2019年1月25日 金曜日
国税にバレバレ、調査で不正発覚
記事提供:エヌピー通信社
国税庁が公表した所得税調査の実績報告によると、2017年7月からの1年間の実地調査7万2953件のうち、申告漏れなどの非違が見つかったのは6万338件で、調査を受けた人の8割以上が何らかの問題点を指摘されました。近年は仮想通貨や民泊に絡んだ税逃れなど、新しい形の事例も報告されています。厳しい調査の末にどのような申告漏れがばれてしまったのか、仮想通貨と民泊が絡むふたつの不正事例を紹介します。
会社員Aは多数の仮想通貨取引所に自分名義と妻名義の口座を開設し、自分で開発した自動売買プログラムを利用して多額の利益を得ていました。その儲けを確定申告期には申告せず、期限後になって修正申告。しかしその所得は儲けの一部に過ぎず、自分名義の取引の一部と妻名義の口座での取引の全ての利益は隠していたところ、追徴課税を受けました。申告漏れ所得金額は1年で5千万円。加算税込みの追徴税額2400万円。
また、会社員Bは所有物件や賃貸物件を民泊専門の国外ウェブサイトにアップし、主に外国人に貸し出し、国外の民泊仲介業者経由で宿泊料を受け取っていました。毎年、給与所得のほかに少額または赤字の不動産所得を申告していたものの、その不動産所得は民泊収入の一部に過ぎませんでした。顧問税理士には民泊による年間収入金額より過少になる賃貸契約書を渡し、民泊収入の存在を把握させないようにしていたそうです。申告漏れ所得金額は5年で2600万円。加算税込みの追徴税額700万円(重加算税あり)。
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|2019年1月18日 金曜日
平成31年税制改正大綱 個人所得課税(一般)編
◆31年税制改正「消費税対策」が重点に
平成31年の税制改正大綱では、10月に実施予定の消費税率10%引上げに伴う、駆込み需要・反動減対策(車両・住宅)に重点が置かれ、単年度ベースで1,670憶円規模の減税措置がされると公表されました。
個人所得課税(金融・証券税制以外のもの)については、次の項目が改正されます。
◆住宅ローン控除の拡充(国税・減税)
過去の消費増税時に住宅の駆込み需要とその後の販売減を経験していることから、住宅ローン控除が拡充されました。31年10月から32年末に入居する住宅(消費税10%適用)については、控除期間が現行の10年から13年に延長されます。11年目からは計算方法が変わることに注意しましょう。
1~10年目:住宅ローン年末残高×1%(最大40万円)
11~13年目:次のいずれか少ない金額
①住宅ローン年末残高×1%
②取得価額(最大4000万円)×2%÷3
◆空き家の譲渡の特別控除(国税・減税)
適用期限が4年延長され、老人ホーム等に入所したことにより空き家になって場合においても、一定の要件を満たすものについては、適用の対象となりました。また、所有者不明土地を収用した場合の5,000万円特別控除制度が創設されました。
◆ひとり親(未婚)の非課税(住民税・減税)
自公で議論となっていたのが、婚姻歴のないシングルマザー等の「寡婦(夫)控除」の取扱い。結論は翌年に持ち越しとなりましたが、次の要件を満たす「ひとり親」の住民税が非課税とされました(未婚男性の「ひとり親」にも適用されます)。
・児童扶養手当の支給を受けていること
・前年の合計所得金額が135万円以下
なお、所得税の負担が残るため、給付金17,500円(非課税)が年収365万円までの10万人弱を対象に支給される見通しです。
◆その他の改正(ふるさと納税の適正化など)
その他には、①ふるさと納税の高額返戻品禁止(返戻割合3割以下の地場産品に限定)、②仮装通貨の取得価額の計算方法の明確化(移動平均法又は総平均法)、③申告書の源泉徴収票、特定口座年間取引報告書等の添付不要化・記載事項の見直し、④森林環境税(仮)の創設、⑤公的年金等の源泉徴収見直し等が措置されています。
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|2019年1月11日 金曜日
仮想通貨の相続税申告が簡素化
記事提供:エヌピー通信社
国税庁は11月下旬、相続で仮想通貨を取得した時の申告方法を簡素化することを発表しました。これまで仮想通貨の相続税申告については統一された取り扱いが定められていなかったため、相続人が各交換業者のサイトにログインするなどして残高を調べるしかありませんでした。
国税庁が定めた新たな方法では、相続で仮想通貨を得た相続人は、各交換業者に仮想通貨の残高証明書の交付を依頼できるようになります。業者は依頼に基づき、相続開始日における残高証明書や取引明細書を発行し、相続人は各業者から交付された証明書を税理士に渡すことで相続税の申告書を作成するというもの。
また国税庁は同時に、仮想通貨の税務上の取り扱いについてのQ&Aも発表しました。仮想通貨を売却した時や交換した時、仮想通貨で給与を支払った時などの税務処理を解説しています。それによれば、相続で仮想通貨を得た時の評価方法は、市場で取引され、継続的に価格情報が提供されているようなものについては、相続発生時点での市場価格に準じます。
一方、活発な市場が存在せず客観的な交換価値を示すデータがない仮想通貨については、「仮想通貨の内容や性質、取引実態などを勘案し、個別に評価する」としています。
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