菅原会計事務所 オフィシャルブログ
2017年12月22日 金曜日
国税庁:文書回答手続きを6年ぶりに見直し!
国税庁は、事前照会・同業者団体等からの照会に対する文書回答の事務処理手続等の一部改正(事務運営指針)を明らかにしました。
文書回答は、納税者からの個別の取引等に係る税務上の取扱いについての照会に対して、文書で回答するもので、同様の取引等を行う他の納税者の予測可能性を高めるために、同庁ホームページに公表しております。
今回、文書回答手続きを6年ぶりに見直しており、すでに2017年7月から適用されております。
具体的には、
①照会対象のうち「将来行う予定の取引等」の範囲の明確化
②照会文書への記名・押印が、代表者だけでなく担当役員でも可能
③照会者が同業者団体等の場合について、取引等の当事者以外に照会できるものの範囲を拡大
④公表される照会内容の記載について、事前に国税当局と相談して照会者自らが照会内容を確認できることを明確化の4点です。
上記①は、文書回答の対象には、実際に行われた取引だけでなく、「将来行う予定の取引等」も含み、例えば、「認可申請予定の金融商品など近い将来販売を予定しているものに係る取引」など、個別具体的な資料の提出が可能なものが対象となります。
これまでも文書回答の対象でしたが、利用者が対象外と誤解していたケースもあったことから、対象範囲を明確化したものです。
前記③は、同業者団体等が照会を行う場合、これまで照会者は国・地方公共団体や業界最上部団体に限られていましたが、照会者の範囲を拡大し、照会の対象となる取引等の当事者ではなくても、その取引等と密接な関連を有する業務を行う者も照会可能になります。
例えば、地方の商品取引所が自ら開設する商品市場における取引等に係る照会を行う場合のその商品取引所がこれに該当すると例示しております。
前記④は、照会文書の内容が公表されることへの懸念や抵抗感を和らげるため、事前に国税当局と相談できるようにするものです。
なお、2016年4月から2017年3月までの1年間に寄せられた事前照会の件数は132件で、うち17件に文書回答を行い、その17件すべてが国税庁のホームページに掲載されております。
残りの115件については、照会内容が法令等で明らかであることなどを理由に、文書回答は行われなかったとしております。
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|2017年12月11日 月曜日
森林環境税、個人住民税に上乗せ案
記事提供:エヌピー通信社
市町村の森林整備を支援する財源となる新たな国税「森林環境税(仮称)」の制度設計について検討を進めてきた総務省の有識者検討会が、報告書を取りまとめました。地方税である個人住民税に定額を上乗せする形で国が課税徴収し、森林保全が必要な市町村や都道府県に「森林環境譲与税(仮称)」の形で再配分する仕組みで、市町村が山林所有者に代わって間伐を行ったり、林業の担い手を育成したりする事業に活用します。
森林は土砂崩れを抑え、温室効果ガスの吸収などの役割を果たしていますが、近年は地方山間部を中心に、高齢化や人手不足で手入れが行き届かず荒廃も問題となっていました。政府内でも数年前から安定財源が要望されてきており、今年4月に設置された検討会が具体的な制度設計の検討を進めていたところです。
ただ、森林や水源保全を目的とした同様の税制は、高知県など37府県と横浜市が実施済みで、国が新税を導入すれば「二重課税」になるとの指摘もあります。報告書はこの点について、「(政府が構築を進める)新たな森林管理システムの下で市町村が整備に携わるための財源に充てられるため、府県の超過課税に取って代わるものではない」とすみ分ける方針を示しました。
他方、報告書では具体的な税額や導入時期は示されず、与党の議論で詳細を詰めることになります。ただ、政府内では個人住民税の納税者(約6200万人)から1人あたり年500円~1千円を徴収する案が検討されており、仮に1千円徴収ならば、年620億円の税収となります。導入時期も2019年度から実施する案と、住民税に上乗せ措置がされている東日本大震災の復興などの財源確保措置が終わった後の24年度からとする案が出ている状況です。
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