菅原会計事務所 オフィシャルブログ
2020年10月2日 金曜日
新型コロナウィルス感染症の影響により賃料を減額した場合の取扱い
新型コロナウイルス感染症の影響により、店舗用物件やテナントなどを賃借する事業者には、売上が減少しているなか、賃借料の支払いに困っているところも多いと思われます。
そのため、店舗用物件やテナントなどの物件を賃借している事業者より、固定的に支払いが発生する賃料の負担が重いことから、賃貸している店舗用物件やテナントなどの不動産貸付業を営む事業者のなかには、賃料の減額を求められた場合、契約内容の見直しを行い、新型コロナウィルス感染症の流行が終息するまでの期間に限って、賃料の減額に応じるところもあるようです。
しかし、この不動産貸付業者が取引先等に対して、復旧支援のため、賃料の減額に応じた場合の賃料の減額分については、法人税の取扱上、寄附金として取り扱われることになるのかが疑問が残ります。
この件につきましては、国税庁において「新型コロナウイルス感染拡大に係る税務上の取扱いに関するFAQ」をホームページ上に公表しております。
それによりますと、事業者が賃貸借契約を締結している取引先等に対して賃料の減額を行った場合、減額したことに合理的な理由がなければ、差額については、原則として、相手方に対して寄附金を支出したものとして税務上、取り扱われると指摘しております。
しかし、上記の賃料の減額が、例えば、以下の条件を満たすものであれば、実質的には取引先等との取引条件の変更と考えられるので、その減額した差額は、寄附金として取り扱われることはないと説明しておりますので、該当されます方はご確認ください。
①取引先等において、新型コロナウイルス感染症に関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと又は困難となるおそれが明らかであること
②不動産貸付業者が行う賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用確保など)を目的としたものであり、そのことが書面などにより確認できること
③賃料の減額が、取引先等において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいう)内に行われたものであること
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|2020年9月11日 金曜日
国税が「伝家の宝刀」裁判でまた敗訴
記事提供:エヌピー通信社
大手レコード会社「ユニバーサルミュージック」(東京)が組織再編に絡む約58億3850万円の課税処分の取り消しを求めた裁判で、東京高裁は処分を取り消した一審判決を支持し、国側の控訴を棄却しました。国は課税処分に際して、〝伝家の宝刀〟とも呼ばれる法人税法132条「同族会社の行為計算否認規定」を適用しましたが、一審に続き二審でも正当性を否定されたかたちです。
同社は2008年に行ったグループの組織再編において、前身の法人など3社の全株式を買収し、吸収合併する形で設立されました。問題となったのは、その際にグループの国外法人から借りた約866億円です。
同社は支払利息を損失として計上しましたが、東京国税局は「日本国内の音楽事業に実質的な変化がなく、一連の再編は所得を圧縮する目的で行われた租税回避だ」と指摘。損金算入を認めず、約181億2400万円の申告漏れがあったとして、計58億円超の追徴課税を決定していました。
同社の一連の行為は、税法になんら触れるものではありません。にもかかわらず申告漏れと認定されたのは、法人税法132条に定められた「同族会社の行為計算の否認規定」によるものです。同規定は、法人税の負担を「不当に減少」させる税務処理については、当局が税額を再計算できると定めています。つまり合法の範囲内で行われた処理でも、それが租税回避目的と認められれば否認できるということです。
税務処理が租税回避目的かどうかは、具体的には、「経済取引として不合理・不自然であるか」で判定されることとなります。つまり当局は、同社の組織再編を経済取引として不合理であると判断したわけですが、司法の判断は違いました。
法人税法132条に定める行為計算否認規定は、税法にのっとった税務処理であっても否認できるというその使い勝手の良さから、国税の「伝家の宝刀」と呼ばれています。しかし近年、この宝刀を巡り、国税の敗訴が続きます。16年には、IBM社の連結納税制度を利用した税務処理を法人税法132条を使って否認したものの、最高裁まで争って敗れています。今回のユニバーサル社を巡る裁判では、まだ上告が残っているものの、負ければ、〝刃の鈍り〟は決定的なものとなりかねません。
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|2020年9月4日 金曜日
被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例とは
被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例は、相続又は遺贈により取得した被相続人の居住用家屋又は被相続人の居住用家屋の敷地等を、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡した場合で、一定の要件を満たせばその譲渡所得の金額から最高で3,000万円まで控除することができます。
2019年度税制改正において、特例の対象となる居住用家屋・敷地が拡充されており、特例の対象となる相続した家屋について、被相続人が相続の開始直前において一人で居住していることが要件でしたが、2019年4月1日以降の譲渡からは要介護認定等を受け、被相続人が相続開始の直前まで老人ホーム等に入所していた場合も、一定の要件を満たせば適用対象となり、適用期限も2023年12月31日まで4年延長されましたので、該当されます方は、ご確認ください。
上記の一定の要件とは、要件を満たす老人ホーム等として、「老人福祉法に規定する認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム」が掲げられております。
さらに「介護保険法に規定する介護老人保健施設、介護医療院」や「高齢者の居住の安定確保に関する法律に規定するサービス付き高齢者向け住宅」なども掲げられております。
老人ホームに入所していた場合の具体的な要件として、被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続の開始直前まで老人ホーム等に入所をしていたことや被相続人が老人ホーム等に入所をしたときから相続の開始の直前まで、その者による一定の使用がなされ、かつ、事業の用、貸付けの用又はその者以外の者の居住の用に供されていたことがないことがあります。
その他、1981年5月31日以前に建築されたことや区分所有建物(マンション)でないこと、家屋を売却するのであれば耐震基準を満たしていること、売却金額が1億円以下であることといった要件があり、登記事項証明書や耐震基準適合証明書、売買契約書などで証明します。
なお、売却した家屋や敷地等について、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例や収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないことも要件となりますので、該当されます方は、あわせてご確認ください。
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|2020年8月28日 金曜日
国税局職員が相続税逃れ
記事提供:エヌピー通信社
熊本国税局は7月、主査級の50代男性職員が相続財産や贈与財産の一部を申告せずに税負担を免れたとして、同職員を懲戒免職にしたと発表しました。国家公務員法で定める信用失墜行為に当たると判断したものです。
同局によれば、男性は2017年に相続税の申告をした際に、預貯金や株式の一部を相続財産として申告せず、自身と親族にかかる相続税計約2380万円の負担を免れていました。また15年には親族から現金の贈与を受けていたにもかかわらず申告せず、贈与税406万円を免れていたそうです。18年7月に税務調査を受けることになり、職場の上司に報告して発覚。その後、追徴税額を含めて納付したとのことです。
男性は「認識不足で適正な申告に至らず、申し訳ない」と話しています。これに対して同局は「意図的な脱税だったかはいえない」とコメントしています。重加算税が課されたかどうかは明らかにしていません。同局は「税務行政に関わる公務員としてあるまじき行為。国民の皆様方の信頼を損なうこととなり、深くお詫びします」と謝罪しました。
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|2020年8月21日 金曜日
国税庁:オンライン請求による納税証明書の取得を呼びかけ!
国税庁では、新型コロナウイルスの影響による事業者への対応として、新型コロナウイルス感染症特別貸付など各種の事業資金の融資の申込み等に必要な納税証明書の取得のために来署する納税者が増えていることから、来署では発行までに時間がかかることもあるため、オンライン請求による納税証明書の取得を呼びかけております。
納税証明書の請求方法には、現在の住所地(納税地)を所轄する税務署に、オンラインで交付請求する方法と納税証明書交付請求書(書面)で交付請求する方法(郵送での請求も可能)の2つがあります。
税務署窓口で納税証明書を受け取る場合には、電子証明書やICカードリーダライタがなくても、必要事項を入力するだけでオンラインでの交付請求ができますので、納税証明書を請求する際には、オンラインでの請求が便利です。
納税証明書をオンラインで交付請求を利用しますと、発行手数料が400円ではなく370円であるほか、指定された日に税務署窓口で証明書を受け取ることができ、窓口で書面により請求する場合と比べて、短時間で受け取ることができますので、待ち時間が短縮できます。
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