税制改正
2014年8月15日 金曜日
相続税・贈与税で平成26年より適用される事項 その2
2、 医業継続に係る相続税または贈与税の納税猶予等の新設
(1)概要
持分の定めのある医療法人については、その持分に相続税が課されたり持分の払い戻し請求を受ける可能性があったりすることなどから医業の承継に問題を生じる恐れが指摘されていました。そこで平成19年医療法人法改正により、医業継続の観点から持分のある医療法人は設立できないこととなりました。また経過措置により継続している医療法人については、持分のない医療法人へ円滑に移行を進める観点から、相続税または贈与税の納税猶予等の制度が創設されました。
(2)相続税の納税猶予
相続または遺贈により相続人が持分のある医療法人の持分を取得した場合において、その医療法人が申告期限において認定医療法人*である時は、担保の提供を条件としてその持分に係る相続税について認定移行期間の終了時まで納税が猶予されます。
*認定医療法人とは、平成26年改正医療法の施行日から3年以内に厚生労働大臣の認定を受けた医療法人をいいます。
(3)猶予税額・利子税の納付
移行期間内に持分のない医療法人に移行しなかった場合または認定の取り消し、持分の払戻し等の事由が生じた場合には、猶予税額を納付します。
この場合相続税の申告期限から機関に係る利子税を合わせて納付しなければなりません。
(4)猶予税額の免除
納税が猶予された相続人が、認定移行期間の終了時までに持分のすべてを放棄した場合には、その猶予税額は免除されます。
(5)税額の控除
相続人が、相続または遺贈により認定医療法人の持ち分を取得した場合において、その相続人が相続開始の日から申告期限までにその持分の全部または一部を放棄した時は、前記(2)納税猶予の規定の適用ではなく、その放棄された部分に相当する相続税額を税額から控除します。
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