民法相続編
2015年6月5日 金曜日
民法相続編その16・・・相続人不存在の場合①
民法相続編その16は、相続人不存在の場合の①です。
「相続人不存在の場合」
(1) 相続財産の管理(民951条)
相続が発生し、その相続人がいるかどうかわからないときには、民法では相続財産を法人にしています。この法人は利害関係人または検察官が請求し、家庭裁判所により相続財産管理人が選任され公告されます。この場合の利害関係人とは、被相続人の債権者や特定受遺者、徴税のための国などを言います。
相続財産管理人は相続財産の目録を調整したり、相続財産の維持、保存に必要な行為を行います。また相続財産管理人は、被相続人の債権者や特定受遺者の請求があったときは、相続財産の状況を報告する義務があります。それらの費用は相続財産の中から支出されます。
包括受遺者がいない場合、相続財産管理人が準確定申告を行うことになるようです。しかし、債務の弁済のために相続財産を売却した場合譲渡所得の申告義務があるのかどうか疑問が残ります。いずれ国庫に帰属するのだから納税義務はないとも考えられます。
(2) 相続人の捜索手順と期間(民957条,958条)
相続財産管理人は、選任されてからの2か月間は財産の保持に努め相続人の出現を待ちます。そしてこの期間内に相続人が現れない場合、管理人は被相続人の債権者や特定受遺者に対して2か月を下らない期間を定めて「債権を申し出るように」との公告をします。この期間が満了したら清算が開始され弁済がなされます。
そしてこの期間が経過してもなお相続人が現れなければ、家庭裁判所は「相続人は名乗りでなさい」との公告をします。この公告は、管理人か検察官の請求によって行い、期間は6か月をくだらない期間となっています。
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