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民法親族編

2016年9月9日 金曜日

民法親族編その10…協議離婚②

民法親族編その10…協議離婚②

4、離婚の取り消し
 詐欺や脅迫によってなされた離婚は取り消すことができます。ただし、詐欺や強迫による離婚を取り消すことができるのは、当事者がだまされたことが分かったときから3ヵ月以内とされています。
 離婚取り消しは、婚姻取り消しと異なり、その効果は届け出の時点に遡及します。

5、離婚の効果
 離婚によって、当事者は再婚が可能となりますし、離婚成立と同時に婚姻関係も消滅します。同じく、夫婦財産関係も消滅します。しかし、日常家事などで婚姻中に発生した債務に関する連帯責任は消滅しません。また協議離婚した者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求できます。この規定は裁判離婚にも準用されています。財産分与について当事者の意見が整わないときは、家庭裁判所が審判します。

*離婚に伴う慰謝料・および財産分与に関して税金はどうなるでしょうか?まず慰謝料についてですが、社会通念上相当と認められる金額であれば所得税・贈与税が課されることはありません。財産分与も同様に相当な金額の範囲内であれば所得税・贈与税が課されることはありません。

 ただし、財産分与で土地または家屋を対象とした場合は、分与した側に譲渡所得に該当するものとして所得税および住民税が課税される可能性があります。たとえば財産分与として自宅の土地建物を配偶者に引き渡した場合、次のような取り扱いとなります。
(1) その土地建物の時価を売却価格とみなします。
(2) 取得時の購入価格から建物の償却費相当額(非業務用の場合1.5倍)を差し引いた金額を(取得費という。)算出します。
(3) (1)-(2)=譲渡所得の金額(自宅の場合3,000万円までは居住用財産の譲渡所得の特別控除を差し引くことができます。
(4) 譲渡所得×税率=所得税及び住民税
税率・・・長期譲渡所得(購入後5年超)20%(居住用の軽減税率あり)
     短期譲渡所得(5年以下)40%の範囲内

地価が上昇傾向にある都心部では、離婚にともなう財産分与で分与した側に思わぬ譲渡所得税が課せられるケースもあるので注意が必要です。
 

投稿者 菅原会計事務所