民法相続編
2015年7月3日 金曜日
民法相続編その20・・・遺言③
民法相続編その20は、遺言の③で遺言の方式について取り上げます。
1、 遺言の方式
遺言の方式には、普通方式と特別方式の2種類があります。
特別方式の遺言とは、臨終、船舶の遭難、伝染隔離など危急の状況時に作成されるものです。つまり、普通方式の遺言が不可能なときのものですから普通方式によって遺言することができるようになった時から6か月生存するときは特別方式によった遺言は効力を失
います。
普通方式の遺言の場合も、民法の定める方式に従って作成しなければ無効となります。たとえば、「夫婦だから1通の遺言書で」などは共同遺言となり無効となります。この普通方式の遺言には、次の三つの作成方法があります。
① 自筆証書遺言
② 公正証書遺言
③ 秘密証書遺言
2、 自筆証書遺言
自筆証書遺言は、遺言者がその全文を自筆し、日付、氏名も自筆であることが要求されます。そしてこれに印鑑を押さなければなりません。したがって、遺言者の口述した内容を他人が筆記したり、ワープロや録音テープで作成したりした場合は自筆証書遺言とは認められません。
また日付は暦日を記載するのが通常ですが、「第何回目の誕生日」のように作成日が特定できるのであれば有効となります。印鑑は認印で構いませんし母音でも認められます。
公正証書以外の遺言は、相続の開始後に家庭裁判所に提出して検認を受ける必要があります。
自筆証書遺言は、費用も手間もかからず簡単にできます。しかし紛失や隠匿の恐れがあり、方式を間違えたりして無効になる恐れがあります。したがって自筆証書遺言は、争いが起きない場合に限ります。そうでなければ、あくまで公正証書遺言を作るまでの暫定的なものと考えるべきです。
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