような評価を行うのでしょうか?また、不整形地の評価との関係についても合わせて説明してください。
A31
間口に比して奥行が長大な宅地(不整形地及び無道路地を除く。)については、奥行距離に応ずる減価のほか、付表6の「間口狭小補正率表」または付表7の「奥行長大補正率表」に定める補正率を乗じて求めた価額にその宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価することとされています。
奥行長大補正率については、「路線価は、間口と奥行との関係が均衡のとれた画地における価格として付けられているものであり、奥行価格補正率も間口と奥行とが均衡のとれた画地を前提として定められている。奥行が長大で、奥行と間口との均衡が取れていない画地は、宅地としての利用効率が低下する。このため、奥行と間口との均衡が取れていない画地を評価する場合には、奥行価格補正率を乗じた後の価額に、さらに奥行長大補正率を乗じて評価することにしている。すなわち、奥行長大補正率は、間口に対する奥行の割合が大きくなるにつれて(奥行きが長大になるにつれて)、価格の低下する割合を計数化したものにほかならない。」とされています。
不整形地が、間口狭小又は奥行長大でもある場合には、不整形地補正による減額を行い、間口狭小又は奥行長大による減額は重ねて適用できません。これは、不整形地補正には間口狭小や奥行長大であることによる評価減も織り込んで行われるからです。無道路地の場合も同様です。相続税財産評価通達上、間口狭小又は奥行長大補正を行う宅地の定義で不整形地及び無道路地が除かれるのはこのためです。
実務上このような土地の不整形による減額は、不整形地補正率に間口狭小補正率を乗じた割合①と、間口狭小補正率に奥行長大補正率を乗じた割合②と両方を計算したうえでいずれか少ない割合(0.6を限度)を不整形地の減額割合として選択することになります。
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