2018年5月11日 金曜日
相続登記をするなら今がチャンス!?
◆数次相続での免税措置
相続が発生した場合、新しい所有者へ所有権を移転させる相続登記を行う必要がありますが、この登記がされないことで、所有者不明の不動産が増加する事態が深刻になっています。中には、相続が発生した親の不動産について、相続登記がされないまま子も亡くなってしまうような、いわゆる数次相続が発生することもあり、なかなか相続登記が進まないという例も少なくありません。
平成30年度の税制改正では、このような相続による土地所有権の移転登記に関する登録免許税の免税措置が設けられています。この免税措置により、個人が相続で土地を取得したにもかかわらず、その土地について所有権の移転登記をしないまま死亡してしまった場合、その個人を土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記については、登録免許税を課さないこととなりました。
◆1次相続での登録免許税が免税に
たとえばAさんが所有している土地Xについて、Aさんが亡くなり、Bさんが土地Xを取得したとします。このとき、Bさん名義に所有権を移転する相続登記をしないまま、Bさんも亡くなってしまうと、その後Bさんから土地Xを相続するCさんは、AさんからBさんへの相続登記(1次相続)と、BさんからCさんへの相続登記(2次相続)を行うことになります(ただし、一部例外有)。今回の免税措置は、この例でいうAさんからBさんへの相続登記(1次相続)の登記申請について、登録免許税を免除するというものです。
◆免税措置は平成33年3月31日まで
この免税は平成33年3月31日までの時限措置です。本来は登記申請の際、土地の固定資産税評価額に対して0.4%の税率がかかりますが、平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間は免税となります。
相続は重なると相続人が多数になり、手続きが一層煩雑になります。未了の相続登記がある場合は、この機会に整理してみてはいかがでしょうか。
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|2018年5月7日 月曜日
相続税財産評価Q&A80 構築物②
相続税財産評価 構築物②
Q80
コンクリート敷きの駐車場は構築物に該当しますか?3階建の自走式の立体駐車場ならどうでしょうか。また、自走式と機械式が併設された駐車場施設は構築物、機械設備のどちらになりますか、それともそれぞれの部分ごとに評価するのでしょうか。
A80
自走式の立体駐車場は構築物として評価し、自走式と機械式が併設された駐車場施設は、構築物部分と機械装置部分にそれぞれ区分して評価します。
構築物とは土地に定着する土木設備又は工作物とされています。また、通常、機械とは剛性のある物体から構成され、一定の相対運動をする機能があり、それ自体が仕事をするものであるといわれています。このことから、駐車場のうち、単に砂利・アスファルト・コンクリートを敷き詰めた平置きの駐車場は、構築物に該当します。そして、構築物の価額は、原則として1個の構築物ごとに評価します。
質問の自走式の立休駐車場設備は、通常、鉄骨製の主材部分、床(パネルフレーム)部分、スロープ部分及び基礎部分等から構成されており、車が自走して駐車位置に移動し、上層部分へはスロープを利用して移動するものであることから、構築物に該当します。また、自走式と機械式が併設された駐車場施設は、自走式部分は構築物に該当し、機械式部分は機械装置に該当するため、その部分ごとに評価します。
構築物の相続税評価額は、その構築物の再建築価額(課税時期においてその財産を新たに建設または設備するために要する費用の額の合計額をいいます。)から、建築の時から課税時期までの期間(その期間に1年未満の端数があるときは、その端数は1年とします。)の償却費の額の合計額または減価の額を控除した金額の100分の70に相当する金額によって評価します。この場合における償却方法は、定率法によるものとし、その耐用年数は減価償却資産の対象年数等に関する省令(耐用年数省令)に規定する耐用年数によります。
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