民法親族編
2016年11月4日 金曜日
民法親族編その18…扶養②
民法親族編その18…扶養②
4、扶養を受ける権利
扶養を受ける権利とは、権利者の一身に専属しますので他人が行使することはできません。したがって、扶養を受ける権利を放棄したり他人に譲り渡したりすることはできないこととなります。
5、扶養義務の内容
実際の扶養の仕方としては、引き取って扶養する場合や、経済的な援助を与えるだけの場合などがあります。どのような方法をとるかは、当事者同士の話し合いで決めるのが基本ですが、決まらない場合には裁判所の審判に委ねることになります。
扶養の実質的な内容に関しては、扶養する者が、自分と同程度の生活を保障する場合(生活保持義務)と自分の生活を犠牲にしない程度で扶養をする場合(生活扶助義務)の2種類が考えられます。一般的には配偶者同士、父母と未成年の子供との関係では前者が要求され、それ以外の者との間では後者が要求されるといわれます。
*扶養義務と贈与税
民法上の扶養義務に基づいて金品の贈与を行った場合、受贈者に対して贈与税が課されることはないのでしょうか?
相続税法においても扶養義務者の定義があります。それによると、配偶者及び民法877条(扶養義務)に規定する親族をいうと規定しています。そして、贈与税が課税されない財産として、扶養義務者相互間において生活費・教育費その他の費用を支弁するために行われる金品の贈与で、通常必要と認められるものを掲げています。
なお、贈与税が非課税とされるのは、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税が課税されます。
また、その他に租税特別措置法で次の非課税措置を設けています。
・直系尊属からの住宅取得資金の贈与で一定のもの
・直系尊属からの教育資金の一括贈与で一定の要件を満たすもの
・直系尊属からの結婚・育児資金の贈与で一定の要件を満たすもの
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