民法相続編
2015年4月28日 火曜日
民法相続編 その10・・・相続分③
民法相続編 その10は、相続分の3回目です。
*二重資格の相続人
養子縁組などで、相続人として二重の資格を有する場合があります。たとえば、孫を養子にした後でその親が死亡したため、養子としての身分と死亡した子の代襲相続人として身分と二重の資格が生じます。このような場合、民法上は二重の相続分を有するとして取り扱われます。なお、税務では基礎控除を計算する場合など法定相続人の人数の計算上は、あくまで一人として取り扱います。
4、特別受益と寄与分
法定相続分通りに相続した場合に不公平となる場合があります。たとえば、相続人の一人が相続開始前に被相続人から財産を譲り受けていることがあります。これとは逆に相続人の一人が、被相続人の財産の増加や維持を助けたような場合もあるでしょう。このようなケースに対応するため、民法では特別受益制度と寄与分制度を設けています。
4、 特別受益制度による持ち戻し(民903条)
① 特別受益者
生前の被相続人から婚姻や養子縁組、生計維持のために贈与を受けたり、遺贈を受けたりした相続人もいます。このような相続人がいる場合には、法定相続分に従って相続分を決定すると不公平になります。たとえば、長男だけが事業を始めるために資金援助を受けていたというような場合は、法定相続分に従って配分すると不公平になります。これら特別に利益を受けた者を特別受益者といいます。
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