2016年7月11日 月曜日
相続税財産評価Q&Aその12
Q18 私道で路線価が付されていない道路にのみ接する宅地を評価する場合には、税務署でその道路について路線価(特定路線価)を設定してもらえるそうですが、その手続きにについて説明してください。
A18 路線価は、不特定多数の者の通行の用に供されている道路に設定しており、いわゆる行き止まりの私道については路線価が付されていません。そこで、そのような宅地を評価する必要があるときは、納税義務者からの申出等に基づいて、その宅地を所轄する税務署長が「特定路線価」を設定することができます。
この特定路線価は、設定しようとする道路に接続する路線及びその道路の付近の路線に設定されている路線価を基に、その道路の状況、地区の区別等を考慮して評定することとされています。
具体的な手続きとしては、「特定路線価設定申出書」に設定を必要とする理由、特定路線価により評価する土地、その道路の所在地、状況等の明細、物件案内図、地形図などを記載して税務署長に申し出ることになっています。道路の状況とは、道路幅、舗装の状況、道路の連続性、上下水道との社会資本の整備状況、用途地域等をいい、これらの事情を斟酌することとなります。
この特定路線価は、路線価の設定されていない道路にのみ接している宅地を評価するための路線価であることから、路線価の設定されていない道路と路線価の設定されている道路とに接している宅地の評価に当たっては、その路線価の設定されていない道路に設定された特定路線価についての「側方路線影響加算」、「二方路線影響加算」または「三方または四方路線影響加算」の適用はありません。つまりこのような場合には「特定路線価」を一切考慮しないということです。
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|2016年7月8日 金曜日
民法親族編・・・その2
3、民法上の親族の範囲
民法では、親族とは6親等内の血族と、3親等内の姻族のことを言います。そして親族でない者を他人と呼びます。なお、配偶者は血族にも姻族にも含まれず、親等もありませんが、親族には含まれます。 親族に含まれた者は、本人やほかの者の意思によって、親族関係から外れたり外したりすることはできません。したがって、どのような非行があったとしても、旧法時代に存在した「勘当」や「義絶」などは認められません。
4、親族関係の成立
血族関係は、出生および養子縁組によって発生します。婚姻中の父母の間に生まれた子は、父母の両方とも血縁関係をもちます。しかし法律上の婚姻関係にない父母の間に生まれた子(非嫡出子)は、母との間には血族関係が生じますが、父との関係では、認知がない限り血族関係は生じません。認知があれば非嫡出子として親子関係が発生します。 養子や養親の場合でも血族関係は発生しますが、養子の血族と養親の血族との間には血族関係は生じません。
*養子を実子として届け出た場合
養子縁組をした場合戸籍上は養子としての記載が残ります。特別養子縁組制度を利用すれば戸籍には実子と変わりなく記載されますが縁組には一定の要件があります。そのため他人の子を貰い受ける場合に、実子として届け出ることがあるそうです。また、未婚女性が子を産んだ場合にこういう方法をとれば、子は非嫡出子として記載されることなく母親も未婚のままです。それで親子関係が終生うまくいけばいいのですが、仲が悪くなったり相続問題が絡んだりすると破綻を招くケースもありえます。養子の場合(特別養子を除く)は離縁することができますが、実子として届け出をしていると離縁できません。
このような場合、法律的には虚偽の出生届には効果がないものとされ、前述した親子関係不存在の確認の裁判を行えば、裁判所は両者が他人であると判決を下すことになります。ただし、そのような届け出をした責任は親にあり子に慰謝料等の損害賠償を求められる可能性はあり得ます。
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|2016年7月5日 火曜日
相続税財産評価Q&Aその11
Q17 路線価方式により評価する場合、宅地の所在する一定の地区ごとに区分が定められていますがどのようなものか説明してください。
A17 路線価方式により評価する地域(以下「路線価地域」という)については、宅地の利用状況がおおむね同一とされる一定の地域ごとに、国税局長が7つの地区(*④と⑤は同じ地区区分とされています。)を定めるものとされています。これは、宅地の所在する各地域の宅地の利用状況により宅地の価格形成に影響する度合いが異なるので、価格形成要因の異なる地区ごとに区分を行う必要があるためです。
① ビル街区・・・大都市(政令指定都市規模)内の容積率の高い地区にあって、高層の大型オフィスビル、店舗等が街区を形成し、かつ、敷地規模が大きい地区とされています。
② 高度商業地区・・・大都市の都心もしくは副都心または地方中核都市の都心等における商業地域内で容積率の高い地域にあって、中高層の百貨店、専門店等が連たんする高度小売商業地区または中高層の事務所等が連たんする高度業務地区とされています。
③ 繁華街地区・・・大都市または地方中核都市において各種小売店舗が連たんする著名な商業地または飲食店舗、レジャー施設等が多い歓楽街など、人通りが多い繁華性の高い中心的な商業地区をいい、高度商業地域と異なり比較的狭い幅員の街路に中低層の平均的に小さい規模の建物が連たんしている地区とされています。
④ 普通商業地区・・・商業地域もしくは近隣商業地域内にあって、または住居地域もしくは準工業地域の幹線道路沿いにあって、中低層の店舗、事務所等が連たんする商業地区とされています。
⑤ 併用住宅地区・・・この地区は、商業地区の周辺部(主として近隣商業地域内)または、または住居地域もしくは準工業地域の幹線道路沿いにあって、住宅が混在する小規模の店舗、事務所等の低層利用の建物が多い地区とされています。
⑥ 普通住宅地区・・・主として、第一種住居専用地域、第二種住居専用地域、住居地域または準工業地域内で主として住居用建物が連続している地区とされています。
⑦ 中小工場地区・・・主として、準工業地域、工業地域または工業専用地域内にあって、敷地規模が9,000㎡程度までの工場、倉庫、流通センター、研究開発施設等が集中している地区とされています。
⑧大工場地区・・・主として、準工業地域、工業地域または工業専用地域内にあって、敷地規模が9,000㎡を超える工場、倉庫、流通センター、研究開発施設等が集中している地区または単独で30,000㎡以上の敷地規模のある画地によって形成されている地区(ただし、用途地域が定められていない地区にあっても、工業団地、流通団地等においては、一画地の平均規模が9,000㎡以上の団地は代行所地区に該当する)とされています。
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|2016年7月1日 金曜日
民法親族編その1・・・親族の範囲
民法親族編その1・・・親族の範囲
1、親族・・・親族とは、血縁関係にある者と姻族関係にある者の総称
親族とは、人間関係における最も親しい集団のことを呼び、法律的にも特別な存在として認められています。出生や養子縁組によって生じる関係を血縁関係、婚姻によって生じる関係を姻族関係と呼び、この両者のみが親族と呼ばれます。
血族関係には、血のつながりによる自然血族と、養子縁組によって生じる法定血族があります。
自然血族とは、子供と親というようないわゆる血のつながりがある者のことで、法定血族とは、養子、養親というような法律的な親子関係を持っている者のことです。姻族関係とは、婚姻した相手(配偶者)の血族関係者のことを呼びます。
*親子関係不存在の確認・・・DNA鑑定技術の発達により親子の血縁関係は100%近い確率で鑑定されるようになりました。親子関係に疑義が生じるような場合には、親子関係の不存在の調停を家庭裁判所に申し立てることができます。
2、親等・・・血縁の遠近を表すのが親等
血族を体系化してみると、祖父母、父母、子、孫のように血統が直下する繋がりは直系と呼ばれます。これに対して、共同の始祖から枝分かれしている繋がりは傍系と言います。それぞれは、直系血族、傍系血族と呼ばれます。これと同様の関係は姻族にもあり、直径姻族、傍系姻族と呼ばれます。
自分からみて前の世代に属する者を尊属といい、後の世代に属する者を卑属と呼びます。
親等とは、親族関係の遠近を示す単位です。親等は、自分や配偶者をゼロ親等とし、1世代を1単位として数えます。たとえば、自分と親や子との親等は1親等、自分と祖父母や孫との親等は2親等という具合です。傍系の場合では、自分と共同の始祖までさかのぼり、その始祖から下って計算します。いとこの場合は、共同の始祖すなわち祖父母まで2親等さかのぼり、そこから下って叔父・叔母が3親等、さらに下っていとこは4親等となります。
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