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2019年9月20日 金曜日
国税庁:2018年分所得税等の確定申告提出状況を公表!
国税庁では、確定申告における基本方針として、「自書申告」を推進し、ICT(情報通信技術)を活用した施策に積極的に取り組んでおります。
2018年分所得税等の確定申告状況によりますと、所得税の申告書提出件数は2,221万8千件(前年分比1.1%増)となりました。
国税庁のホームページ上で申告書が作成できる「確定申告書等作成コーナー」やe-Tax(国税電子申告・納税システム)などのICTを利用した所得税の確定申告書の提出人員は全体で1,531万1千人にのぼり、前年分比6.8%増加しました。
所得税の確定申告書の提出人員に占める割合は、前年より3.6ポイント上昇の68.9%に達し、贈与税の申告においても、提出人員49万4千人のうち76.4%(37万7千人)がICTを利用し、その割合は前年分から2.0ポイント上昇しました。
また、「署で申告書を作成してe-Taxで提出」が391万9千人、「同書面での提出」が36万人の計427万9千人となり、前年分比6.9%減少しました。
一方で、自宅などでのICT利用は、「HP作成コーナーで申告書を作成、書面で提出」が474万1千人、「同e-Tax」が124万人、「各種会計ソフト等で作成・e-Taxで提出」が418万5千人の計1,016万6千人で同9.4%増と、自宅等でのICT利用が増加しました。
なお、全国拡大後15回目の確定申告となるe-Taxは、添付書類の提出省略できることや書面提出に比べて還付金を早期還付などのメリットを積極的に広報するなど普及拡大に努めた結果、e-Taxでの所得税の申告書提出件数が、前年の882万9千人から934万4千人へと5.8%増加しました。
このように、ICTを活用した施策を推進する一方で、こちらも15回目となる閉庁日における申告相談を2月24日と3月3日の日曜日に、228税務署を対象に税務署のほか合同会場・広域センターの会場において実施した結果、これらの会場における両日の相談件数は前年比1.3%減の18 万9千件、申告書収受件数は同0.8%減の29万1千件となりました。
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|2019年9月13日 金曜日
遺留分権行使への対応と課税
◆遺留分権の性格の原理的変更
従来、遺留分減殺請求された場合、相続財産を分けるよりも、金銭を支払って決着、ということが多かったと思われますが、平成30年7月13日公布、本年7月1日施行の改正民法で、遺留分に関する権利の内容に重要な変更がなされ、遺留分減殺請求は、遺留分侵害額請求と改正され、その請求権の行使により生じる権利は金銭債権であるとされ、金銭支払に限定とされました。
◆原理変更の内容
改正前の遺留分減殺請求権は、原理としては相続財産そのものを取得する権利だったので、物権的請求権と解するのが多数派でした。それが、今次の改正で、金銭的請求権であるとされたわけです。こういう原理の変更が起きたのです。
◆原理からすれば譲渡所得課税
相続財産が不動産だけだったので、遺留分権の行使に対し、金銭ではなく、相続不動産の一部を遺留分権者の名義にすることにして、遺留分問題を解決した、というケースの場合、改正後は、遺留分債務を相続不動産で代物弁済したとの解釈にもなりそうです。そうすると、ここで、譲渡所得課税が起きるのだ、という主張も出そうです。
◆代償分割での代償債権の場合
似たような事例としては、相続財産が不動産一つだけだったので、それを取得した相続人が、他の相続人に対して金銭で代償金を支払う、というような場合があります。
これは、代償分割という相続財産分割の一手法です。物権的請求権を非相続財産である金銭債権に代えるものであるにも拘らず、譲渡所得課税はないものとされていました。代償債権債務は、不動産の相続財産評価レベルに圧縮され、その上で相続税課税がなされるとともに、代償債務は相続不動産取得者の取得費を構成しない、との技巧的処理がなされています。
◆代償分割との相違・類似
代償分割での不動産取得放棄で代償債権(非相続財産)を得ることは物権の債権への代替ですが、改正後の遺留分権の場合での不動産(相続財産)の取得は、債権の物権への代替です。前者には相続財産外の資金が絡んでいるので、譲渡性を吟味するとしたら、こちらの方が強そうです。
似たようなケースで、片や課税なし、片や課税との異なる扱いをすることになるのか、当局の対応が注目されています。
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|2019年9月6日 金曜日
日税連「軽減税率は免税事業者を圧迫」
日税連「軽減税率は免税事業者を圧迫」
記事提供:エヌピー通信社
日本税理士会連合会(神津信一会長)はこのほど、2020年度税制改正に関する建議書を決定しました。建議書では特に強く主張する項目として、消費税の単一税率維持とインボイス(適格請求書)方式の見直しを訴えました。全事業者にインボイス方式が適用されると、税額控除ができない免税事業者は取引から排除される可能性が高く、「不当な値下げなどにより経営状態が圧迫される」と危機感を持って訴えています。
日税連は複数税率導入の議論が始まった当初から軽減税率反対を重要項目に盛り込んでいます。建議書では、複数税率の区分経理により事業者負担が増すことや、逆進性対策として非効率であることなどを理由に、「早期の見直しを図り単一税率制度にすべきである」と主張しています。逆進性への対応としては、あらかじめ国が一定額を入金したプリペイドカードを配布する方法や、一定額の簡素な給付措置など具体例を挙げて提案しました。
また一定の経過期間を経て導入される予定のインボイス制度については、「免税事業者が適格請求書等を発行できないことに伴い、不当な値下げ等により経営状態が圧迫されることのないよう対策を講じなければならない」として、抜本的な再検討を求めました。複数の税率ごとに詳細な記載が求められるインボイスは、事業者だけでなく「税務官公署にも多大な事務負担を課す」とした上で、税の専門家の立場から「現行の請求書に一定の記載事項を追加するだけで区分経理は十分可能」とインボイス方式の必要性を否定しました。
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|2019年8月30日 金曜日
定期金給付契約に関する権利の贈与とは?
国税庁は、「暦年贈与サポートサービスを利用した場合の相続税法24条の該当性について」と題した照会事例を公表しております。
これは、ある金融機関の「暦年贈与サポート信託」による贈与について、相続税法24条の「定期金給付契約に関する権利」の贈与にあたるか否かを照会したものです。
同24条は、定期金に関する権利の評価について定めたもので、定期金給付契約に基づいて定期的に金銭が支払われる場合、その契約時に「定期金給付契約に関する権利」の贈与があったものとみなされ、給付事由が発生しているものは、
①解約返戻金の額
②定期金に代えて一時金を受け取ることができる場合はその一時金の額
③予定利率の額のいずれか多い金額で評価することとされております。
毎年一定額を贈与する場合、基礎控除の110万円以内であれば贈与税はかかりませんが、「10年間にわたり毎年100万円ずる贈与する」といった一定期間にわたり定期的に贈与を行うことを当事者間で約束する場合は、その約束をした年に「10年間にわたり毎年100万円ずつの給付を受ける権利」の贈与を受けたものとみなされ、同24条に基づいて評価されます。
「暦年贈与サポート信託」は、暦年課税を利用した贈与手続きをサポートするものですが、贈与契約書に基づき、贈与者の普通預金口座からあらかじめ指定した受贈者の普通預金口座に贈与金額を入金するサービスで、贈与者が、贈与の都度、相手や贈与金額を決定し、贈与契約を締結することで同24条の「定期金」の該当性をなくし、暦年課税にするものです。
同金融機関は、「本件サービスに基づき行われる贈与については、各年に締結される贈与契約の内容に基づき、各年の贈与として贈与税の課税が行われることとなるものと解するのが相当であり、あらかじめ定期的に贈与することについて贈与者・受贈者双方の合意がなされている場合でない限り、本件サービスを利用した贈与は、『定期金給付契約に関する権利』の贈与に該当するものではない」として、この判断の是非を照会しました。
これに対し国税庁は、照会の事実関係を前提とする限り同社の見解通りで差し支えないと回答しており、本サービスに基づく贈与は、直ちに同24条に規定する「定期金給付契約に関する権利」の贈与には該当しないとしました。
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|2019年8月23日 金曜日
空き家特例で老人ホーム等入所の具体的な確認事項を公表!
国土交通省は、2019年度税制改正において、相続した空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例について、2019年4月1日以降の譲渡から、要介護認定等を受け、被相続人が相続開始の直前まで老人ホーム等に入所していた場合も、一定要件を満たせば適用対象となり、適用期限も4年延長されましたが、その一定要件について、具体的な確認事項を明示しました。
老人ホームに入所していた場合の具体的な要件は、
①被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続の開始直前まで老人ホーム等に入所をしていたこと
②被相続人が老人ホーム等に入所をしたときから相続の開始の直前まで、その者による一定の使用がなされ、かつ、事業の用、貸付けの用又はその者以外の者の居住の用に供されていたことがないこととされております。
上記②の確認事項は、
(a)電気、水道又はガスの契約名義(支払人)及び使用中止日が確認できる書類
(b)老人ホーム等が保有する外出、外泊等の記録
(c)その他、要件を満たすことを容易に認めることができる書類のいずれかとしております。
具体的に(a)は、支払い証明書、料金請求書、領収書、お客様情報の開示請求に対する回答書、通帳の写し又はクレジットカードの利用明細(最終の料金引渡し日が分かるもの)などをいいます。
(b)は、例として、家屋を宛先住所とする被相続人宛の郵便物等や電気、水道又はガスの家屋の一定使用は認められますが、事業の用等に供されていないことが確認できていない場合の書類として、市区町村が認める者が家屋の管理を行っていたことの証明書、不動産所得がないことを確認するための地方税の所得証明書等明細(最終の料金引き落とし日が分かるもの)などを示しております。
国土交通省は、被相続人居住用家屋確認書の申請時における提出書類(介護保険の被保険者証等の写しや老人ホーム等が保有する書類、電気、ガスの使用中止日が確認できる書類など)については、相続後や家屋・敷地の譲渡後に入手が難しいものもあるため、特例適用の検討段階において早めに準備するよう呼びかけておりますので、該当されます方はご確認ください。
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