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2017年6月23日 金曜日

国税庁 広大地評価見直し案 意見公募

国税庁は、財産評価通達の一部改正案についてパブリックコメントを実施しています。

内容は、広大地評価の見直しですが、現行の「広大地評価」を廃止し、新たに「地積規模の大きな宅地の評価」を新設する大きな改正案です。新たに設けられる「地積規模の大きな宅地の評価」については、要件を明確にするため基本的に面積のみにしぼり、評価方法も規模格差補正率を乗じて算出する方法としています。

減額割合は、基本的に面積に比例し、最大でも0.716となり広大地の最大0.35とは大きな違いとなります。ただし、広大地評価の場合と異なり、財産評価通達15「奥行価格補正」から全項「不整形地の評価」までを適用した価額に規模格差補正率を乗じることとされています。

現行の広大地の場合、奥行や不整形など形状は考慮されず、一律で割合を規定した欠陥を改めたものといえます。要件も補正率も地積の広さのみに絞られ、不動産鑑定評価上の面大地に近い評価方法といえます。

この改正により、要件が明確化され、減額方法も不動産の個別性を考慮したものとなれば、現在の広大地の適用を巡る多くの不毛な裁判等がなくなるものと思われます。ただ、個人的には、これによって規模格差補正と重複して適用されることとなる「不整形地の減額割合」が実際の形状に比して少し低いのではないかと不満に思っています。

財産評価通達新旧対照表(案)

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2017年6月19日 月曜日

相続税財産評価Q&A53 借地権①

相続税財産評価 借地権①
Q68
相続税の財産評価では借地権はどのように定義づけられていますか?また、借地権の評価は、必ず国税庁が定める借地権割合により評価しなければならないのでしょうか?

A68
借地権とは、借地借家法により、「建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権をいう」と定義されています。したがって、建物所有を目的としない駐車場等は含まれません。その範囲は財産評価通達9に示され、定期借地権等は一般の借地権とは別の評価方法によることとされています。そして、地上権や賃借権ではない使用貸借契約に基づくものも借地権としては取り扱いません。
また、不動産鑑定評価基準では、「借地権の価格は、借地法に基づき土地を使用収益することにより借地人に帰属する経済的利益を貨幣額で表示したものである。」と定義されています。

財産評価基本通達は、借地権価格については、自用地の価格に借地権割合を乗じて評価しますが、これは自用地の価格に対して一定の割合で借地権の売買価格が決定されているとの認識の基にその割合を示したもので、地代の低さによる借り得部分も考慮したものと考えられています。
おおむね、借地権について売買が成立している地域(取引慣行がある地域)については地代が地価に対して低廉であり、今後も低廉な状態が継続するであろうと予測されることから、借り得は、価格割合以上発生していると思われますが、例外的に極めて高額な地代を収受している場合もあり、その場合不動産鑑定評価において借地権価格は割合価格より低くなる可能性もあります。しかしながら、基本通達は「割合を乗じて計算した金額によって評価する」としています。

なお、最近の不動産市場においては、地主との関係のわずらわしさ等から借地権の取引に際して売買当事者が合意する借地権割合(借地権の売買においては更地価格でまず合意し、次に借地権割合により価格を決定する場合が多い。)は国税庁が定めている借地権割合を下回る確率が高いと考えられています。

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2017年6月16日 金曜日

「法定相続情報証明制度」が平成29年5月29日からスタート

相続にかかる必要情報を証明書1通にまとめ、さまざまな手続きを簡便化する「法定相続情報証明制度」が平成29年5月29日からスタートしました。以下の記事をご覧ください。

相続情報を証明書1通に

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2017年6月12日 月曜日

相続税財産評価Q&A52 使用貸借

相続税財産評価 使用貸借
Q67
 この度、父親が所有する土地の上に自宅を建築することになりました。土地を借りるにあたって権利金や地代のやり取りはせず、無償で使用することとします。このような場合、借地権の贈与として贈与税は課税されるのでしょうか?

A67
親族間の土地や建物の貸借については、地代のやり取りはせず無償で使用収益する場合が多くあります。いわゆる使用貸借の場合、使用に伴う権利(使用借権)は、借地法借家法で保護されず極めて弱い権利なので税務上はゼロとして評価されます。したがって、質問の場合、贈与税の課税はありません。また、使用貸借により土地を貸付けている場合の土地の評価は借地権価額を控除しないいわゆる自用地としての評価額とされます。

民法において、「使用貸借は、当事者の一方が無償で使用および収益をした後に返還することを約して相手方からあるものを受け取ることによって、その効力を生ずる」と規定しています。また、「当事者が返還の時期並びに使用および収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも返還を請求することができる」と規定しており、使用貸借契約は、代表的な方務契約であるとされています。
なお、借主が目的物に係る通常の費用負担をした場合においても無償の範囲に含まれます。例えば、目的物が土地である場合その土地の固定資産税を借主が負担した場合が該当します。

使用貸借により借り受けた土地の上に建物を建築し、その建物が貸し付けられている場合、その建物賃借人の敷地利用権は、建物所有者の敷地利用権から独立したものではなく、建物所有者の敷地利用権の範囲内に従属したものと解されるため、自用地として評価した価額になります。

一方、親が土地又は借地権を所有し、その上に親がアパートを建て、そのアパートを子に贈与して子は土地を使用貸借により借りていた。その後、親の死亡により子が土地又は借地権を相続したという場合には、この土地の評価は、貸家建付地評価となります。
これは、以前から居住している建物賃借人の敷地利用権の権能には変化がないと解されるからです。

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2017年6月9日 金曜日

平成29年度税制改正 資産課税編 その5

「居住用超高層建築物に係る固定資産税等の課税の見直し」
1、趣旨
 居住用超高層建築物(タワマン)に課す固定資産税・不動産取得税については、高層階ほど取引価額が高いにもかかわらず、評価額は全戸一律なため不公平であると指摘されていました。そこで、階層別専有床面積補正率(1階を100として階が1つ増すごとに39分の10を加えた数値)を適用した課税に改められます。
 2、概要
(1)居住用超高層建築物に対して課する固定資産税について、次のとおり見直しが行われました(都市計画税についても同様)。
① 高さが60mを超える建築物のうち、複数の階に住戸が所在しているもの(以下「居住用超高層建築物」)については、当該居住用超高層建築物全体に係る固定資産税額を各区分所有者に按分する際に用いる、その各区分所有者の専有部分の床面積を、一定の補正率(以下(1)において「階層別専有床面積補正率」という。)により補正する。
② 階層別専有床面積補正率は、最近の取引価格の傾向を踏まえ、居住用超高層建築物の1階を100とし、階が1つ増えるごとに、これに10を39で除した数を加えた数値とする。
③ 居住用以外の専有部分を含む居住用超高層建築物においては、その居住用超高層建築物全体に係る固定資産税額を、床面積により居住用部分と非居住用部分に按分の上、居住用部分の税額を各区分所有者に按分する場合についてのみ階層別専有床面積補正率を適用する。
④ 上記(1)から(3)までに加え、天井の高さや附帯設備の程度等につき著しい差違がある場合は差違に応じた補正を行う。
⑤ 上記(1)から(4)までにかかわらず、居住用超高層建築物の区分所有者全員による申出があった場合には、その申し出た割合により、その居住用超高層建築物に係る固定資産税額を按分することも可能とする。
(2)居住用超高層建築物の専有部分の取得があった場合に課する不動産取得税について、上記(1)と同様の見直しを行う。
3、適用時期
上記(1)と(2)の改正は、平成30年度から新たに課税されることとなる居住用超高層建築物(平成29年4月1日前に売買契約が締結された住戸を含むものを除く。)について適用します。

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