1 総則
2016年5月10日 火曜日
相続税財産評価Q&A その2
Q3 財産評価通達には「通常成立すると見込まれる価額」とありますが、売り手の立場と買い手の立場では希望する価額が異なってきますがどの様に考えればいいのでしょうか?
たとえば美術品の場合、売る人の希望と買う人の希望では相当な開きがあるのが普通だと思われます。通常成立すると認められる価額とはいったい何なのでしょうか?
A3 ここでいう価額とは、客観的な交換価値を示す価額です。売り急ぎや買い進みなどの特別な事情は排除するということです。また、客観的な交換価値ですから、売り手と買い手の希望価額が異なる場合には、一般的には、両者が売買に応じるであろう仲値を使うべきであると考えられます。
Q4 財産評価通達1(3)に「その財産の価額に影響を及ぼすべきすべての事情」とありますが、どういう事情があるのでしょうか?
A4 財産評価はそれぞれの財産の現況に応じて評価します。評価に当たってはその価額に影響を及ぼすべきすべての事情を考慮することとしています。ただし、そもそも評価する財産の時価は客観的な交換価値を示す価格ですから、評価の際に考慮される事情は客観的なものに限られ、所有者の主観的要因などは考慮されません。
たとえば宅地を例にとりますと、例えば借地権、がけ地、不整形地などあらかじめ想定できる事情は財産評価通達に明示してありますが、そのほかに利用価値が著しく低下している次のような宅地が挙げられます。
・道路より高い位置にある宅地又は低い位置にある宅地で、その付近にある宅地と比して著しく高低差のあるもの
・地盤にはなはだしい凹凸がある宅地
・震動のはなはだしい宅地
・上記のほかの宅地で、騒音、日照妨害(建築基準法第56条の2に定める日影時間を超える時間の日照阻害のあるものとします。)、臭気、忌み等によりその取引価額に影響を受けるものと認められるもの
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