2017年10月13日 金曜日
税務調査で税務署に「意見書」を提出①
先日の税務調査で税務調査官と見解が分かれた事由があり、それについてこちらの意見を文書にした「意見書」を提出しました。税務調査官も、上司の同席のもとこちらの見解を聞いたうえで、正式に文書として収受し署内で検討することを約束しました。
税務調査でもめた場合に、納税者(代理人)の見解を文書で提出するという方法は、あまり一般的ではないようです。普通の税理士は、そのような方法があるということを知らないのかもしれません。聞いたことはあっても、根拠や効果を知らないということもあるでしょう。実際に各租税法のどこを探しても根拠は出てきません。しかし、ここだけの話ですが、非常に大きな効果があります(笑)。
まず、根拠ですが、憲法上の「請願権」にあります。
「憲法第16条」
何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。
また、これを受けて、「請願法」という法律があります。
•第2条 請願は、請願者の氏名(法人の場合はその名称)及び住所(住所のない場合は居所)を記載し、文書でこれをしなければならない。
•第3条 請願書は、請願の事項を所管する官公署にこれを提出しなければならない。
•第5条 この法律に適合する請願は、官公署において、これを受理し誠実に処理しなければならない。
•第6条 何人も、請願をしたためにいかなる差別待遇を受けない。
したがって、税務署は、提出した請願書(意見書)を受理し誠実に処理しなければならないのです。
なお、請願法は6条しかなく、書式に決まりはありません。他の税理士が税務署宛てにだした文書を見たことがありますが、ひどく懇願調のものややたらと高圧的なものなど千差万別です。私は、事実関係、関係法令、見解といわゆる三段論法で簡潔にまとめて意見書としています。
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|2017年10月6日 金曜日
国税庁:広大地改正通達を公表
国税庁は、10月5日ホームページに「財産評価通達の一部改正について(平成29年9月20日)」を公表しました。
これによれば、現下の社会経済の実態等を踏まえ、広大地の評価等について所要の改正を行うものとしています。
また、改正のあらましについて(情報)も公開しました。
改正の経緯が、旧広大地評価の問題点、減価の考え方、定義や補正率の考え方等詳細に解説されています。
一方、財務省はパブリックコメントの意見募集結果を掲載しました。
今回の改正は、現行の広大地評価の欠陥を改めたものであり、適用要件が明確化されました。また、適用範
囲が広がる一方減価率は縮小するものの個々の土地の個別性が反映され、非常に的を得た改正だと考えます。
課題は、市街化調整区域における宅地開発の可否判断が悩ましいままであることでしょうか?また、個人的な
意見ながら、規模格差補正と重複して適用されることとなる「不整形地の減額割合」が実際の形状に比して少
し低いのではないかと不満に思っています。パブコメに意見提出してみれば回答が公表されたかもしれないの
でちょっと後悔しています。
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|2017年10月2日 月曜日
相続税財産評価Q&A64 山林①
相続税財産評価 山林①
Q80
相続税の財産評価上、山林はどのように取り扱われるのでしょうか?
A80
相続税の財産評価通達では、樹木の生えている土地を「山林」といい、その上に生育する樹木については「立木」として別個に評価することとされています。地目の判定基準となる不動産登記事務取扱手続準則では、「山林」は次のように定義されています。
山林・・・耕作 の方法によらないで竹木の生育する土地
なお、不動産登記上別の地目とされる「保安林」は、相続税評価においては「山林」に含まれるものとされています。
地目の判定は、登記上の地目ではなく現況の地目によって判断します。登記上の地目が畑であっても、長い間耕作放棄して雑木が生い茂り現況は山林として評価される場合もあります。
1、山林の財産評価上の区分
山林は、財産評価上宅地化への難易度を考慮して次の三つに分類され評価方法が定められています。
(1) 純山林
純山林とは、林業の中心地にある山林、交通機関等から離れた不便な山奥に存する山林等で、宅地への転用可能性がない山林をいいます。
(2) 中間山林
中間山林とは、市街化された地域の周辺又は別荘地等に存する山林で、宅地転用への可能性や期待が含まれるため、純山林として評価することが不適当と認められるものをいいます。
(3) 市街地山林
市街地山林とは、市街地形態を有する地域の近郊に存する山林で、宅地化への影響を多分に受けて宅地化への期待を含むことから、山林としてではなく宅地並みの水準で取引される地域に存する山林をいいます。
実務的には、国税庁が定める評価倍率表によって山林の評価区分を確認することができます。倍率表では適用地域ごとに純山林・中間山林・宅地比準(市街地山林)かが記載されています。
2、山林の評価単位
(1)純山林及び中間山林
純山林及び中間山林の評価単位は、1筆の山林ごとに評価します。
(2)市街地山林
市街地山林の評価単位は、宅地の評価単位と同様に「利用の単位」となっている一団の山林ごとに評価します。
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