民法相続編
2015年4月10日 金曜日
民法相続編その5・・・相続人④
民法相続編その5は、相続人④で特別養子制度を説明します。
「特別養子制度」
(1)特別養子縁組
子供にとって真実を知ることが常に幸福とは限りません。子供の利益にとって必要な場合には、一定の要件のもと実親やその親族との関係を一切残さない養子縁組制度ができます。これが特別養子制度です。養親の請求による家庭裁判所の審判が必要です。
下記の条件が定められています。
イ 原則として夫婦共同縁組であること
ロ 養親となる者が成人であり、その一方は25歳以上であること
ハ 養子となる者が6歳未満であること
ニ 原則として父母の同意があること
ホ 6か月以上の期間を養親に養育させたうえで、家庭裁判所が子供の利益のために必要であると認めること
(2)縁組の効果
普通養子縁組に認められる効果は、特別養子にも認められます。したがって、縁組の日から特別養子は養親の嫡出子としての身分を得ます。同時に養親の血族との間に法定血族関係が生まれ、養親の氏を称することになります。特別養子の特有の効果としては、養子と実の父母やその血族との関係が一切終了することがあげられます。また、戸籍実務の上でも実親がわからないよう特別な取り扱いがなされています。
(3)原則として離縁できない
特別養子の場合原則として離縁できません。養親による虐待等の特別な事由がある場合に裁判所の審判によってのみ認められます。
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|2015年4月7日 火曜日
民法相続編その4・・・相続人③
民法相続編その4 相続人③で養子制度を説明します。
「養子制度」
(1)養子縁組
血縁関係のない者同士の間に、人為的に法律上の親子関係を発生させる制度が養子制度です。普通養子が成立するには、養親子関係を発生させる合意が必要でこれを縁組といいます。この縁組と届け出が普通養子の基本的成立要件です。
そのほかの条件として、下記に掲げるとおりです。
イ 当事者の縁組意思が合致すること
ロ 養親となる者が成年に達していること
ハ 養子となる者が養親となる者の存続または年長者でないこと
ニ 後見人が被後見人を養子にする場合には家庭裁判所の許可があること
ホ 養子となる者が未成年者である場合には家庭裁判所の許可があること
ト 配偶者がある者が未成年者を養子とする場合には配偶者と共同して縁組すること
チ 15歳未満の者を養子にする場合には法定代理人が代わって承諾すること
何やら大変そうですが、いずれも常識的なことで実際の届け出も簡単です。養子縁組制度を利用して20人以上も養子縁組をして相続税の節税を図った事案がありました。現在では、相続税の計算の上で養子の人数は、実施がいれば一人・いなければ二人までに制限されています。
(2)養子縁組の効果
養子縁組が成立すると、養子は養親の嫡出子としての身分を取得します。同時に養親の血族との間に法定血族関係を生じ、養親の氏を称することになります。
普通養子の場合は、養子とその実の親、親族との関係はそのまま維持されます。
(3)養子縁組の解消
養子縁組は、離縁によって解消することができます。また、養子縁組は婚姻の場合と異なり、当事者の一方が死亡しても縁組は解消しません。この場合は家庭裁判所の許可を得て離縁します。
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|2015年4月3日 金曜日
「民法 相続編」その3・・・相続人②
民法相続編その3は、相続人の2回目です。
「相続人②」
*胎児(民886条)
胎児は、相続については既に生まれたものとみなします。法律上は、胎児がお爺ちゃんの財産を代襲相続することもあり得ます。
*相続欠格者(民891条)
相続欠格者とは、
①故意に被相続人や先順位の相続人を死亡させ、または死亡させようとして刑に処せられた者、
②詐欺または脅迫によって被相続人の遺言に影響を与えた者、
③被相続人に遺言書を偽造、変造、隠匿等した者、
④被相続人が殺害されたことを知っていながら告訴や告発をしなかった者を言います。
遺言書を隠すと相続権を失います。遺言執行を妨げるため自筆証書遺言を保管者から交付を受け返還も検認手続きの申し立てもしなかった場合に、遺言書の隠匿に当たるとされた事例があります。
*廃除者(民892条)
廃除者とは、以下の理由で被相続人が家庭裁判所に廃除請求をして相続権を失った者を言います。
①被相続人に対し虐待をし、もしくは重大な侮辱を与えた者
②その他著しい非行があった者です。
いわゆる放蕩息子を相続人から廃除することができますが、実務的には余程の非行が行われた場合でないと難しいようです。
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