3 農地
2017年9月11日 月曜日
相続税財産評価Q&A62 農地⑥
相続税財産評価 農地⑥
Q78
市街地農地を所有しています。宅地比準方式により評価すると面積も広いためかなり高額な評価となりますが、広大地の評価の適用はないのでしょうか?また、生産緑地の場合、生産緑地としての控除割合の適用と広大地の評価と重複して適用することはできますか?
A78
市街地農地は、その農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価格をベースに宅地造成費を控除して算出します。面積も広いため評価額の総額は大きくなりがちです。そして、面積が広ければ広大地の評価が適用される可能性が高いのです。市街地農地及び市街地周辺農地の評価にあたっては、常に広大地評価の適用を検討するべきです。
財産評価通達40-2では下記のとおりです。
「市街地周辺農地及び市街地農地が宅地であるとした場合において、広大地に該当するときは、宅地比準方式の評価方法にかかわらず広大地の評価の定めに準じて評価する。
*市街地周辺農地の場合には、広大地の評価の定めに準じて評価した価額の100分の80に相当する金額によって評価する。
ただし、広大地の評価の定めに準じて評価した価額が、宅地比準方式によって評価した価額を上回る場合には、宅地比準方式の定めによって評価することに留意する。」
生産緑地には、行為制限があるため宅地開発が認められておらず、開発を前提とする広大地の適用は認められないのではという疑義があります。しかし、生産緑地は、市街地農地と同様に宅地比準方式による評価額を基礎としているため、宅地としての価格調整を行う必要があります。したがって、広大地に該当するのであれば、広大地の評価と生産緑地の評価減との重複適用が可能です。
生産緑地の評価減は、被相続人が主たる農業従事者であった場合、行為制限が解除され控除割合は5%にすぎません。常に広大地評価の適用の可能性を検討すべきですし、広大地の評価を適用した後に生産緑地の評価減は適用漏れが多いので注意が必要です。
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