3 農地
2017年8月7日 月曜日
相続税財産評価Q&A58 農地②
相続税財産評価 農地②
Q73
登記上の地目が畑となっている土地を、現況は資材置き場として利用しています。農地法の転用届は出していません。将来農業委員会から農地に戻すよう命令が来れば戻さなければなりませんが、農業委員会は命令するのかしないのかよくわからない状態です。このような場合、農地として評価されるのでしょうか?
A73
土地の地目は、必ずしも登記簿上の表示と実際の利用状況が一致しているとは限らないため、登記簿上の地目にかかわらず課税時期の現況により判定することになります。また、土地の地目の判定は、不動産登記事務取扱手続準則に準じて行うことになります。
準則では、畑とは、農耕地で用水を利用しないで耕作する土地をいいます。また、農地法によれば、農地とは耕作の目的に供される土地をいい、耕作とは土地に労資を加え肥培管理を行い作物を栽培することをいいます。
質問の場合、登記簿上の地目は農地ですが、現況は資材置き場として利用しており、現に耕作されている土地ではなく、農地として簡単に復旧できる休耕地のような状態にありません。農地法上の手続きの瑕疵は、現況の判定に特に影響を及ぼすものではなく、土地の実際の利用状況に応じて雑種地として評価されます。
Q74
団地の住民に宅地の一部を無償で数坪の家庭菜園用地として提供しています。これは農地に該当するでしょうか?
A74
客観的に見て正常な状態なら耕作されているはずであり、耕作しようとすればいつでも耕作できるような土地は、全体として農地と判定されます。しかし、仮に現在耕作をしている土地であっても、その土地が客観的に見て正常な状態ならば耕作されえないような土地(運動場、工場敷地、宅地の一部)を一時的に耕作していると認められる場合は、農地には該当しません。
質問の場合、本来農地として耕作されえない宅地の一部を家庭菜園用地として利用している状況であり、提供した土地は前述の農地の判定によれば農地とはいえるものではなく、宅地と判定されます。
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|2017年7月24日 月曜日
相続税財産評価Q&A57 農地①
相続税財産評価 農地①
Q72
相続税の財産評価上、農地はどのように取り扱われるのでしょうか?
A72
相続税の財産評価通達では、田及び畑を農地といい、1枚の農地(耕作の単位となっている1区画の農地をいう。)を評価単位とします。地目の判定基準となる不動産登記事務取扱手続準則では、「農地」という地目はなく、「田」「畑」として次のように定義しています。
田・・・農耕地で用水を利用して耕作する土地
畑・・・農耕地で用水を利用しないで耕作する土地
この場合に、土地の現況及び利用目的に重点を置き、部分的にわずかな差異の存するときでも、土地全体としての状況を観察して定めるものとされています。
農地は、財産評価上宅地への転用の容易さから次の四つに分類され評価方法が定められています。
1、 純農地
純農地とは、市街地農地に該当するものを除き次に掲げる農地をいいます。
(1) 農用地区域(農業振興地域の整備に関する法律に定める)内にある農地
(2) 市街化調整区域内にある農地のうち第1種農地又は甲種農地に該当するもの
(3) (1)及び(2)以外の農地のうち第1種農地に該当するもの。ただし、第2種または第3種農地に準ずる農地と認められるものを除く
2、 中間農地
中間農地とは、市街地農地に該当するものを除き次に掲げる農地をいいます。
(1) 第2種農地に該当するもの
(2) 上記(1)に該当する農地以外の農地のうち、近傍農地の売買実例価額、精通者意見価格等に照らし、第2種農地に準ずる農地と認められるもの
3、 市街地周辺農地
市街地周辺農地とは、市街地農地に該当するものを除き次に掲げる農地をいいます。
(1) 第3種農地に該当するもの
(2) 上記(1)に該当する農地以外の農地のうち、近傍農地の売買実例価額、精通者意見価格等に照らし、第3種農地に準ずる農地と認められるもの
4、 市街地農地
市街地農地とは、次に掲げる農地をいいます。
(1) 農地法に規定する転用許可を受けた農地
(2) 市街化区域内にある農地
(3) 転用許可を要しない農地として都道府県知事の指定を受けたもの
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