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2017年6月5日 月曜日

財産評価基本通達(取引相場のない株式の評価)の改正

国税庁は、財産評価基本通達の取引相場のない株式の評価について、改正のあらまし及び新旧対照表を公表しました。税制改正大綱に掲げられた財産評価の適正化の一環ですが、類似業種比重方式の計算要素のほとんどに改正があり大きな見直しとなりました。なお、多くの場合納税者有利とみられるため、遡って平成29年1月1日以降の相続または贈与により取得した場合から適用されます。

 会社規模 の判定 基準 の見直し

類似業種比準方式の見直し

財産評価基本通達の一部改正(新旧対照表)

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2017年6月2日 金曜日

平成29年度税制改正 資産課税編 その4

「医療法人の持分放棄と贈与課税」
1、趣旨
 良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律の改正を前提に、次に掲げる改正がなされています。
2、概要
平成18年医療法等改正法の改正を前提とする税制上の措置
(1) 平成18年医療法等改正法に規定する移行計画の認定を受けた医療法人の持分を有する個人、その持分の全部又は一部の放棄をしたことにより、その医療法人がその認定移行計画に記載された移行期限までに持分の定めのない医療法人への移行をした場合には、その医療法人がその放棄により受けた経済的利益については、贈与税を課さない
(2) 上記の適用を受けた医療法人について、持分の定めのない医療法人への移行をした日以後6年を経過する日までの間に移行計画の認定要件に該当しないこととなった場合は、上記の経済的利益につき、その医療法人を個人とみなして贈与税を課する。
(3) 医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予制度等の適用期限を3年延長する。
3、適用時期
適用については、所要の措置を講じた後となっています。

「相続税の物納財産の順位の見直し」
1、 趣旨
上場株式等と他の資産との比較における相続税の負担感の差を解消する目的で物納順位の見直しが行われました。  
2、 概要
物納に充てることができる財産の順位について、株式、社債及び証券投資信託等の受益証券のうち金融商品取引所に上場されているもの等を国債及び不動産等と同じく第一順位とし、物納財産の範囲に投資証券等のうち金融商品取引所に上場されているもの等を加え、これらについても第一順位とされました。 
3、 適用時期
平成29年4月1日以降に物納の許可を申請する場合について適用されます。

「生産緑地法改正に伴う納税猶予の取扱い」

生産緑地法の改正を前提に、面積要件の緩和された改正後の生産緑地地区内にある農地等については、農地等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度の適用上、現行と同様の取扱いとなります。

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2017年5月29日 月曜日

相続税財産評価Q&A51 貸家建付地③

相続税財産評価Q&A 貸家建付地③

Q66
2階建ての建物について、2階部分をアパートとして賃貸し、1階は自己の居住用としています。この場合に敷地の相続税評価の計算上貸家建付地部分について「賃貸割合」を算出するうえで、供用部分はどのように計算すればいいでしょうか

A66
 貸家建付地の相続税評価額について、賃貸割合を計算するときは、「その家屋の各独立部分の床面積の合計」に対する「賃貸されている各独立部分の床面積の合計」の割合で算出します。「各独立部分」とは、「構造上区分された数個の部分の各部分」をいいます。つまり、建物の構成部分である隔壁、扉、階層(天井及び床)等によって他の部分と完全に遮断されている部分で、独立した出入口を有するなど、独立して賃貸その他の用に供することができるものをいいます。
 なお、外部に接する出入口を有しない部分であっても、供用で使用すべき廊下、会談、エレベーター等の共用部分のみを通って外部と出入りすることができる構造となっているものは、上記の「独立した出入口を有するもの」に該当します。

 通常は、上記「各独立部分」の合計額で案分しますから、供用部分は、分子、分母ともその計算から除かれます。しかし、質問の場合は、2階がすべて貸付用、1階はすべて自用となっているケースですが、例えば、当初から1階は自用、2階のみをアパート用として使用することを予定し、その構造で建築した建物の場合、アパートは一般的に供用部分が広いこともあり、2階の住人のみ使う供用部分が、1階の住民のみ使う供用部分よりはるかに大きくなります。
 財産評価通達の賃貸割合の算式ではそのことが考慮されていません。そのために賃貸割合が異常に低くなり、不合理な結果となります。このような場合は、通常の計算に代えて、1階及び2階の住民のみ使用する供用部分を、分母分子の独立部分に加えて賃貸割合を計算する方法が認められる余地があると考えられます。

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2017年5月24日 水曜日

平成29年度税制改正 資産課税編 その3

「相続税(贈与税)の納税義務の見直し」

1、 趣旨
 経済活動の国際化への対応と租税回避の効果的な抑制を目的として、国外財産に対する相続税等の納税義務の範囲の見直しが行われました。国外に居住する日本人(非居住無制限納税義務者)の納税義務を拡大し、租税回避行為を抑制します。一方、駐在等の一時滞在の外国人等の納税義務を緩和し、高度外国人材の受け入れを促進します。

2、概要
(1)国内に住所を有しない者であって日本国籍を有する相続人等に係る相続税の納税義務について、国外財産が相続税の課税対象外とされる要件を、被相続人等及び相続人等が相続開始前10年(現行は「5年」)以内のいずれの時においても国内に住所を有したことがないこととされました。これは、国内に住所はないが日本国籍はある贈与者と受贈者の双方が、5年超国外に住んでから贈与(相続)するなどの租税回避を抑制するためです。

(2)国内に住所・国籍がない者が、過去10年以内(今までは5年以内)に日本に住所があった者から相続などにより取得した国外財産が日本で課税されることになります。これは、国外で出生し日本国籍を取得しなかった子に対し、一時的に国外に住所を移した上で国外財産を贈与(相続)するなどの行為を想定したものです。

(3)被相続人等及び相続人等が在留資格をもって一時的滞在(国外に住所を有している期間がそう青く開始前15年以内で合計10年以下の滞在をいう。)をしている場合等の相続税については、国内財産のみを課税対象とすることになりました。これは、一時的に日本に住所がある外国人同士の相続などの場合に、国外財産に日本の相続税が課税されないようになれば、高度外国人材などの受入れ促進につながることから改正されました。

(注)いずれも贈与税も同様に改正されています。

3、適用時期
 この改正は、平成29年4月1日以後の相続または贈与から適用されます。

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2017年5月22日 月曜日

相続税財産評価Q&A50 貸家建付地②

相続税財産評価 貸家建付地②
Q64
 私が所有するアパート2棟(各々8室)のうち、A棟については、2室が空室で入居者を募集中です。また、もう1棟のB棟についても新築後2か月でまだ半分しか埋まっていません。
 この場合には、貸家建付地として評価するとき空室分は除いて評価しなければなりませんか?

A64
 貸家建付地の評価においては、賃貸割合を乗じて計算をすることとされています。これは建物の一部を貸家とそれ以外に区分して使用することがあるからです。たとえば1階を貸家に2階を自用に使用するような場合です。
 賃貸割合は、「その家屋の各独立部分の床面積の合計に対する賃貸されている各独立部分の床面積の合計の割合」で算出します。この場合の賃貸されている各独立部分には、継続的に賃貸されていた各独立部分で、一時的に賃貸されなかったと認められるものを含むこととして差し支えありません。
ただし、この適用のためには課税庁では以下の条件が必要と考えられています。
課税時期前に継続的に賃貸していたこと。
賃借人が退去したのち、速やかに次の賃借人の募集をするとともに空室になっている間他の用途に使用しないこと。
空室の期間が短期間であること

 問題となるのは、空室部分が継続的に賃貸されていたとみられるかどうかということと、空室の期間が一時的かどうかということです。A棟については、空室の期間が問題となります。一時的な空室であればともかく、長期にわたって空室になっているのであれば継続的に賃貸しているとはいえず、2室分は賃貸されている床面積に入れることはできない可能性があります。

 また、B棟の2室については、新築から2か月程度空室ということですが、空室の期間は長期間とは言えませんが、貸室としての実績はいまだなく、上記1に該当しないので継続的に賃貸されていた部分とはみられません。そのため、空室部分は「賃貸されている床面積」に入れることはできないと考えられます。

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