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2018年9月10日 月曜日
相続税財産評価Q&A94 非上場株⑧
相続税財産評価 非上場株⑧
Q94
非上場株の会社規模判定における「直前期末以前1年間の取引金額」の計算には,売上金額は当然含めますが,営業外収益のすべて,又はその一部を含めて判定してよいのでしょうか。
A94
「取引金額」とは,評価会社の課税時期における直前期末以前1年間の評価会社の目的とする事業に係る収入金額をいいます。一般的には,定款上の事業目的に係る事業から生じた収入金額が評価会社の規模を表すことになりますから,具体的には,収入金額イコール売上金額となるでしょう。
本通達(3)では,収入金額のかっこ書で,金融業は「収入利息」,証券業は「収入手数料」とこれらの業種に関しては,本来の事業のみで判定させるというところからも,そのことが伺えます。具体的に,営業外収益の科目が「収入金額」に必ずしも含まれないのかを検討してみましょう。
営業外収益の勘定科目には,①受取利息,②受取配当金,③有価証券売却益,④為替差益,⑤受取賃貸料,⑥仕入割引,⑦雑収入などがありますが,いずれの科目も,株価評価上の会社規模を判定する材料にはならないのではないでしょうか。受取利息配当金や為替差益は営業収入とは直接関係ないものですし,有価証券売却益はそれを業としていない場合は,たまたま株式を売却したにすぎませんので,会社規模に関係するものではないと思います。
不動産貸付業以外の受取賃貸料も福利厚生目的で社宅等を貸し付けているケースの家賃収入であれば,売上とは直接結びつきません。したがって,通常,営業外収益は,本通達の「収入金額」には含めないものと考えます。
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|2018年9月7日 金曜日
国税庁:2017年分所得税等の確定申告状況を公表
国税庁は、2017年分所得税等の確定申告状況を公表しました。
それによりますと、所得税の確定申告書を提出した人は、前年を1.3%(28万7千人)上回る2,197万7千人となり、2015年から3年連続で増加しました。
申告納税額がある人(納税人員)は同0.6%増の640万8千人となり、3年連続増加し、納税人員の増加に伴い、その所得金額も同3.4%上回る41兆4,298億円でこちらも3年連続で増加しました。
申告納税額も前年を4.6%(1,416億円)上回る3兆2,037億円と、3年連続増加しました。
所得税申告者のうち、株式等の譲渡所得の申告者は前年分比10.6%増の103万1千人と2年連続で増加し、うち所得金額がある人は同81.1%増の53万3千人、所得金額は同36.7%増の3兆5,732億円と増加しました。
これら株式等譲渡所得の申告者を除く土地等の譲渡申告者は同3.8%増の51万4千人で3年連続の増加し、うち所得金額がある人は同4.5%増の34万1千人、所得金額は同6.5%増の4兆7,557億円となり、いずれも増加しました。
一方、贈与税の申告状況をみてみますと、贈与税の申告書を提出した人員は50万7千人で前年分比0.5%減となり、そのうち納税人員は36万9千人で同0.4%減少し、その申告納税額は2,077億円で同7.8%減少しました。
贈与税の申告書提出人員のうち、暦年課税を適用した申告者は同0.5%減の46万2千人となり、うち納税額がある人は同0.4%減の36万6千人、その納税額は同9.4%減の1,747億円で、1人あたりの納税額は同9.0%減の48万円となりました。
また、相続時精算課税制度に係る申告者は前年分に比べ0.8%減の4万5千人となり、うち納税額があった人は同4.1%増の4千人、申告納税額は同1.8%増の331億円で、1人あたりの納税額は同2.3%減の866万円でした。
なお、個人事業者の消費税の申告件数は同0.4%減の113万8千件、納税申告額は同0.2%減の5,931億円とほぼ横ばいで推移し、還付申告件数は同1.7%増の3万7千件、還付税額は3.3%増の357億円となりました。
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|2018年9月3日 月曜日
相続税財産評価Q&A93 非上場株⑦
相続税財産評価Q&A 非上場株⑦
Q93
取引相場のない株式の評価における評価会社の規模区分の判定の際、「直前期末以前1年間における取引金額」ついて,一つの法人でさまざまな業種を手がけている場合には,「目的とする事業」は,登記上の目的と関係あるのですか。定款及び登記上の目的には記載されているが,売上が小さい場合はどうでしょうか。
A93
一つの法人でさまざまな業種を手がけている場合には,「目的とする事業」は,登記上の目的と関係はありません。また,登記上の目的には記載されているが取引金額が小さい場合は「目的とする事業」には,該当しません。
「直前期末以前1年間における取引金額」は,その期間における「評価会社の目的とする事業」にかかわる収入金額とされています。実態としての取引金額によるのか,という点については,実態としての取引金額により判断することになります。当初,定款記載の事業目的のみを行っていても,その後の経営環境の変化により本業以外にも事業展開したり,当初の定款記載の事業目的と全く別の事業が,主体となる場合もあります。この場合,会社の業種を判定する際の要素は,名目的な定款記載上の事業目的より,経営実態を反映した「直前期末以前1年間における取引金額」により「評価会社の目的とする事業」を判定すべきと考えられます。
複数の事業を兼業している場合,「直前期末以前1年間における取引金額」の多寡により,評価会社の業種を判定します。また,将来的に事業のウェイトがシフトすることが予想される評価会社においても,シフト後の事業実績が即座に株価に反映されることは考えにくいことから,「直前期末以前1年間における取引金額」の多寡により,評価会社の業種を判定することが妥当と考えます。
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|2018年8月31日 金曜日
弔慰金でも一定範囲を超えるものは退職手当等として課税対象
弔慰金は、香典や花輪代、葬祭料といった名目で支払われることもありますが、税務上、社会通念上相当と認められるものは所得税や贈与税が課税されません。
また、被相続人が生前に勤めていた会社から相続人が受け取る金銭のうち、死亡退職金は相続税の課税対象になりますが、原則、弔慰金は課税されません。
なお、上記の「社会通念上相当と認められる金額」の範囲ですが、相続税基本通達では、亡くなった従業員に支給されるべきだった退職手当金や功労金など、その名義のいかんにかかわらず実質上退職手当金等に該当するものを除き、弔慰金として取り扱うこととしております。
具体的には、業務上死亡の場合には賞与以外の普通給与額の3年分相当額、業務上の死亡でない場合には、普通給与額の半年分相当額を非課税となる弔慰金として取り扱うとしております。
国税当局は、この範囲を超える部分は相続税の課税対象となる退職手当金等として取り扱い、その通達により弔慰金として取り扱われたものに社会通念上相当と認められる額を超える部分があれば、その部分は退職手当金等として取り扱うべきであるとしております。
したがいまして、従業員の死亡退職に伴い会社から支払われる弔慰金は原則として、社会通念上という国民感情の観点から課税の対象とはならないことになりますが、なかには課税されないことを利用して、過度な節税として使われることもあり得るので、弔慰金として妥当と判断できる一定の金額は課税しないものの、一定範囲を超える部分は過度な弔慰金と判断して課税対象になり、退職手当金等として相続税の課税対象となりますので、ご注意ください。
なお、上記の「業務上の死亡」とは、被相続人が亡くなった原因が業務中に起こったことであり、業務と関係性が深い原因がある場合には業務上の死亡と判断されます。
上記の具体例として、業務遂行中に発生した事故などにより亡くなった場合、出張中に発生した事故などで亡くなった場合、仕事が原因とされる職業病などによって亡くなった場合、通勤途中の災害などによって亡くなった場合も業務上の死亡と判断されますので、あわせてご確認ください。
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