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2019年2月15日 金曜日

確定申告でマイナンカード不要に

記事提供:エヌピー通信社

 2月18日から始まる2018年分の確定申告シーズンに向け、国税庁はサイト上に特集ページを開設しました。スマートフォン・タブレット用の申告書作成コーナーが新しくなったほか、今年から導入される「ID・パスワード方式」によってマイナンバーカードを取得せずに申告書を自宅から送信できるようになっています。

 一般納税者が申告書を送信する際は、これまで送信者のマイナンバーカードと、それを読み込むICカードリーダライタが必要でしたが、新たな方式では、税務署で職員による対面の本人確認を行っておけば、カードやリーダライタを必要とせず電子申告を行うことが可能となります。

 同方式について国税庁は「マイナンバーカードおよびICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な対応」としていますが、国民の間に根強いマイナンバー不要論に拍車がかかるおそれもありそうです。

 なお、会計事務所が顧問先の申告書を代理送信する際にはID・パスワード方式は利用できず、従来どおり日税連が発行する電子証明書が必要となります。

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2019年2月8日 金曜日

財産調査と納税通知書

◆相続と財産調査
  誰かが亡くなり相続が発生したときや遺言を作成するときなど、「相続」を考える際には財産の調査をしなければなりません。預貯金や不動産、株、保険など財産はさまざまですが、今回は不動産の調査方法について考えます。

◆不動産の財産調査方法
  どのような不動産を持っていたのかを調べる際は、たとえば次のような資料が参考になります。
①固定資産税の納税通知書(課税明細書)
②登記済証(権利証)・登記識別情報
③名寄帳
  このうち、①②は自宅にあるもの、③は市区町村役場で取れるものです。多くの場合、不動産には固定資産税がかかりますので、毎年市区町村役場から送付される①固定資産税の納税通知書は比較的目にすることが多く、不動産を特定する足掛かりになります。

◆納税通知書の注意点
  ここで注意したいのが、この納税通知書に載るのはあくまで「課税されている不動産」だけであるということです。認識している不動産が自宅の土地と建物しかない場合、納税通知書だけを確認すればよいと考えがちですが、そうすると課税対象ではない道路などを見落としてしまうことがあります。せっかく遺言で相続の準備をしたり、遺産分割を取りまとめて協議書を作成しても、一部の非課税不動産を見落として作成してしまうと、相続紛争の原因になったり、相続した不動産を売却するのが難しくなったりすることもあるため、注意が必要です。

◆財産調査は慎重に
  ②はいわゆる不動産の権利証のことですが、これも紛失している場合には不動産を特定することができません。そこで登場するのが③の名寄帳(なよせちょう)です。これは、市区町村役場にある所有者ごとの不動産を、非課税不動産も含めて一覧にしたもので、自治体により「資産明細」「課税台帳の写し」など呼び方はさまざまです。現在の住所地や過去住んでいた場所、本籍地など、可能性のある市区町村役場で名寄帳を取ることで、所有していた不動産を確認することができます。少し手間ではありますが、財産の調査は慎重に行うことが肝要です。

投稿者 菅原会計事務所 | 記事URL

2019年2月1日 金曜日

不動産所得の事業的規模とされる判断基準とは?

 アパートやマンションを賃貸して得た不動産所得は、その貸付が事業的規模と認められるか否かによって、所得税の取扱いが異なります。
 事業的規模と認められますと、事業専従者給与の経費算入や65万円の青色申告特別控除が可能なほか、業務用資産の取壊し、除却など損失の全額の経費算入、賃料収入などが回収不能となった場合の貸倒損失がその年分の必要経費になります。

 例えば、家賃が回収不能なことが明らかとなったとき、事業的規模でない場合には、収入として計上した年の所得から、なかったものとして取り扱われますが、事業的規模であれば、その未回収家賃をその年の必要経費として計上して、所得から差し引くことができます。
 事業的規模とされる判断基準ですが、一般的には、貸付資産の規模や賃貸料の収入状況などの要素を総合的に勘案して判断します。
 実務的には、独立家屋の貸付はおおむね5棟以上、貸間・アパートなどは独立した室数がおおむね10室以上という形式的な基準(いわゆる5棟10室基準)が設けられております。

 物件を共有している場合は共有物件全体で判断し、貸室と貸家の両方を所有している場合は貸室2室を貸家1棟として、駐車場は5台分を貸室1室にそれぞれ換算して、基準を満たせば事業的規模となります。
 したがいまして、50台(10室相当)以上の駐車場業であれば事業として認められますが、50台以下であっても、管理状況や関与する人員などによって事業として認められるケースがあります。
 あくまでも5棟10室基準は簡便な判定方法であり、実際には実態を総合的に勘案して判断します。

 なお、事業的規模になりますと、各都道府県が課税する個人事業税の対象となり、青色申告特別控除額(65万円の控除)を差し引く前の所得から、290万円を差し引いた残額の5%が課税されます。
 また、事業的規模の不動産オーナーで、各種特典を受けるためには家賃収入や経費などを帳簿に記帳する必要があり、作成した帳簿は原則7年間の保存義務がありますので、該当されます方はご注意ください。

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2019年1月25日 金曜日

国税にバレバレ、調査で不正発覚

記事提供:エヌピー通信社

 国税庁が公表した所得税調査の実績報告によると、2017年7月からの1年間の実地調査7万2953件のうち、申告漏れなどの非違が見つかったのは6万338件で、調査を受けた人の8割以上が何らかの問題点を指摘されました。近年は仮想通貨や民泊に絡んだ税逃れなど、新しい形の事例も報告されています。厳しい調査の末にどのような申告漏れがばれてしまったのか、仮想通貨と民泊が絡むふたつの不正事例を紹介します。

 会社員Aは多数の仮想通貨取引所に自分名義と妻名義の口座を開設し、自分で開発した自動売買プログラムを利用して多額の利益を得ていました。その儲けを確定申告期には申告せず、期限後になって修正申告。しかしその所得は儲けの一部に過ぎず、自分名義の取引の一部と妻名義の口座での取引の全ての利益は隠していたところ、追徴課税を受けました。申告漏れ所得金額は1年で5千万円。加算税込みの追徴税額2400万円。

 また、会社員Bは所有物件や賃貸物件を民泊専門の国外ウェブサイトにアップし、主に外国人に貸し出し、国外の民泊仲介業者経由で宿泊料を受け取っていました。毎年、給与所得のほかに少額または赤字の不動産所得を申告していたものの、その不動産所得は民泊収入の一部に過ぎませんでした。顧問税理士には民泊による年間収入金額より過少になる賃貸契約書を渡し、民泊収入の存在を把握させないようにしていたそうです。申告漏れ所得金額は5年で2600万円。加算税込みの追徴税額700万円(重加算税あり)。

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2019年1月18日 金曜日

平成31年税制改正大綱 個人所得課税(一般)編

◆31年税制改正「消費税対策」が重点に
 平成31年の税制改正大綱では、10月に実施予定の消費税率10%引上げに伴う、駆込み需要・反動減対策(車両・住宅)に重点が置かれ、単年度ベースで1,670憶円規模の減税措置がされると公表されました。
 個人所得課税(金融・証券税制以外のもの)については、次の項目が改正されます。

◆住宅ローン控除の拡充(国税・減税)
 過去の消費増税時に住宅の駆込み需要とその後の販売減を経験していることから、住宅ローン控除が拡充されました。31年10月から32年末に入居する住宅(消費税10%適用)については、控除期間が現行の10年から13年に延長されます。11年目からは計算方法が変わることに注意しましょう。
 1~10年目:住宅ローン年末残高×1%(最大40万円)
 11~13年目:次のいずれか少ない金額
 ①住宅ローン年末残高×1%
 ②取得価額(最大4000万円)×2%÷3

◆空き家の譲渡の特別控除(国税・減税)
 適用期限が4年延長され、老人ホーム等に入所したことにより空き家になって場合においても、一定の要件を満たすものについては、適用の対象となりました。また、所有者不明土地を収用した場合の5,000万円特別控除制度が創設されました。

◆ひとり親(未婚)の非課税(住民税・減税)
 自公で議論となっていたのが、婚姻歴のないシングルマザー等の「寡婦(夫)控除」の取扱い。結論は翌年に持ち越しとなりましたが、次の要件を満たす「ひとり親」の住民税が非課税とされました(未婚男性の「ひとり親」にも適用されます)。
・児童扶養手当の支給を受けていること
・前年の合計所得金額が135万円以下
 なお、所得税の負担が残るため、給付金17,500円(非課税)が年収365万円までの10万人弱を対象に支給される見通しです。

◆その他の改正(ふるさと納税の適正化など)
 その他には、①ふるさと納税の高額返戻品禁止(返戻割合3割以下の地場産品に限定)、②仮装通貨の取得価額の計算方法の明確化(移動平均法又は総平均法)、③申告書の源泉徴収票、特定口座年間取引報告書等の添付不要化・記載事項の見直し、④森林環境税(仮)の創設、⑤公的年金等の源泉徴収見直し等が措置されています。

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