民法相続編
2015年5月15日 金曜日
民法相続編その13・・・遺産分割②
民法相続編その13は、遺産分割の2回目です。
(3)遺産分割には債務も含まれる
相続財産に債務が含まれている場合は注意が必要です。もし法定相続分と異なる分割協議が成立しても、債務については法定相続分の割合に従って相続されたものとして認定されるからです。したがって債権者からも請求されることになります。これを防ぐためには債務も分割協議の対象とするとともにあらかじめ債権者の承諾を得る必要があります。
(4)特殊な遺産分割の方法
相続財産が不動産のように分割が容易でない場合、代償分割・換価分割という遺産分割の方法があります。代償分割は、特定の相続人が不動産を取得する代わりに代償として他の相続人に金銭を支払って調整する方法です。代償金の金額をいくらとするのか、相続人に支払い能力があるのかが問題となります。換価分割は、相続した不動産を売却し売却代金を分割する方法です。遺産を手放さなければならないことと、不動産の売却による譲渡所得が発生するという問題が生じます。
その他に、相続分の譲渡という遺産分割と同様の効果を得られる方法があります。相続人同士の譲渡と相続人以外の第三者への譲渡がありますが、第三者へ譲渡した場合その者が相続人と同様の権利を得ますので現実的ではありません。有償でも無償でも構わないので遺産分割でもめている場合に活用できます。
(5)遺産分割不成立の場合
遺産分割協議が成立するためには、相続人全員の合意が必要です。共同相続人のうち1人でも反対者がいるときは、家庭裁判所の調停制度を利用することが考えられます。この調停では、裁判所の調停委員が当事者のそれぞれの言い分を聞いて、共同相続人の全員が納得できる方法を探ることになります。
調停が成立すると、調停調書が作成されます。この調書に記載された内容は確定した審判と同じ効力を持ちます。この調書によって不動産の相続登記などを行うこともできます。
調停を行っても合意できない場合には、次は審判の手続きをとることになります。審判は話し合いではなく、裁判官が決定を下すことになります。
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