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2017年8月25日 金曜日
民法改正:遺産分割、配偶者優遇へ
民法改正:遺産分割、配偶者優遇へ
記事提供:エヌピー通信社
相続法制の見直しを検討している法制審議会(法相の諮問機関)の相続部会は、婚姻期間が20年以上の夫婦のどちらかが死亡した場合、生前に故人より贈与を受けた住居は遺産分割の対象にしないとする案をとりまとめました。また故人の預貯金についての遺産分割前の仮払い制度の創設も盛り込んでいます。法務省は8月上旬から約1カ月半の間、意見公募(パブリックコメント)を実施。その結果を踏まえ、年内に要綱案をとりまとめ、来年の通常国会で民法改正案を提出するそうです。
遺産分割は、亡くなった被相続人が保有していた不動産や預貯金、有価証券などの遺産を相続人で分け合う制度。現行制度では、居住用の土地や建物は遺産分割の対象であり、生前贈与をしていても住居を含めて分け合うことになります。そのため、残された配偶者が遺産分割によって住居の売却を迫られ、住み慣れた家から追い出される可能性があります。
試案では、結婚から20年以上の夫婦間で、生前贈与するか遺言で贈与の意思を示した居住用の建物や土地は、遺産分割の対象から除外するとしました。配偶者は住居を離れる必要がないだけでなく、他の財産の取り分が増えることになります。
また試案では、故人の預貯金について、遺産分割が終わる前でも生活費や葬儀費用の支払いのために引き出しやすくする「仮払い制度」の創設を盛り込みました。昨年に最高裁が「被相続人の預貯金は遺産分割の対象」とする判断を示したことを受け、遺産分割の協議中でも預金を引き出しやすくするために創設されることとなりました。
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|2017年8月21日 月曜日
相続税財産評価Q&A59 農地③
相続税財産評価 農地③
Q75
純農地及び中間農地の相続税評価の仕方について教えてください。また、地目が山林で、現況が畑だった場合どのように評価すればいいのか具体的に説明してください。
A75
純農地及び中間農地の相続税評価方法は、倍率方式によって評価します。具体的には下記のとおりです。
「その純農地又は中間農地の固定資産税評価額×倍率=相続税評価額」
純農地及び中間農地の評価単位は、耕作の単位となっている1枚の農地ごとに評価します。耕作の単位とは、課税時期の現況により、田又は畑の別に、かつ、畔や畝等により区分された農作物の栽培単位をいいます。
したがって、1枚の農地は、必ずしも1筆の農地からなるとは限らず、2筆以上の農地からなる場合や逆に1筆の農地が2枚以上の農地として利用されている場合もあります。
評価面積は実際の面積によります。農地や山林は縄伸びが多いので注意が必要です。実際の地積と土地登記簿上の地積が異なる宅地を倍率方式で評価する場合には、次の算式によって実際の地積に対応する固定資産税評価額を求め、これに倍率を乗じて相続税評価額を計算することになります。
その宅地の固定資産税評価額 × (実際の地積/土地課税台帳の地籍)
ただし、すべての土地について実測を要求しているのではなく、縄伸びの多い農地や山林について、航空写真による地積の測定、その地域における平均的な縄伸び割合の適用等の方法によって、実際地積を把握することも差し支えないものとされています。
質問の場合のように登記上の地目と現況が異なった場合には、課税時期の現況の地目により評価します。
倍率方式による評価の場合には、現況地目である畑の近傍地の固定資産税評価額を把握する必要があります。被相続人が、付近に畑を所有していればその価格を、なければ管轄市区町村の固定資産税課で確認することになります。
近傍畑の固定資産税評価額の単価に地積を乗じ、該当する地域の畑の倍率をかけて評価します。
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|2017年8月18日 金曜日
相続は財産だけではありません
相続は財産だけではありません
◆相続債務にはご注意ください
被相続人が亡くなって相続が開始されると、相続人が集まって遺産分割協議を行います。遺産分割協議で相続財産の分割を受けなくとも、相続債務は引き受けなければなりません。
どういうことかと言うと、両親と子供一人の家族で、アパートを所有していた父が亡くなり、母がその後の生活のためにアパートを相続したようなケースで、アパート建設のための借金が残っていた場合、銀行はその借金の返済をアパートを相続しなかった子供にも請求できます。
債権者にとって、相続人が勝手に決めた遺産分割協議に拘束されることはなく、相続人全員に法定相続分に応じた分割債務を請求できるのです。
そうならない為には債権者である銀行等に承認を得ておく必要があります。
遺産分割協議書は、相続人の間では有効ですが、債権者には意味がありません。
◆心配な場合は相続放棄を
相続財産を受け取らず、相続債務に不安があるときは家庭裁判所に申立てをして相続放棄を受けることができます。
相続放棄を受ければ被相続人の債務に関する追及はありません。
相続放棄は自己のために相続があったことを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申立てしなければなりません。
「知ってから」というのは、相続人と言えども疎遠な場合もあり、知らないうちに相続債務の請求を受けない為の措置です。
◆相続とは権利と義務を引き受けます
相続では財産等権利だけでなく、債務等の義務も相続するのです。
遺産分割協議をおこなう時は財産の分け方ばかりに目が行きがちですが、相続放棄をしないのであれば、債務の引き受け方もきちんと取り決め、債権者の承認を得ておく必要があります。
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|2017年8月7日 月曜日
相続税財産評価Q&A58 農地②
相続税財産評価 農地②
Q73
登記上の地目が畑となっている土地を、現況は資材置き場として利用しています。農地法の転用届は出していません。将来農業委員会から農地に戻すよう命令が来れば戻さなければなりませんが、農業委員会は命令するのかしないのかよくわからない状態です。このような場合、農地として評価されるのでしょうか?
A73
土地の地目は、必ずしも登記簿上の表示と実際の利用状況が一致しているとは限らないため、登記簿上の地目にかかわらず課税時期の現況により判定することになります。また、土地の地目の判定は、不動産登記事務取扱手続準則に準じて行うことになります。
準則では、畑とは、農耕地で用水を利用しないで耕作する土地をいいます。また、農地法によれば、農地とは耕作の目的に供される土地をいい、耕作とは土地に労資を加え肥培管理を行い作物を栽培することをいいます。
質問の場合、登記簿上の地目は農地ですが、現況は資材置き場として利用しており、現に耕作されている土地ではなく、農地として簡単に復旧できる休耕地のような状態にありません。農地法上の手続きの瑕疵は、現況の判定に特に影響を及ぼすものではなく、土地の実際の利用状況に応じて雑種地として評価されます。
Q74
団地の住民に宅地の一部を無償で数坪の家庭菜園用地として提供しています。これは農地に該当するでしょうか?
A74
客観的に見て正常な状態なら耕作されているはずであり、耕作しようとすればいつでも耕作できるような土地は、全体として農地と判定されます。しかし、仮に現在耕作をしている土地であっても、その土地が客観的に見て正常な状態ならば耕作されえないような土地(運動場、工場敷地、宅地の一部)を一時的に耕作していると認められる場合は、農地には該当しません。
質問の場合、本来農地として耕作されえない宅地の一部を家庭菜園用地として利用している状況であり、提供した土地は前述の農地の判定によれば農地とはいえるものではなく、宅地と判定されます。
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|2017年8月4日 金曜日
平成29年分相続税路線価は全国平均0.4%増
◆29年路線価は前年比0.4%増
平成29年路線価が公表されました。全国の路線価の平均は前年比0.4%増。一昨年までは7年連続の下落傾向でしたが、2年連続の上昇となりました。これは3月公表の公示地価と同じです。以前は路線価と公示地価の前年対比率の取り方が異なっていましたが、現在は両者とも「地点ごとの変動率」を単純平均しており大差はありません。
地価公示は「土地の取引価格の指標を与えること」を目的としており、全国で約26,000地点の公示地価を3月に公表しています。一方、路線価は相続税・贈与税の課税価格として用いられるもので、計算の基礎となる調査地点(標準宅地)が約333,000地点です。こちらは件数も多いため、公表は7月となっています。なお、路線価の価格は公示地価の8割程度の評価となります。
◆鳩居堂前の路線価は過去最高額を更新
29年の路線価が前年より上昇した都道府県数は13(宮城県の3.7%増が最高)。下落は32でした(秋田の2.7%減で4年連続最下位)。ただ、下落した県のうち26は下げ幅が縮小したため、全体では上昇局面とはいえます。また、路線価の最高額は、例年どおり銀座の鳩居堂前でしたが、これに加えて「銀座プレイス前」などの4か所も1㎡当たり4,032万円で、バブル期の3,650万円を抜き過去最高とのことです。ちなみに、公示地価の29年の最高額は、同じ銀座の山野楽器本社の5,050万円です(鳩居堂前は公示地価の調査対象ではありません)。
◎過去3年間の鳩居堂前の路線価・前年比
平成27年分:26,960,000円(+14.2%)
平成28年分:32,000,000円(+18.7%)
平成29年分:40,320,000円(+26.0%)
◆上昇傾向はどこまで続くのか…
公示地価は土地の用途別で変動率が公表されており、29年は商業地が2年連続の「上昇」、住宅地は「下落から横ばい」へ、工業地は「横ばいから上昇」に転じています。
これらをあわせて考えると、オリンピック開催で都市部の地価上昇は急激な一方で、住宅需要も団塊ジュニア世代が住宅購入年齢に当たる現在は、 低金利や税制にも支えられ底堅い感じもしますが、先行指標である中古マンションの指標が鈍化していることや、生産緑地指定から30年経過する平成34年には都市圏に土地が過剰供給される懸念も囁かれていますので、オリンピック後の状況はかなり変わるものと予想されます。
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