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2019年6月28日 金曜日

消費税改正に向けた住宅ローン控除周辺の改正

◆住宅ローン控除は平準化を目指し改正
 消費税率の引上げに際し、需要変動の平準化の観点から、住宅ローン控除についての改正が行われます。
 2019年10月から20年12月までに入居する住宅で、消費税が10%となる住宅については、控除期間が現行の10年から13年に延長されます。
・1~10年目:住宅ローン年末残高×1%(※最大40万円)
・11~13年目:次のいずれか少ない金額
 ①住宅ローン年末残高×1%
 ②取得価額(※最大4000万円)×2%÷3
※長期優良住宅等の場合:50万円・5000万円

◆「すまい給付金」も拡大
 住宅ローン控除は、支払っている所得税等から控除する仕組みであるため、収入が低いほどその効果が小さくなります。負担軽減効果が十分に及ばない収入層に対して、住宅ローン減税と併せて消費税率引上げによる負担軽減を図るのがすまい給付金です。
 このすまい給付金についても、消費税増税に併せて、給付額の上限引き上げと適用となる収入帯の増加が予定されています。
 配偶者控除ありのモデルケースの場合、消費税8%の場合は給与収入で425万円以下の場合、30万円の給付が受けられましたが、10%の場合は給与収入が450万円以下の場合は50万円の給付が受けられます。また、10万円の給付を受ける場合で見ると8%時は510万円以下だったのが10%では775万円以下となります。なお、給付を受けられるかどうかは都道府県民税の所得割額で判定されるので、ふるさと納税等で税額を減らしていると、さらに有利な条件で給付が受けられる可能性があります。

◆さらにポイント制度も新設
 国土交通省は、「良質な住宅ストックの形成」をめざし、消費税率10%で一定の性能を有する住宅の新築やリフォームに対して、商品等と交換できるポイントを発行する「次世代住宅ポイント制度」も開始予定です。 この制度は「環境」「安全安心」「健康・高齢者」「子育て・働き方」に資する住宅の新築やリフォームが対象となり、上記に資する商品を貰える予定となっていますが、今のところどんな商品が貰えるかは、まだ公表されていないようです。

投稿者 菅原会計事務所 | 記事URL

2019年6月7日 金曜日

医療費控除にマイナンカード

記事提供:エヌピー通信社

 自分や家族の医療費が一定額を超えた時に税負担を軽くする医療費控除について、政府はすべての申請手続きを自動化することにしました。マイナンバーカードを活用した新しいシステムで、1年間支払った医療費を自動で計算し、税務署に通知するそうです。社会の生産性を向上させ、経済成長につなげる狙い。2021年分の確定申告から新しい仕組みが始まる見通しです。

 日本の医療費控除は、1年間の家族の医療費から保険で補てんされた額を引いた分が10万円を超える納税者に適用されます。申告者は年間約750万人に上りますが、領収書を残して計算しても基準に達しないことがあったり、医療機関の名前や支払った医療費、保険による補てん額などを自ら記入する必要があったりするため、インターネット経由で申告が可能になった今でも利用できていないケースが多いとされます。

 政府は17年の税制改正で、個人が健康保険組合から1年分の医療費を記した「医療費通知」をネット上で取得し税務署に提出できるようにしました。しかし加入する健保組合のシステム対応が必要なため、新しい仕組みは広まっていないのが実情です。政府は21年3月からマイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにする方針ですが、同時に医療費の控除についても、政府と国税庁、保険診療のデータを管理する社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険中央会のシステムをつなぎ、申告に必要な作業をすべて自動化します。

 マイナンバーカードの交付実績は19年4月時点で1666万枚と、人口の1割強にとどまっています。政府高官は「社会がマイナンバー制度そのものを過剰に怖がっているきらいがある。さらなる理解と普及に努めたい」と意気込みます。マイナンバーカードを活用した医療費控除の仕組みも、普及に向けた一手と言えそうです。

投稿者 菅原会計事務所 | 記事URL

2019年5月24日 金曜日

空き家控除の適用をめぐる配慮と準備

◆空き家控除の規定場所と有利な適用の仕方
 空き家控除は、居住用財産の譲渡の3000万円控除の規定の条文の中に、みなし居住用財産譲渡として挿入的に規定されたので、同じように、譲渡者一人当り3000万円控除であり、何人かの共有で相続の場合には、3000万円に共有者の数を乗じた額が控除額の限度額となります。遺産分割に際しては、共有という選択肢が有利になるわけです。

◆居住用特例との相違点
 なお、居住用3000万円控除と異なり、被相続人居住用家屋とその敷地等の両方を相続等取得した者だけが適用対象で、被相続人居住用家屋のみ又はその敷地等のみを取得した者は適用対象外となるとの解釈が通達で示されています。
 また、居住用買換特例に譲渡価格1億円以下という価格制限のあるように、空き家特例にも1億円以下の限定要件があります。
 ただし、居住用では、共有資産の譲渡の場合は各共有者ごとの譲渡対価により判定するのに対し、空き家では、共有者全員の合計譲渡額で判定されると通達で解釈が示されています。

◆空き家控除と居住用控除とのバッティング
 また、居住用3000万円控除と空き家控除が同一年の譲渡としてバッティングしてしまった場合には、合わせて3000万円しか控除できません。両適用間での前年・前々年適用の場合の排除規定は除外されていますので、譲渡年をズラす調整は注意すれば容易かと思われます。

◆空き家控除特例の制限事項
 空き家特例は、年を跨いで何回かの譲渡の都度に適用することは認められず、一度きりの適用です。それで、部分的な譲渡をせざるを得ない時は空き家特例は適用せず、中心的な譲渡の年に於いて空き家特例を適用するとの選択は可能です。
 しかし、譲渡価額1億円以下の限定要件の判定には、前々年及び翌々年における空き家特例を使わない部分譲渡(除く収用等)をしていた時の部分譲渡額も含めて判定することになっています。

◆空き家をめぐる北風と太陽
 空き家特例は、平成27年度税制改正で、固定資産税・都市計画税の重課措置が実施され、次いで平成28年の税制改正で未然防止策として3000万円特別控除が創設され、今年の改正で、相続開始時老人ホーム入居ですでに空き家になっていた場合もOKになりました。

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2019年5月17日 金曜日

税理士会「配偶者居住権が租税回避に使われる」

記事提供:エヌピー通信社

 東京税理士会(西村新会長)はこのほど開催した理事会で2020年度税制改正に向けた意見書を取りまとめました。19年度改正に盛り込まれた相続の配偶者居住権について「租税回避に使われる可能性がある」と指摘するほか、今年10月にスタートする複数税率制度と、それに伴い導入される適格請求書(インボイス)制度に改めて反対の立場を表明しています。

 今年度からの新規要望としては、19年度改正で盛り込まれた相続の「配偶者居住権」について制度の整備を求めました。配偶者居住権は、遺産分割の際に配偶者が家に住み続ける権利だけを家の所有権から切り離すもので、居住権を持つ配偶者が亡くなった時に、家の所有権の方を持つ子などに何らかの経済的利益が発生するかなどはまだ定まっていない部分があります。この点について東京会は、「現行の相続税法の枠組みでは、配偶者居住権が配偶者の死亡により消滅した場合、敷地等所有者に対する相続税課税は発生しないと考えられる」との見解を示した上で、「租税回避を目的とした居住権の設定が行われる可能性がある」と指摘。居住権をみなし相続の対象として財産評価すべきとしました。

 また重要な改正要望項目として、今年10月に導入予定の「軽減税率」に反対。その理由として、減収分の税源を確保することが困難であること、適用対象の判断が複雑であること、事業者の事務負担が増大することに加え、「低所得者対策が目的であるにもかかわらず効果が限定的で、高所得者層により負担軽減が及ぶ」と制度導入の趣旨にも言及しました。

 複数税率を正確に経理処理する目的で導入されるインボイス制度についても反対を表明しています。同方式ではインボイスを発行できない免税事業者との取引では税額控除が受けられないため、免税事業者が取引から排除される恐れが指摘されています。東京会はこの点に加え、税額控除の可否判断における事務負担の増大も反対する理由に挙げた上で、「仮に軽減税率が導入された場合においても、現行の請求書等保存方式によって十分対応できる」と指摘しました。

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2019年5月10日 金曜日

自動車税の留意点!

 自動車税は、自動車の所有者に対して課税される財産税の一種であり、毎年4月1日現在に三輪以上の小型自動車、普通自動車(特殊自動車を除く)の所有者として自動車検査証(車検証)に記載されている人が納税義務者となります。
 5月ごろに都道府県から送られてくる納税通知書にしたがって、5月末日まで(青森県と秋田県は条例により6月中)に納める税務手続きとなります。

 年度の途中で新規登録(新車・中古車は問わない)があった場合は、登録の月の翌月から年度末までの月割課税、廃車の場合は、4月から消滅(登録抹消)の月までの月割課税となります。
 所有者変更の場合、4月1日現在の所有者に全額課税されます(月割課税されない)ので、友人・知人間などの売買の場合には、売買時点で自動車税の負担額についてきちんと取決めするなどして、後日トラブルにならないようご注意ください。

 また、引越しをした場合は通常、引越し前の市区町村に転出届を引越し後の市区町村に転入届を提出しますが、自動車税も同様に、自動車の所有者にきちんと納税通知書が届くようにするために、住民票の手続きとは別に、自動車検査証の住所変更登録が必要となります。
 自動車検査証の住所変更登録は、住所変更の届出など住民票の手続きと連動しませんのでご注意ください。
 自動車税の住所変更登録を忘れますと、納税通知書が届かないこととなる一方、自動車税の納付期限の5月末日までなら利用できたコンビニ等での自動車税の納付ができなくなります。

 また、納期限までに納めなかったことで、納付期限の翌日から1ヵ月を経過するまでは特例基準割合に1%を加算した割合(例:1.7%+1%=2.7%)、その後は特例基準割合に7.3%を加算した割合(例:1.7%+7.3%=9%)の延滞税が課されます。
 未納の状態を放置しますと、車検も受けることができません。

 自動車納税通知書の一部は自動車税の納税証明書となっており、自動車税を納めたときに、収受印を押印の上、半券として返される書類が自動車税納税証明書です。
 通常、車検を受ける場合には、これまでの車検証、自動車損害賠償責任保険証明書、自動車税納税証明書の3点が必要です。
 車検が受けられない事態にならないよう、自動車税の住所変更登録を忘れずに行ってください。

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